目次
まずはナンバーを返して廃車手続き
交通事故で修理不能なほど大破、または、長年乗ったが劣化などがひどくて乗りつぶした。そんな感じで、バイクとしての使命を終えた愛車に関し、まずやっておきたいのがナンバーの返納と廃車手続きだ。
なぜなら、この手続きを行っていないと、乗っていないバイクなのに、軽自動車税(種別割)を毎年課税され続けるからだ。基本的に、軽自動車税は、例年4月1日時点での所有者に課税されるため、3月31日までに手続きをしておかないと、翌年度分を支払わなければならなくなるので注意したい。
ナンバーの返納と廃車手続きを行う場合、どこに申請をするのかや、必要な書類などは排気量によって異なる。主な流れなどは以下の通りだ。
●原付バイク(50cc〜125cc以下)
↓
申請場所:市区町村の役所
必要書類:標識交付証明書、ナンバープレート、本人確認書類(免許証やマイナンバーカードなど)、軽自動車税廃車申告書兼標識返納書など
↓
手続き完了後「原動機付自転車廃車申告受付書」を受け取る
●軽二輪(126cc~250cc)
↓
申請場所:運輸支局
必要書類:軽自動車届出済証、ナンバープレート、手数料納付書、軽自動車税申告書(無料)、申請書、印鑑など
↓
手続き完了後「軽自動車届出済返納証明書」を受け取る
●小型二輪(251cc以上)
↓
申請場所:運輸支局
必要書類:自動車検査証、ナンバープレート、申請書、手数料納付書、350円印紙、軽自動車税申告書、申請書、印鑑など
↓
手続き完了後「自動車検査証返納証明書」を受け取る
申請場所となる市区町村の役所や運輸支局は、基本的に自分の住所を管轄するところとなるので念のため。
また、これらはあくまで一般的な例なので、より具体的な必要書類などは、各市区町村か運輸支局など、手続きを行う場所に直接聞いて欲しい。
なお、車両の盗難などにより、ナンバーや書類などを紛失し返納できない場合、警察への盗難届や受理番号なども必要となる。そのあたりも、詳しくは住所を管轄する申請場所に確認しよう。
ナンバーの返納や廃車手続きが完了すると、排気量によって、原付バイク(50cc〜125cc以下)は原動機付自転車廃車申告受付書、軽二輪(126cc〜250cc)は軽自動車届出済返納証明書、小型二輪(251cc以上)は自動車検査証返納証明書をそれぞれ発行される。この書類は、後述する車両の処分時に重要となるので、紛失しないようにしたい。
ちなみに、廃車したバイクの自賠責保険については、還付制度があるため、手続きをすれば一部返金される。バイクの場合は、少額となるかもしれないが、この点も忘れずにやっておきたい。
車両を無料で引き取る「二輪車リサイクルシステム」とは
以上が、ナンバーの返納や廃車をする際の書類上の手続き。一方、問題は、動かなくなったバイクそのものをどう処分するかだ。
これについては、まず、自動車リサイクル促進センターが手掛けている「二輪車リサイクルシステム」を利用する手がある。
このシステムは、国内二輪車メーカー4社と輸入事業者の計7社(本田技研工業、ヤマハ発動機、スズキ、カワサキモータース、ドゥカティジャパン、ビー・エム・ダブリュー、ハーレーダビッドソンジャパン)が参加し実施しているもの。乗らなくなったバイクをリユース(再利用)、もしくはリサイクルするためのサービスを提供している。
主な流れは、まず、乗らなくなったバイクがある場合、全国のディーラーやバイク店が登録されている「破棄二輪車取扱店」へ相談。そこで、バイクがまだ使える場合は、修理・整備などでリユース。一方、使えない場合は、「二輪車リサイクルシステム」にて、部品などをリサイクル(適正処理・再資源化)するかの判断をしてくれる。
そして、リサイクルをする場合、全国約170か所にある「指定引取場所」へ車両を持ち込めば、無料で引き取ってくれる。ただし、指定取引場所への持ち込みは基本的に自分で行うことが前提。また、前述した廃車手続き完了を確認できる以下の書類が必要となる。
原付バイク(50cc〜125cc以下):原動機付自転車廃車申告受付書
軽二輪(126cc〜250cc):軽自動車届出済返納証明書
小型二輪(251cc以上):自動車検査証返納証明書
これら書類は、先に紹介した廃車手続きの際に発行されるもの。ないと引き取ってくれないので注意したい。
なお、廃車手続きや指定引取場所への車両持ち込みは、前述の破棄二輪車取扱店に依頼することも可能だ。この場合、手数料などある程度の費用もかかるが、バイクを運搬できるトランポなどがないユーザーの場合は、こうしたショップに依頼する方が現実的だといえるだろう。
自宅の近所にある破棄二輪車取扱店は、全軽自協(全国軽自動車協会連合会)の公式ホーページで検索できるので、興味ある人はチェックしてみて欲しい。
対象車両など制限があるので注意
このように、二輪車リサイクルシステムは、かなり便利なのだが、注意したいのは、先に述べた参加事業者7社が国内販売した車両が対象となることだ。特に、輸入車の場合、参加事業者の取扱車両ブランド(ドゥカティ、BMW、ハーレーダビッドソン)でも、並行輸入など、参加事業者以外が販売した車両は対象外となるので注意したい。
逆に、参加事業者が国内販売した車両であれば、ロードレーサーやモトクロッサーなど、公道走行不可のバイクでも引き取り可能。また、電動バイクも対象となるが、自転車(電動アシスト自転車含む)、ATV・バギー車、その他バイク以外の製品は対象外だ。
なお、処分したい愛車が、もし二輪車リサイクルシステムの対象でない場合、自治体の粗大ごみなどには出すことはできない。では、どうするかというと、不用品回収業者に依頼する手もある。
こうした専門業者の場合、自宅まで引き取りに来てくれたり、廃車手続きを代行してくれる場合もあるので、検討してみるのもいいだろう。
いずれにしろ、バイクを正しく処分することは、リユースまたはリサイクルされることで、環境や資源にも優しいことになる。特に、今まで大切に乗ってきた愛車だからこそ、最後にちゃんとお別れする気持ちも込めつつ、きちんとした処分方法を選びたいものだ。
【参考リンク】
自動車リサイクル促進センター公式WEBサイト「二輪車リサイクルの紹介」
https://www.jarc.or.jp/motorcycle/
全軽自協(全国軽自動車協会連合会)公式WEBサイト「破棄二輪車取扱店名簿」
https://www.zenkeijikyo.or.jp/nirin/shop/