目次
1、昼夜の寒暖差
昼間は過ごしやすい気温となることも多い秋。だが、昼夜の寒暖差が激しくなる傾向で、特に朝晩は冷え込むことも多い。日によっては15度以上の寒暖差があることも珍しくないのだ。
そのため、ツーリングでは、早朝に出発したり、遅い時間帯に帰宅することを考慮し、体温調節のできるライディングジャケットや追加のインナーなど、着用するウェアにも気をつけることが大切だ。
また、使い捨てカイロやアンクルカバーといった防寒対策グッズもあると、急な冷え込み時に便利。加えて、気温変化による体調管理も重要で、水分補給や休憩は1〜2時間おきなどに行うように心掛けたい。
2,天気の急変や霧
9月前半から10月後半頃までは、秋雨前線の影響で雨の日が多く、また、山間部などでは急に雨が降るケースも多い。そのため、この時期にツーリングへ行くのであれば、雨具の用意もしておきたい。
また、テレビやスマホアプリを駆使して、天気予報のこまめなチェックも行いたい。もし豪雨などの予報があれば、ツーリングのルートや日程の変更なども検討するといった注意も必要だ。
加えて、秋は濃霧が発生しやすい季節でもある。前述の通り、朝晩の気温がグッと下がる秋は、空気中の水分が凝結することで霧が出やすい。特に、雨が降った翌日の晴天時などに濃霧が発生しやすいといわれている。場所的には、高山地帯や湖・川の周辺で起きやすいといえよう。
もし、ツーリング先で霧が発生した場合は、スピードを落とすなどで安全な運転を心掛けたい。ちなみに、前方が見えにくいからといって、ヘッドライトをハイビームにすると、光が拡散して逆に危険。霧のときは、基本的にロービームでゆっくりと走行することをおすすめする。
3,地面の落ち葉でスリップや転倒に要注意
秋のツーリングは、山間部のワインディングなどで、美しい紅葉を楽しめるのも醍醐味。だが、一方で、秋の山間部では、道路の路面に落ち葉が溜まっていることも多く危険だ。特に、雨が降った後の濡れた路面は、ただでさえ滑りやすいうえに、落ち葉などがあると余計にスリップしやすいので注意したい。
基本的に、落ち葉はなるべく避けて通る方が無難だ。もし安全に避けられず、どうしても通過しなければならない場合は、急ハンドルや急ブレーキなど、急のつく動作を避け慎重に走りたい。特に、見通しの悪いブラインドコーナーなどでは、十分に手前で速度を落とし、「コーナー途中にもし落ち葉があっても対処できる」ライディングを心掛けたい。
4、薄暮時間帯
昼間が短くなる秋は、日没(日の入り)の時間も早い。特に、日没時刻の前後1時間を指す「薄暮時間帯」は急に暗くなり、視界もいきなり悪くなるため、交通事故も増える傾向となる。
そのため、秋のツーリングでは、日没の時間も考えて、スケジュールに余裕を持たせることも重要だ。可能であれば、薄暮時間帯には走行しないような計画を立てた方がいいだろう。
また、もし薄暮時間帯に走行するのであれば、例えば、反射材がついたウェアを着用するといったことも対策のひとつ。周囲のクルマなどに、自分がいることを知らせるような工夫も施すなどで、できるだけ事故を防ぐ努力も行いたい。
5,動物の出没
最近は、熊などの野生動物が、住宅地などに出没することも話題となっているが、特に、秋は、冬眠などに備えて動きが活発になる動物が多い。
山間部や田舎道では、熊だけでなく、鹿やイノシシ、猿などの野生動物が道路に飛び出してくる可能性は十分にある。そのため、動物の出没注意エリアでは速度を落とし、周囲に十分注意を払うようにしたい。
秋のツーリングを安心・安全に
「食欲の秋」という言葉もあるように、秋は旬を向かえる食材も多くなる。秋のツーリングでは、そうしたご当地の味覚を存分に味わえるなど、たくさんの魅力がある。
ただし、前述の通り、油断は禁物。ここで紹介したような注意点を念頭におき、無事に帰宅できるよう心掛けながら、存分にバイク旅を満喫したいものだ。