ピアッジオからかわいいフル電動トラック。ゼロエミションのポーターPNEが誕生|EICMA2024

ピアジオが生産する小型トラック「ポーター」にBEVの電動モデルが登場。最大255kmの航続距離でシティユースでの利用に最適なモデルとして注目。
最大1055kgの荷物を積載することができる。

1948年からベスパをベースにした小さなトラック「APE」を発売し、古くから小排気量の小型トラックを生産してきたピアッジオ。1992年にはダイハツ・ハイゼットを現地工場でノックダウン生産したポーターが誕生。2021年からはピアジオが自社で設計した第2世代モデルに移行している。ガソリン、LPG、メタンで利用できる1498ccエンジンを搭載するが、このポーターに新たに電動バージョンである「ポーターNPE」が加わることとなった。

コンパクトなドライブユニットを搭載して後輪を駆動する。

ポーターNPEの心臓部となるのは、パワートレーン、インバーター、トランスミッションを統合したコンパクトなドライブユニットEDUを採用。重量、スペース、部品点数を最小限に抑え、電気回路と冷却回路を最適にしながらも高い性能と高い効率を実現するように設計されている。パワーレベルはピーク出力で150kW、連続で60kW、トルク値はピーク時で330Nm、連続で128Nmを発生し、急勾配でもスタート時でも不満のないパワーを発揮する。最高速度は90km/hで加速し、最大255kmの航続距離を確保。シティユースで不足のない性能となっている。

多くのカスタマイズオプションが用意され、用途によりカスタマイズが可能。

ガソリンエンジンモデルから引き継がれるシャシーには、最大1055kgまでの積載が可能。後輪駆動によりあらゆる走行条件で高いパフォーマンスを発揮する。パワーユニットは電子制御システムとエネルギー回収、セーリング機能、クリープ機能(アクセルを使用せずに制御された最高時速8km/hで作動)により、渋滞時や頻繁にストップ&ゴーを繰り返す場合や狭い場所での駐車や操縦を繰り返す場合にも、動きはスムーズで疲労とストレスを低減する。

現代的なコクピットが用意されている。キャビンの幅は1640mmで軽トラックよりも広い。

システムは42KWH、350Vのリン酸鉄リチウムバッテリーで駆動。時速15km/h以下の減速時には再充電する。バッテリーは標準モード(AC)で4時間、急速充電モード(DC)では30分で20〜70%の充電が保証される。

シャシーは2650mmのショートホイールベースと3070mmのロングホイールベースの2種類で、幅広い装備とカスタマイズオプションが用意されている。

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橘 祐一