新型モデルが続々! ホンダからは電動スクーター……BIKES週間ニュースダイジェスト【2024年10月7日〜10月13日】

前週に発表された注目のネタを一気に紹介する「バイクス週間ニュースダイジェスト」。今回は2024年10月7日〜13日に発表されたニュースを紹介する。

「CUV e:」を初公開、「EM1 e:」あらため「ICON e:」は車載充電が可能に

2023年10月28日(土)〜11月5日(日)に開催された「ジャパンモビリティショー」で、本田技研工業(ホンダ)はEVスクーターのコンセプトモデル「SC e: Concept」をワールドプレミアしたことを覚えているだろうか。

それからおよそ1年経った2024年10月9日、EVスクーターと「CUV e:」と「ICON e:」をインドネシアで発表した。

「CUV e:」は、「SC e:」の市販版となる。110cc相当のスクーターで、着脱式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」(MPP)2個をエネルギー源に使用する。満充電までは6時間、25〜75%までの充電は2.7時間で完了する。

パワートレインには直流ブラシレスモーターを使用する。最高出力6kW(8.2ps)/3500rpm・定格出力4.2kW(5.7ps)・最大トルク22Nm(2.2kgm)/2300rpmを発生。最高速度は83km/hで、最大航続距離は80.7kmとなる。

強い加速を得られるパワーモードを選択できることに加えて、基本の走行モードはスタンダード/スポーツ/ECONの3つから選択できる。モーターならではのリバース機能も備わる。メーターはTFTカラー液晶を備え、スマートフォンと接続しナビ画面を表示することも可能。日本のモデルにはない先進的な装備が目立つ。

またホンダは、「ICON e:」もインドネシアで発表した。日本でも販売されている「EM1 e:」をベースにしたEVスクーターだが、中国で普及している三元系リチウムイオンバッテリー(エネルギー密度が高く小型・軽量)をMPPに代わり採用。バッテリー単体のほか車載状態での充電にも対応した。ちなみにバッテリーは床下に搭載し、シート下はラゲッジスペースとなり、二人乗りにも対応している。

「CUV e:」も「ICON e:」もインドネシアでの発表で国内導入は不明だが、特に「CUV e:」は日本で初公開したモデルともあり、日本で展開する可能性は否定できない。ホンダは2024年をEVバイクのグローバル展開元年と位置付けている。世界的にはEVの普及が減速しているが、ホンダは二輪で着実に電動化を進める構え。2030年までにグローバルでEVバイクを30機種導入すると発表している。今回で10機種目ならびに11機種目となった。

900cc直列3気筒のスーパースポーツ

ヤマハ発動機(ヤマハ)は、新型スーパースポーツモデル「YZF-R9」を発表した。888ccの水冷直列3気筒DOHCエンジンを採用した完全新開発のモデルで、採用したアルミフレームはヤマハ歴代SSの中で最軽量だという。綿密な減衰調整機構を備えた前後サスペンション(KYB製)や、ウイングレットの採用によるエアロダイナミクスの向上、アプリ経由でラップタイムといった走行データが確認できる本格的な装備を持つ一方、クルーズコントロールを採用したり足つき性を考慮するといった一般道を想定した装備も目立つ。2025年モデルとして北米・欧州にまずは導入し、日本には2025年春以降に発売予定だという。あわよくば2025年の「モーターサイクルショー」で日本プレミアがなされるだろう。

新型エンジンを搭載した3機種の250cc

ヒョースンモーター・ジャパンは、250ccの新型車を3機種日本で発売する。クルーザースタイルのシャシーとエンジンを共用。ロー&ロングのクラシカルボバー「GV250S Bobber」(税込64万3500円)、スポーティーなイメージを高めた「GV250S-EVO Supreme」(税込68万7500円)、未来的なデザインを採用した「GV250R Avant-garde」(73万7000円)の3機種が導入される。エンジンは、既存の300ccをショートストローク化した249cc水冷V型2気筒SOHC。最高出力18.8kW(25.6ps)/9500rpm・最大トルク20Nm(2.0kgm)/7000rpmの性能を持つ。各車は2024年11月に国内出荷開始となる。

生まれ変わる3気筒ロードスター

トライアンフモーターサイクルズジャパンは、ミドルクラスの3気筒ネイキッド「トライデント660」の新型を発表した。新型ではコーナリングABS・シフトアシスト・クルーズコントロールが標準装備となる。また、フロントサスペンション(SHOWA製)とブレーキ(NISSIN製)をアップデートし、ハンドリング性能も向上したという。エンジンは660ccの水冷直列3気筒DOHCで、最高出力60kW(81ps)/10250rpm・最大トルク64Nm/6250rpmの性能を持つ。カラーは「ディアブロレッド/サファイアブラック」「コスミックイエロー/サファイアブラック」「コバルトブルー/サファイアブラック」「ジェットブラック」の4種類で、価格は税込99万5000円〜100万8000円、2024年冬以降に日本発売予定だ。

ハンターカブに新色

本田技研工業(ホンダ)は、「CT125・ハンターカブ」をマイナーチェンジし12月12日に発売する。価格は税込47万3000円。一部部品の形状を変更するとともに新色を追加した。エキゾーストパイプのプロテクターとバックミラーの形状を変更した。カラーは「パールシュガーケーンベージュ」と「パールスモーキーグレー」を追加し、既存の「グローイングレッド」と合わせて3色の展開となる。また、純正アクセサリーに「クロック&ギアポジションメーター」(税込2万4420円)が新たに追加された。

トライアル競技用のEVバイクの詳細を公表

本田技研工業(ホンダ)は、現在開発中のトライアル競技用EVバイク「RTL ELECTRIC」の車両概要を公表した。EVモトクロッサー「CR ELECTRIC PROTO」に使用しているバッテリーをトライアル用に最適化して搭載。モーターは制御ユニット一体型の「e-アクスル」を搭載。パワートレインの小型化を計っていることがみて取れる。また、トライアルに必須の機構として、クラッチ・フライホイール・トランスミッションも備えているという。2024年10月13日に開催される全日本トライアル選手権の第6戦・和歌山・湯浅大会から導入する予定だ。

空自でEVバイクを採用

航空自衛隊は、全国の基地にEVバイクを導入した。温室効果ガス削減対策の一環だという。導入したのはブレイズの「EVデリバリー」。キャノピー付きのトライク(前一輪後二輪)で、100Vの家庭用コンセントで充電が可能。車両価格は、キャノピーありが税込58万8000円、キャノピーなしが税込54万5000円となっている。原付ではなくミニカーとしての登録も可能だ。

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