目次
モト・グッツィ ステルビオ……2,420,000円(消費税10%を含む)
2021年に創立100周年という節目を迎えたモト・グッツィは、2022年に完全にゼロから考案・設計され、画期的な技術的進歩である新型水冷縦置きVツインエンジンを搭載し、最新テクノロジーを満載したV100マンデッロを発表した。
この現代的なテクノロジーに基づいたモデルの第2章となるモト・グッツィの新型ステルビオは、伝説的な48のつづら折りのカーブを通って2つの谷を結ぶ有名なアルプスの峠にちなんで名付けられた。
モト・グッツィ ステルビオ は、未来に向けて進化する最先端の電子制御を搭載したモーターサイクルだが、モト・グッツィ のユニークなデザインと構造の哲学、そして モト・グッツィの紛れもない本質を維持しながらも現代的なデザイン、安全性や快適性を実現している。
ステルビオ 商品概要
- メーカー希望小売価格 : 2,420,000円(消費税 10%込)
- カラー : バルカンブラック
マット仕上げの黒とグレーの組み合わせを主体に、タンクとサイドパネルにイエローのアクセントが施されたバルカンブラックを導入。 - 受注開始日 : 2024年7月10日(水)
- 出荷時期 : 2024年8月頃より順次
先進のエアロダイナミクス
洗練された独創的なデザインの モト・グッツィ ステルビオ は、このクラスでは数少ないシャフトドライブ方式を採用し、電動で高さ調整可能なウィンドスクリーンを備えたツーリングモーターサイクルだ。
さらに重要なのは、90度縦置き V ツインのエンジンレイアウトを誇る、ただ一つのモーターサイクルであり、それがモト グッツィの特徴で、独特で比類のない特性を備えていることだ。
タンクとシートを中心とした主要な幾何学的ボディワークコンポーネントは、複雑で細部へのこだわりを維持しながら、そのラインの優雅さを増幅させる。
素材、色、仕上げは、未来のスタイル トレンドに目を向けながら、その形状と複雑なディテールを通して、イタリアのエッセンスを強調している。
エアロダイナミクスは、この専任のエンジニアチームにより広範囲かつ綿密に設計された。その目的は、独自の風洞施設を持った最初の先駆的なオートバイブランドとしてのモト・グッツィの伝統に沿い、風圧からの保護、快適性、そしてライディングの喜びを最適化すること。
ライダーとパッセンジャーに最大限の保護を提供しながら、最小限のスペースを占める理想的な表面を決定するために、CFD(数値流体力学)計算ソフトウェアを使用した 1,500時間を超えるシミュレーションテストをした。
ウィンドスクリーンも重要な研究の対象で、2つのサイドデフレクターによって、後方への空気の渦を回避しながら気流を逸らすように形作られている。さまざまな身長に対応するために、時速150kmまでは高さを最大70mmの範囲を電動で調整できる。
モト・グッツィ ステルビオ はまた、その豊かな伝統から生れたモデルをオマージュし、シート下のサイドカバーにあるスリットなどの要素からインスピレーションを得ながら、再設計されたフォルムに現代性と革新性を取り入れた。
フロントマスクは、DRLが鷲の輪郭を強調するLED照明システムによってアイデンティティが確認され、側面からも完全に露出したエンジンの特別でユニークな構造によって認識できる。この点にも細心の注意が払われており、ラジエーターを目立たないように配置し、ウォーターパイプを見えないようレイアウトするとともに、配線を完全に隠す電装系の徹底した改良により、メカニカル純度の向上に貢献している。
さらに磨き上げられた革新的な「コンパクトブロック」V ツインエンジン
モト・グッツィ ステルビオ は、最近V100 Mandelloに導入されたエンジン ユニットを搭載しているが、いくつかの点で優れており、ライディング エクスペリエンスの全体的な満足度が向上している。モト・グッツィ V100Mandelloとステルビオ のプロジェクトは並行して開始されたが、その後まったく異なる開発経路をたどる。
モト・グッツィ のエンジン設計者は、さまざまな種類のモデルに適したエンジンを製造するという明確な目標を最初から掲げていた。たとえば、リードバルブを介してクランクケースから隔離されたオイルサンプを実現するという決定により、エンジン下部の小型化に成功した。この事により、オフロード走行にも対応した最低地上高の確保が可能となる。
モト・グッツィ の「コンパクト ブロック」は、性能と骨格の点でもまさに最先端のエンジンだ。コンパクトかつ軽量でありながら、活発で機敏な性格の車体を実現します。この強力で応答性の高いエンジンは、燃費効率と適度なランニングコストのバランスを保ちながら、スロットルをひねるたびに強力なトルク感を求めるライダーたちに、モト・グッツィは今後も応えていくことになる。
この水冷エンジンは、1シリンダーあたり4つのバルブを駆動するフィンガーロッカーとデュアルオーバーヘッド
カムシャフトを採用した90° 縦置きVツインだ。
総排気量は1042cc、ボア×ストロークの値は96mm X 72mmだ。
前述のように、クランクケースはウェットサンプ方式を採用しており、クランク室はリードバルブパックによってオイルサンプと分離している。このシステムにより、オイルパンが浅くなるためエンジンの搭載位置を低くすることができ、ハンドリングが向上すると共に、ステルビオの場合はオフロードでの障害物を回避するのに十分な地上高が確保される。
さらには、クランク室内のオイル量を減らすことにより、サイズの抑制に貢献するだけでなく、フリクションを低減して燃料消費量を低減する利点もある。
全体的に、慣性を可能な限り低減するために多大な研究開発が注がれ (以前の1200 8Vエンジンより最大50%低減)、重量が軽減され、応答性が向上。逆回転クランクシャフトは、90°構造によってすでに完璧にバランスが取れている1次フォースのバランスを取ることが目的ではなく、加速や減速時の不要な反動を排除し、乗り心地を向上させるためのものだ。
このコンポーネントを組み込むことで、クランクシャフトの重量と寸法を削減することも可能になり、それによってコンパクトさと全体的なパフォーマンスの両方が向上した。アウタークランクケースは、8か所でフレームに取り付けられ、フレームの一部として構造的機能を持たせるように設計されている。
ゼロから設計されたパワーユニットは、V85TTのスモールブロックエンジンより103mm短く、先代の4バルブエンジンである1200 8Vよりも軽く、非常にコンパクトなパワー ユニットを実現しました。スリッパーシステムを備えた油圧制御の湿式多板クラッチも大きく貢献している。このシステムは、現在他のモデルで使用されている乾式単板クラッチと比較して、より堅牢で信頼性が高いだけでなく、よりコンパクトで軽量でもあります。オルタネーターは効率を向上させるために位置が変更され、前面に配置されるのではなく、シリンダーのVバンク内に配置された。
このエンジンのもう1つの特徴は、これまでの物と違いシリンダー ヘッドが90度回転していることだ。
これにより、より広い足元スペースが確保されるだけでなく、インテークラインと電子制御インジェクションのコンポーネントの配置も合理化される。実際、2つのスロットル ボディはより短く直線的なインテークマニホールドを備えており、これにより燃焼室への空気と燃料の混合気の供給を最適化し、出力の向上やよりスムーズなパワーの供給、燃費効率の向上、有害物質の削減などの明らかな利点が得られる。
フィンガーフォロワー式ダブルオーバーヘッドカムシャフトの採用により、より積極的なバルブリフト制御が可能となり、性能の向上に加え、無駄な燃料消費を削減した理想的な燃焼を実現。
これには、ライド・バイ・ワイヤ電子制御システムが貢献しており、スロットル操作中の正確な制御を可能にします。シリンダー ヘッドの向きを回転させることで、2 つのエキゾーストパイプを滑らかに湾曲して合流させる排気システムの設計が可能になった。さらに、ヘッドパイプには、ライダーの脚から熱気をそらすように設計された保護シールドが装備されている。6速ギアボックスは再設計され、よりスムーズでシームレスなギアシフトが実現しました。さらに、オプション設定の電子制御クイック シフトのパフォーマンスも向上している。
このパワーユニットは間違いなくスポーティなレベルのパフォーマンスを提供する。最大出力は8,700rpmで115hp、最大トルクは6,750rpmで105Nmを発揮し、わずか3,500rpmでその82%を発生。
レブリミッターは9,500rpmで作動する。これらのデータは、モト・グッツィ の伝統を踏襲したライディング エクスペリエンスを実現する低速トルクを提供する。しかし、この最新の設計により、低燃費性能とランニングコストを軽減するエンジンが実現し、サービスインターバルは12,000kmごとに設定されている。
モト・グッツィ ステルビオは、3つのラムダセンサーの導入により、ユーロ 5+排出ガス基準に準拠している。
ファイナルドライブシャフトは、左側に配置されたアルミニウム製の片持ちスイングアーム内を通り、リアホイールを駆動する。V100マンデッロの物と比較して、オフロードでの走行に適応するために強化されています。スイングアームの延長などにより、スロットルを開いたときの車体の挙動への影響が効果的に排除され、スイングアームのリアクションロッドが不要になった。これにより、チェーンドライブに似た加速と減速時のシームレスでスムーズな乗り心地が実現すると同時に、メンテナンスの軽減や清掃の容易さなど、シャフトドライブによるすべての利点も享受できる。
このシステムの特徴的な点として、スイングアームの支点に6度の角度で配置された独立したユニバーサル ジョイントを備えていることだ。この設計を採用する事により、バイクの中央部分のスリムなプロファイルを維持し、重量が軽減され、人間工学においてのメリットがあるだけでなく、ベベルギアを84度の角度に設定することが可能になった(他のモト・グッツィ モデルは90度)。
この配置により、スイングアームは170/60タイヤ(4.5インチ幅のチューブレス スポーク リム)を装着できるようになり、モト・グッツィ ステルビオ の冒険心を強調する。
至高のライディングへの喜び
あらゆるシーンで優れた性能を発揮するように設計され、アドベンチャーツーリングや日常の移動において快適さと揺るぎないパフォーマンスを提供し、スポーティなロードライディングを求めるユーザーに爽快な体験を提供する。これこそが多目的用モーターサイクルであり、モト・グッツィ ステルビオは1台に複数の個性の融合を芸術的に実現している。
快適で楽しい乗り心地は、エンジン構造とシート下まで伸びる 21リットルの燃料タンクによる、最適な重量配分と質量の低減によるものだ。
また、エンジンを車体の強度メンバーとして使用する、モト・グッツィ ステルビオ 専用の新しい鋼管フレームの特別なレイアウトも特徴だ。エンジンを共有するV100マンデッロと比較し、フロントエンドは完全に再設計されており、より強力でアドベンチャーライディングに適している。さらに、サイズも変更された。フレームのフロン アンカーポイントは、V100 Mandelloの2つから4つになり、剛性が20%も向上した。
1,520mm のホイールベースと25.6°のステアリングヘッドアングルにより、コーナーの多い道路でも機敏性とスポーティなフィーリングが得られる。
シート高830mmのあるゆったりとしたサイズのシートがもたらす十分な快適性と、背中をまっすぐに保ち、足をわずかに曲げたライディングポジションにより、快適なツーリング姿勢を保つ事が可能。
中央部分が細くなったシートは、停止状態で両足が地面に接地しやすく、安定したバランスを保つ。
モト・グッツィ のオン/オフロードバイクの長年の伝統を踏襲し、新しい ステルビオ のアルミニウム製ハンドルバーは、オフロードでのコントロールに最適でありながら、よりリラックスしたツーリング姿勢を提供する。パッセンジャーの為のデザインも重要な部分であり、大きなグラブバーと幅広で十分なパッドが入ったパッセンジャーシートを装備して快適なツーリング姿勢を可能にする。
パニアケース(オプション設定)のマウントシステムは非常に独創的で、追加のサポート部品は必要とせず、ケースを装着していないときのバイクの外観をすっきりさせ、重量を軽減し、横幅の寸法を最小限に抑えられる。
取り付けは簡単で、パッセンジャーシートを持ち上げ、ケースのフックを指定されたスロットに差し込むだけで固定される。サスペンション システムはステルビオ専用に調整され、スポーティでエキサイティングなライディング性を提供するだけでなく、ロングツーリングに必要な快適性と、170 mm の十分なトラベル量により、荒れた地形での信頼性の高い接地感を提供します。46 mm 径のザックス製フロントフォークは、リバウンドとスプリング プリロードが調整でき、KYB製リアショックアブソーバーは、便利な手動式リバウンド調整とスプリング プリロードが調整可能だ。その傾斜させたレイアウトは、路面の凹凸を確実に収束し、適切な反応を提供するために、設計・セッティングされています。Brembo製のブレーキ システムには、フロントに320mm径のフローティング ディスクと、ラジアルマウントのモノブロック キャリパーによって確実なストッピングパワーを提供する。
ハンドルバーのマスター シリンダーは、ブレーキ/クラッチ共にラジアルポンプを採用し、どちらも調整式レバーを備えている。リアブレーキには、280mm径のディスクと、デュアルピストンキャリパーを装着している。
フロント19インチ、リア17インチのホイールは、チューブレス対応のスポーク ホイールを採用し、軽いオフロード ライディングにも対応するタイヤが装着される。
安全性と快適性、パフォーマンスを最適化する電子制御
このステルビオには、優れたパフォーマンスと燃費を実現するライド・バイ・ワイヤ電子制御スロットル、マレリ11MPコントロールユニット、加速度センサーとジャイロセンサーにより、路面に対するバイクの向きを識別する6 軸慣性プラットフォームを含む、最先端のエレクトロニクスパッケージを採用している。
この6軸慣性プラットフォームにより、コンチネンタルと共同開発されたコーナリングABSの性能を最大限に活用し、路上での安全性を確保する。このシステムは、横方向の加速度、フロント ブレーキ レバーからの圧力、リーン アングル、ピッチング、ヨーイングなどのさまざまなパラメーターを継続的に監視する専用のアルゴリズムによって、コーナリング中のブレーキとABSの介入を確実なものにする。ブレーキ操作を調整し、減速と安定性の最適なバランスを保つ。
ライディング モードは、ツーリング、レイン、ロード、スポーツ、オフロードの5つがあります。各モードでは、3つの異なるエンジン マップ、4段階のトラクション コントロール、3つの レベルのエンジン ブレーキ、および2段階のABSコントロールが備わる。モト・グッツィ のテクノロジーは、ライディングにおける安全性と楽しさを向上させるだけでなく、走行中の操作を簡素化するように設計されている。
ライダーは、自分の好みに最も適したライディング モードを選択するだけで、電子パラメーターが自動で最適に調整される。これらの設定はカスタマイズも可能で、ライダーは自分の好みに合わせてパラメーターを微調整できる。
ツーリング：このライディング モードは長距離ツーリング向けに調整されている。 エンジンブレーキの介入 (MGFM) が中程度のレベルに設定され、スロットルを閉じたときの減速を捕助する。パワーデリバリー (MGCM) は3段階中のレベル2で、トラクション コントロール (MGCT) は安定性を高めるために 4段階中のレベル3の介入度に設定されている。
レイン：このモードは、厳しい気象条件に合わせて最適化されている。エンジンブレーキは中程度のレベルに設定され、パワーデリバリーは最も穏やかな3段階中のレベル3。トラクションコントロールは、加速時の安全性を最大限に高めるために最高レベルの介入度に設定されている。
ロード：このモードでの設定は、一般道の走行に向けて調整されている。エンジン ブレーキは中レベル、パワー デリバリー(MGCM)は3段階中のレベル2、トラクション コントロール(MGCT)は4段階中の2番目の介入度に設定されている。
スポーツ：軽快でスポーティなライディングを提供する電子制御が高精度に調整されている。エンジンブレーキは最小限、パワーデリバリー (MGCM)はダイレクトかつスポーティな3段階中のレベル1、トラクションコントロール(MGCT) は最も介入のない4段階中のレベル1。
ABSのレベルは、非常に強力なブレーキングが可能な設定だ。
オフロード：オフロード アドベンチャー向けに設計されている。エンジンブレーキが顕著になり、パワーが最もダイレクトに伝達される。トラクションコントロールとABSは、オフロードでの使用を考慮して細かく調整されている。トラクションコントロールは介入が最小限で、ABSは前輪のみで作動。この構成により、オフロード走行において、コントロールを失うリスクを抑え、冒険を楽しむことが可能だ。
さらに、使い勝手と制御性を高めるために、すべてのライディング モードにおいてトラクションコントロールはキャンセルが可能で、オフロードモードのみ両輪のABSを無効にすることもできる。
標準装備には、デイタイムランニングライト(DRL)を備えたフルLEDライティングシステムや、車体が傾斜している際にコーナーの内側を照らして視認性を向上させるコーナリングライトシステム、メーターパネル横のUSBポートが含まれる。
5インチのカラーTFTメーターパネルは、燃料レベル、外気温と冷却水の温度、ギアのインジケーター、航続可能距離、瞬間燃費などのさまざまな情報を表示す。
主要諸元
ステルビオ – 主要諸元 エンジン形式：水冷 縦置き 90°V型 2気筒 DOHC 4バルブ 総排気量：1.042cc ボア×ストローク：96mm x 72mm 最高出力：115hp @8.700rpm 最大トルク：105Nm @6.750rpm 燃料供給方式：電子制御フューエルインジェクション ライド・バイ・ワイヤ 駆動方式：シャフトドライブ クラッチ：湿式多板油圧クラッチ トランスミッション：6速 フレーム：チューブラースチールフレーム スイングアーム：アルミ製, 片持ちスイングアーム フロントサスペンション：Sachs製 Ø46mm 倒立フォーク、スプリングプリロード・リバウンドダンピン グ調整式、170mmホイールトラベル リアサスペンション：KYB製モノショック スプリングプリロード、リバウンドダンピング調整式 170mm ホイールトラベル フロントブレーキ：Ø320mm ダブルディスク, Brembo製 4-ピストンラジアルマウントキャリパ ー、コーナリング ABS リアブレーキ：Ø280mm ディスク, Brembo製 2-ピストンキャリパー, コーナリング ABS フロントホイール：120/70 R 19 チューブレスリム 19” x 3.0” リアホイール：170/60 R 17 チューブレスリム 17” x 4.5” 全長/全幅：2,195mm/ 945mm シート高：830mm ホイールベース：1.520mm 燃料タンク容量：21L 車両重量： 246Kg ※走行可能状態(燃料は 90%搭載時) 主要装備品：DRL付きフルLEDヘッドライト, ベンディングライト, LEDウィンカー, コーナ リング ABS トラクションコントロール, クルーズコントロール, ライディングモード, フルカラーTFTメーター,電動ウィンドスクリーン 生産国 イタリア