スタイル一新、機能も刷新。特別仕様車は204kgから199kgに軽量化した本格派ラリー車|アプリリア・トゥアレグ【EICMA2024】

2024年11月5日~11月10日にイタリア・ミラノで開催された世界最大のモーターサイクルショー「EICMA(エイクマ)」。同イベントでは「アプリリア」がミドルクラスに投入中である「トゥアレグ(国内ではトゥアレグ 660として発売中)」の2025年モデルが登場。新型は細部のスタイルや機能面を刷新。ゴールドカラーのスポークホイール、ゴールドカラーの倒立型フロントフォーク、アップ型フロントフェンダー、スポーツマフラーなどで武装し、車体重量を204kgから199 kgに軽量化した特別仕様車「トゥアレグ ラリー」も発表された。
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

アプリリア トゥアレグ ラリー(特別仕様車)

ゴールドカラーの頑丈なスポークホイール、ゴールドカラーの倒立型フロントフォーク、アップ型フロントフェンダー、スポーツマフラーなどで武装した特別仕様車のトゥアレグ ラリー。

アプリリア トゥアレグ(スタンダード車)

トルネード グリーン

ヘイルストーム ホワイト

新型はスロットルボディを従来の48mmから52mmに拡大!ジェネレーターも刷新して加速性能を向上

アプリリア トゥアレグ(スタンダード車)/ヘイルストーム ホワイト

アフリカはサハラ砂漠西部の遊牧民を意味する「TUAREG(トゥアレグ)」。そんなネーミングを採用したアプリリアのミドルスポーツは、過酷なオフロードライディングも視野に入れたアドベンチャー系ツーリングモデル。国内では「トゥアレグ 660」の名称で発売中。

EICMA2024では同車の2025年モデルが登場。ゴールドカラーの頑丈なスポークホイール、ゴールドカラーの倒立型フロントフォーク、アップ型フロントフェンダー、スポーツマフラーなどで武装した特別仕様車「トゥアレグ ラリー」も公開された。

2025年モデルはフロントカウルのデザインを変更。下側リップのない、より滑らかな上部構造の採用により、フロントビューは上部に向かってよりダイナミックで流線型の外観に進化した。

エンジンは2024年モデルと同型の、水冷4ストローク並列2気筒DOHC 4バルブで排気量は659cc。新型はスロットルボディを従来の48mmから52mmに拡大。さらに新設計のジェネレーターの採用で慣性が低減され、加速性能の向上を実現。

フレームのカラーは斬新なレッドにアレンジ。スタンダード車のボディカラーはブラックを基調にしたトルネードグリーンとヘイルストームホワイトの2色をスタンバイ。2024年国内モデルの試乗インプレッションは下記ページを参照!

「トゥアレグ ラリー」はスタンダード車をベースに、本格的なラリー仕様へと進化

ゴールドカラーの頑丈なスポークホイール、ゴールドカラーの倒立型フロントフォーク、アップ型フロントフェンダー、スポーツマフラーなどで武装したラリーバージョン。

特別仕様車の「トゥアレグ ラリー」はスタンダード車をベースに、本格的なラリー仕様にアレンジ。そのオフロード特性は、高いマッドガードと、より頑丈に設計された新設計のアルミスキッドプレート等により、高い保護性能と耐久性を発揮。ハンドグリップ前には、金属コアを備えた頑丈なブッシュガードも導入済みだ。

同車には新設計のチェーンガイドも標準装備されており、過酷なオフロード走行でも安全性を向上。またオフロードでのコントロール性能を高めるため、人間工学にも配慮。着席と立位の移行を容易にするため、シート高はスタンダード車よりも20mmアップ。ハンドルバーは形状を変更することで、ハンドリングの向上を実現した。

ゴールドカラーに彩られたErgalナローリムのヘビーデューティなスポークホイールには、インナーチューブを使用したトレッドタイヤを装着。

240mmのトラベルを発揮するカヤバ製フロントサスペンションはスタンダード車と同じだが、プログレッシブではなく線形弾性定数Kのスプリングを導入。これにより快適性は若干損なわれるが、オフロードでの走行感覚を大幅に向上し、ライダーは荒れた地形において、より優れたマシン制御が可能となる。

サイドスタンドには接地面が拡大されたサポートフットが装着されており、砂地など柔らかい地面の駐車時も、“スタンドのめり込み”によるバイクの傾斜を抑制。

トゥアレグ ラリーはチタン製サイレンサーを備えた、専用のSCプロジェクト製エキゾーストシステムを導入。スポーティーなこのマフラーは、排気効率の向上による性能向上はもちろん、大口径のΦ60mmマフラーエンドを備えたアグレッシブなレーシングスタイルが特徴。

ラリー用タイヤを装着すれば、砂漠の砂丘も簡単に越えることも可能!

トゥアレグ ラリーの開発には、アプリリア レーシングのワークスライダーであり、アフリカのラリーで見事な勝利を収めたヤコポ・セルッティ選手も参加。ヤコポ・セルッティ選手は、

「アフリカのレースで優勝したバイクにできるだけ近づけることが目標でしたが、これに成功したと言えます。スタンダード車も優れたオフロード走行性能を発揮しますが、ラリーバージョンはさらに一歩進んで、完全なラリー仕様に進化。適切なラリー用タイヤを装着すれば、砂漠の砂丘も簡単に越えることができます。

レースで蓄積した私の経験は、特に電子制御システムへのフィードバックに役立ち、より迅速で決定的なスロットルレスポンスを実現する新しいエンジンマップの作成につながりました。

また足周りの調整では、より優れたサポートを実現するフロントフォークと、高速走行時の路面の凹凸をより効果的に吸収するリアショックアブソーバーの採用により、バイク全体の安定性が飛躍的に向上しました」と語った。

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