現行ハンターカブ用145ccボアアップキット登場、その実力をさっそく試した。|スペシャルパーツ武川 【動画・モトチャンプTV】

先代に当たるJA55・CT125ハンターカブで大人気だったのがSP武川のボアアップキット。CT125が新型のJA65となり同キットを楽しみにしていた人も多いことだろう。ようやく発売されたSステージαボアアップキット145ccの詳細と試乗インプレを紹介しよう。
CT125ハンターカブの現行モデルであるJA65にもボアアップキットが登場した。

CT125ハンターカブが新型のJA65型になったのが2023年10月のこと。最新の排出ガス規制に適合させるため新型エンジンを採用するモデルチェンジが実施された。そのため従来からあるボアアップキットなどが現行モデルには使えないことになった。従来モデル用にはSP武川からはハイパーSステージボアアップキット181ccやハイパーeステージボアアップキット143ccなどが発売されている。特に前者だと大きく排気量を拡大できるのでパワーアップ著しかった。同じように現行モデルでも楽しみたいと思うユーザーは多かったはず。そこで待望のボアアップキットが2024年1月に発売された!

SP武川Sステージαボアアップキットの内容

動画アップ時に未定だった価格は12万9800円(税込)と予想を上回るほど安価だった。

発売されたSステージαボアアップキットは排気量を145ccへ20ccほどアップさせるキット。今回の記事も例によってユーチューブで動画を無料配信している「モトチャンプTV」にアップされた「SP武川から現行ハンターカブ用の145ccボアアップキット登場!」という回をダイジェストにまとめたもの。今回はボアアップキットの組み付け工程などはなく、製品紹介と試乗インプレッションで構成している。以下にボアアップキットの内容を写真とともに紹介しよう。

キットの内容は専用設計されたシリンダー。
20ccアップとなるピストンにはピストンリングも付属する。
ボアアップ効果をよりアップさせるスポーツカムシャフト。
純正EUCにカプラーオンで装着可能なFIコンTYPE-X。
排気量が20ccアップされ最高出力は1.5倍に達する。

キット以外にも装着したいパーツ

高効率マフラーで排気抵抗を低減。

ボアアップするのと同時に見直したいのが吸排気系。特にマフラーは排気抵抗が低減されるため、高回転域でのパワー感が炸裂する。もちろん政府認証を取得しているため、音量や排ガス濃度などに問題はない。

パワーフィルターで吸入効率アップ。
雨の日でもガンガン乗りたいなら純正エレメント交換タイプがオススメ。

排気だけでなく吸気も見直したいところ。吸気がノーマルのままだとボアアップエンジンが求める吸入量に達しないためフン詰まりのような状態になる。交換することでより効果が大きいのはクリーナーが剥き出しのパワーフィルタータイプであるエアフィルターキットだが、雨の日に使うと不具合が生じる場合もある。そこで天候問わずガンガン走りたいという人なら純正エレメント交換タイプのパワーフィルターキットにするといいだろう。

操作をより楽しめるハイドロクラッチに変換するキット。

さらに今回試乗したマシンには自動遠心クラッチではなくライダーが自らクラッチ操作をできるように変換するハイドロクラッチコンバージョンキットが組み込まれていた。自動遠心クラッチはカブ系最大の特徴でもあるが、より走りを楽しみたいという人にはうってつけのキットと言えるだろう。

試乗インプレッション!

エンジンを始動するとパワーフィルターの吸気音が印象的。

今回はSP武川が用意してくれたボアアップキット装着済みのデモ車を試乗できることとなった。ライダーはモトチャンプのライターHIDE川島で、早速エンジンをスタートさせスロットルを捻ると、スクランブラーマフラーによる歯切れの良い排気音と同時にエアーフィルターキットを装着したことによるガボッガボッという吸気音まで楽しめるようになった。キャブ車のようで刺激的な音となっている。

小雨降るなか試乗スタート!

走り出すと1速から4速まであっという間に吹けきり、思わず5速が欲しくなるほど鋭い加速力を見せつけてくれた。ノーマルのCT125だと大きな車体と重めの重量ということで豪快な加速力とはいえないから、ここまで鋭く加速してくれるようになるのは非常に魅力的。かといってチューニングエンジン特有の扱いにくさは皆無で、ノーマルCT125を乗るのと同じような感覚でライディングできる。20ccの排気量アップで、ようやく重めの車体に見合ったパワーを獲得したといっていいかもしれない。

上り坂でも力強く加速してあっという間に吹け切る。

この日は残念ながら小雨が降るなかでの試乗。ということでコーナーや下りで全開にするような走りはできなかったが、逆に日常的な使い勝手を確認することができた。どの回転数でもノーマルエンジンと同じように扱えるから操作がとてもラクなのだ。ボアアップキットのピストンは純正より圧縮比が高いがエンブレがきつくなるようなことはなく、ごく普通に乗っていられる。それなのに上り坂でスロットルを全開近くまでオープンにすると、タコメーターの針はあっという間にレッドゾーン目掛けて跳ね上がる。激しすぎず心地良い加速力と言っていいだろう。145ccということは軽2輪登録になるため、高速道路も走ることができるようになる。ツーリングもこなしたいユーザーに最適なボアアップキットの登場だ。なお、使用燃料はハイオクになる。

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著者プロフィール

増田満 近影

増田満

小学生時代にスーパーカーブームが巻き起こり後楽園球場へ足を運んだ世代。大学卒業後は自動車雑誌編集部…