ホイールが星形デザイン、958万円! 「MVアグスタ・スーパーヴェローチェ1000セリエオロ」が2024年秋に発売|世界限定500台

1945年の創業から数多くのレースで輝かしい記録を残しているイタリアのオートバイブランドMVアグスタから、往年のGPマシンをイメージしながら先進の機能を備えたスーパースポーツモデルSuperveloce 1000 Serie Oroが全世界限定500台で発売。Superveloceシリーズ初の1000ccモデルは208psを発生し、最新の電子デバイスを搭載している。
往年のMVアグスタのグランプリマシンをオマージュしたクラシカルな雰囲気を持つスーパースポーツ

イタリアのオートバイブランド「MVアグスタ」が2020年から販売しているスーパヴェローチェ・シリーズは、同社のF3 800をベースにレトロなレーサースタイルに仕上げられたスーパースポーツモデル。これまで限定モデルを含めて6タイプを発売し、全てF3 800のエンジンをベースとしていたが、今回発表された「Superveloce serie oro」はシリーズで初めてBrutale1000RRをベースにしたよりハイパフォーマンスなモデルとして登場した。

フェアリングはカーボンファイバーを使用した空力デザイン

Superveloce 1000 Serie Oroはデザインの逸くしさを追求し、進化を続ける最新技術が詰め込まれている。MVアグスタの歴史に残るスポーツバイクをモチーフとし、丸型ヘッドライトを採用したカウルは、カーボンファイバーなどの高価な素材を駆使して流麗なボディラインを形成している。スタイルの面だけでなく、技術面でも特徴的なのがダウンフォースを目的としたウイング。同社が1973年のグランプリマシン「MV500」に採用した空力学的デザインをモチーフにしている。試験走行では高速走行時に極めて高い直進安定性を発揮し、さまざまな走行条件下でも操作性と俊敏製が損なわれないことが実証されている。Superveloce 1000 Serie Oroの開発には航空力学を応用した解析に基づいて進められ、高速走行時の優れた防風性能、快適性の向上、パフォーマンスの最適化、エンジン吸気の最適化、エンジンからの熱の拡散による実用性を改善。下部フェアリング突き出しを抑えるとともに、ボディ側面に空力性能を高める開口部を設けて空気の流れを整えている。この美しいボディラインにはカーボン素材を採用。鍛造カーボンとラミネートカーボンの2種類を組み合わせて仕上げられ、ダッシュボードサポート、チェーンガード、フルフェアリングなど、41ヶ所に使用される。

星型のホイールはF4 750 Serie Oroのホイールをイメージして再デザインされたもの

星型デザインのホイールは、1999年発売されたスーパースポーツモデル「F4 750 Serie Oro」に採用されていた星型の5本スポークホイールを再解釈してデザインされたもので、キャストホイールとスポークホイールを融合させ、過去と未来がクロスオーバーするスタイリッシュなデザインになっている。エキゾーストもF4 750をオマージュしたチタン製4本出しをアクラポビッチ社が製作。特徴的なオルガンパイプ形状のエキゾーストからは心地よいサウンドが奏でられるようにチューニングされている。

人間工学的にデザインされたシートには本革とアルカンターラを使用し、MVアグスタのロゴがあしらわれる。リヤホイールのハブにはヘッドライトと同様のMVアグスタのロゴが刻まれている。ボディカラーはMVアグスタのレースの歴史にちなんで、アゴシルバー、パールショックレッド、ゴールドチクリスティカ3色を用意している。

搭載エンジンは水冷4ストローク並列4気筒DOHCの998ccを搭載。16本のラジアルバルブと鍛造チタン製コンロッド、DLCコーティングのカムを使用し、φ50mmのスロットルと8個のインジェクターを備えたエンジンは、最高出力208ps/13000rpm、最大トルク116Nm/11000rpmを発生。8段階の介入レベル(雨天2段階、ストリート3段階、サーキット3段階)に対応したトラクションコントロールを備え、慣性プラットフォームで収集したデータを基に、ウイリーを防ぐのではなく猛烈な加速性能を最大限に活かせる角度を維持したフロントリフトを実現するFLCなど、最新の運転支援システムを搭載。ライディングモードはレイン、スポーツ、レースの3種類に加え、スロットル感度、エンジントルク、吸気、リミッター、電子制御サスペンションをライダー自身でパラメーター設定できるカスタムモードも搭載している。

フレームはモリブデン鋼製トレリスフレームにアルミニウム製プレートを組み付け、アルミ合金製肩持ちスイングアームを組み合わせる。サスペンションはオーリンズ製の電子制御システムを採用し、フロントフォークはφ43mm、トラベル量は120mmの倒立フォークを採用。コンプレッション、リバウンド、プリロードを電子的に調整が可能。さらには電子制御のステアリングダンパーも組み込まれている。リヤにはφ36mm、トラベル量120mmのオーリンズ製モノショック式サスペンションを採用。こちらもコンプレッション、リバウンド、プリロードを電子的に調整できる。

ブレーキシステムはブレンボ製で、フロントはφ320mmのダブルディスク、アルミ製フランジ、30mmピストン搭載のSTYLEMAラジアル4ポッドモノブロックキャリパーとラジアルマスターシリンダーを採用。リヤにはφ220mmディスクと34mmの2ポッドキャリパーを採用している。このブレーキシステムには介入レベルを2段階で調整できるABSシステムを搭載。スポーツモードでは前後輪にABSが採用してコーナーリング機能とRLM(リアホイールリフトアップ軽減機能)が有効となり、急制動時にリヤホイールと路面の接触維持し、制動力が最適にかかるように調整。レースモードではフロントへのABS介入度が弱まり、後輪への介入は無効となり、さらにコーナリング機能も無効となる。

Supeveloce 1000 Serie Oroはブランドコレクター限定となり既に予約は終了しているが、全500台のうち、予約対象外の車両が購入可能。価格は958万円で、今秋にデリバリーが開始される予定となっている。

SPEC

  • 全長×全幅(mm):2080×895
  • ホイールベース(mm):1415
  • シート高(mm):845
  • 最低地上高(mm):108
  • 車両重量(kg):209
  • 燃料タンク容量(ℓ):16
  • エンジン形式:水冷4ストローク並列4気筒DOHC
  • 総排気量(cc):998
  • ボア×ストローク(mm):79×50.9
  • 圧縮比:13.4:1
  • 最高出力:208ps(153kW)/13000rpm
  • 最大トルク:116.5Nm(11.9kg-m)/11000rpm
  • ミッション形式:6速リターン
  • タイヤサイズ:(F)120/70ZR17、(R)200/55ZR17

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