モンキー125を145ccにするボアアップキット、乗ってみた! スペシャルパーツ武川 【動画・モトチャンプTV】

現行モンキーにはロングストローク化により新しい排出ガス規制に適合したエンジンが採用されている。このため従来あった181ccボアアップキットが使えなくなっていた。ところがスペシャルパーツ武川から新エンジンに適合するボアアップキットが発売された。その実力はいかがなものだろうか?

スペシャルパーツ武川のモンキー125用ボアアップキット

現行型モンキー125用に発売されたSステージαボアアップキット145cc。

ホンダ・モンキー125は2021年9月にモデルチェンジして新しい排ガス規制に適合した。この時からエンジンが切り替わり従来よりロングストローク型となったことで、排ガスをクリーンにしたのだ。これはスーパーカブC125やグロムも同じことで、同型エンジンを積むすべてのモデルが新しいエンジンに切り替わった。

新エンジンはスタッドボルトの間隔が狭まり145ccが限界になる。

この新エンジンになったことで弊害も出た。従来型エンジンだと181ccへのボアアップキットが装着できたのだが、新エンジンにこれが使えなくなってしまったのだ。理由はシリンダーが刷新されたこと。シリンダーを支えるスタッドボルトの位置が従来より狭まってしまったためで、ロングストローク型のためクランクシャフトも変わっている。つまり新しく開発しないとボアアップができなくなっていた。

ボアアップキットのほかに各種パーツを装着したエンジン。

ところが2023年、ついにスペシャルパーツ武川が新エンジンに使うことができる新たなボアアップキットを開発してくれた。それが今回紹介するボアアップキット。ユーチューブで動画を無料配信しているモトチャンプTVでも取り上げている。「SP武川のモンキー125用145ccボアアップキットに試乗!」という回がそれで、今回も動画をダイジェストにまとめて紹介してみよう。

同時に装着したいパーツたち

ボアアップキットはシリンダーやピストン、ピストンリングのほかにハイカムシャフト、各種ガスケット、インジェクションコントローラーがセットになっている。これだけ組んでも十分にパワーアップを果たすことができるが、せっかくなら更なるパワーアップを目指したい。そこで以下に合わせて使いたいパーツたちを紹介しよう。

吸気系にはエアフィルターキットを装着。
排気系にはボンバーマフラーを装着。

ボアアップエンジンは吸排気系を変更することでさらにパワフルな走りが楽しめるようになる。吸入効率を高めるエアフィルターや排気効率に優れる抜けの良いマフラーを組み合わせることで、ボアアップしたエンジンのポテンシャルをさらに引き出せるようになるのだ。

エンジン保護のためキャッチタンクやオイルクーラーを追加。
同時に組み込みたいのが強化オイルポンプだ。

ボアアップしたエンジンを保護するには純正のままだと不安な点もある。冷却性能や潤滑装置などはその代表例で、オイルクーラーを追加したり強化タイプのオイルポンプに変更することで、パワーアップしたエンジンに合わせた対策が施せる。

高出力化に対応するスリッパークラッチ。

エンジン出力が高まるとエンジンだけでなくクラッチにも負担がかかる。そこで強化クラッチを組むわけだが、どうせならシフトショックを軽減してくれるスリッパークラッチにするのがオススメ。クラッチ操作がラクになるしクラッチ自体の消耗も減らしてくれる。

高回転を多用しても安心のクランクシャフトサポートアダプター。
カムチェーンの弛みに対応するカムチェーンテンショナー。

エンジンの保護という意味ではクランクシャフトの動きを抑制するサポートアダプターもオススメ。特に高回転を多用する乗り方をするなら、是非とも組み込みたいパーツだ。さらに噛むチェーンテンショナーも強化型にすることでチェーンの弛むを予防することができる。

145ccにボアアップしたモンキー125をテストライド!

前述のパーツをすべて組み込んだSP武川のデモ車。

ボアアップキットのほかに前述したパーツたちをフルに装着したのがスペシャルパーツ武川に用意されているデモ車。今回はこのデモ車にモトチャンプのライターHIDE川島が試乗することになった。以前の181cc比で20ccのボアアップではあるのだが、エンジンをスタートした瞬間からその変化に驚かされることだろう。とにかくレスポンスが良いのだ。

HIDE川島がデモ車に試乗した。
もう笑っちゃうくらいに速いのだ。

実際に走り出すとわずか20ccとは思えないほどの豹変ぶりに驚くはず。とにかくパワフル&トルクフル。スロットルを開ければ猛然と加速を始め、1速は瞬時に吹け切ってしまう。そのままシフトアップを繰り返していくと、上り坂だろうが何だろうがトップの5速までアッという間に達してしまうのだ。純正より1速高いギアを使って走ることができる感覚で、想像以上にスピードが出てしまうのでスピード違反はくれぐれも御用心。さすがに181ccと直接乗り比べたら不満が出てしまう可能性もあるが、145ccであることを忘れさせてくれるほどのパワフルさは圧巻なのだ。

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著者プロフィール

増田満 近影

増田満

小学生時代にスーパーカーブームが巻き起こり後楽園球場へ足を運んだ世代。大学卒業後は自動車雑誌編集部…