純・空冷エンジンを搭載した特別仕様を含む 4 つの新モデルが登場

空冷Vツインはやっぱりイイね! インディアン、2025年モデルラインナップを発表

2024年11月12日(アメリカ時間) -アメリカ初のモーターサイクル・カンパニーであるインディアンモーターサイクルは本日、2025年モデルを発表し、特別仕様を含む4つの新モデルを導入した。

目次

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インディアンモーターサイクル、2025年モデルラインナップ

新しいIndian Scout Sixtyシリーズ2機種、超限定のRoadmaster Elite、
特別仕様のIndian Springfield Specialが登場

アメリカ初のモーターサイクル・カンパニーであるインディアンモーターサイクルは本日、2025年モデルを発表し、特別仕様を含む4つの新モデルを導入した。
主なラインナップは、新しいIndian Scout Sixtyシリーズ、超限定のRoadmaster Elite、そして特別仕様のIndian Springfield Specialだ。どのモデルも、カスタムスタイルやライダーの使いやすさ、そしてアメリカンならではのプレミアムなクラフトマンシップを体現している。

インディアンモーターサイクル副社長:アーロン・ジャックス氏

「2025年モデルのラインナップでは、世界中のライダーコミュニティに向けて全面的にアップデートした新モデルをお届けします。」インディアンモーターサイクルの副社長、アーロン・ジャックス氏は続ける。
「新しい Scout Sixtyシリーズは、象徴的なScoutプラットフォームを基に開発され、すべてのスキルレベルのライダーにとって身近な選択肢となるよう設計されています。2025年の注目モデルとして、細部までこだわったデザイン、ライダー重視の最新テクノロジー、贅沢な快適性、そしてアメリカンならではのクラフトマンシップが光る超プレミアムなRoadmaster EliteやIndian Springfield特別仕様車が登場します」

インディアンモーターサイクル・SCOUT SIXTY

復活したScout Sixtyシリーズは、アメリカ独自のデザインと伝説的なパワーとコントロールのバランスが特徴で手ごろな価格で提供される。

Indian Scoutは、インディアンモーターサイクルファミリーの基盤であり、最も成功したモデルだ。今年、新型2025 Indian ScoutとSpeedPlusエンジンが導入された。また、排出ガス規制の強化に伴い、一時生産休止となっていたScout Sixtyを再び国際ラインナップに加える準備が整った。
Scoutはアイコニックなデザインが特徴で、購入者の90%以上が新規顧客だ。軽量で取り回しがしやすく、シート高も低いため、購入者の約4分の1がライディング初心者となっている。新型Scout Sixtyは、時代を超えたアメリカンスタイルに加え、バランスとコントロールに優れた性能を、より手頃な価格で提供し、その魅力をさらに広げている。

ユニバーサルなアクセシビリティ

新型 Indian Scout Sixty は、インディアンモーターサイクルの中でも特に親しみやすいモデルで、より多くのライダーに価値あるストーリーを共有できる価格帯で提供される。
クラス随一の低いシート高により、あらゆる体格や経験レベルのライダーが自信を持って走行できます。さらに、低重心設計により、キックスタンドを立てた状態でもバイクの軽快さが保たれ、低速での操縦性も優れている。
全ラインナップに標準装備されているミッドコントロールは、ライダーの足をしっかりと地面に着けたまま安定させ、より楽で優れたコントロールを実現する。
ABSは全モデルに標準装備されており、トラクションコントロールとライドモードはリミテッドモデルに搭載されている。スタンダードモデルにはオプションとして装備可能です。さらに、他のインディアンモーターサイクルモデルと同様に、Scout Sixtyのライドモード(スポーツ、スタンダード、レイン)は、さまざまなライディングスタイルや道路状況に合わせて、3つの異なるスロットルレスポンスを提供する。
時代を超えたアメリカンスタイルと、伝説的なバランス、コントロールを備えた Scout Sixty は、より多くのライダーに向けて提供される。

アイコニックなアメリカンデザイン

時代を超えたスタイルと完璧なプロポーションは、Indian Scoutの特徴だ。新型Scout Sixtyのチューブラースチールフレームは、このクラシックなスタイルを実現し、シンプルで洗練されたデザインに仕上げられている。また、カスタマイズにも対応可能です。インディアンモーターサイクルの他のモデルと同様に、Scout Sixtyは優れたアメリカンクラフトマンシップで、クラスを超えるフィット感を提供し、競合モデルとは一線を画している。

2025 スカウトシックスティラインナップ

伝説の Indian Scout シリーズに新たなモデルが加わった。インディアンモーターサイクルは、フルモデルチェンジしたScout Sixtyプラットフォームを発表する。2025年型のScout Sixtyファミリーには、日本向けに2種類のモデル(Scout Sixty Bobber と Scout Sixty Classic)が異なる仕様で登場。誰でも扱いやすい設計に、象徴的なアメリカンデザインと伝説的なパワー、そして優れたコントロールバランスが特徴だ。

インディアンモーターサイクル・SCOUT BOBBER
(スカウトシックスティ ボバー/2025年春導入予定、価格未定)

インディアンモーターサイクル・SCOUT BOBBER スカウトシックスティ ボバー

アグレッシブなスタイルとクラス随一の低いシート高649mmを誇るScout Sixty Bobberは、伝統的なボバースタイルを表現している。ブラックのヘッドライトバケットが特徴的なこのモデルは、ボバースタイルのソロシート、51mmのサスペンション、16インチの5本スポークホイールを装備しており、ミニマルなボバーの美しさが際立っている。

インディアンモーターサイクル・SCOUT SIXTY CLASSIC LIMITED
(スカウトシックスティ クラシック リミテッド/2025年春導入予定、価格未定)

インディアンモーターサイクル・SCOUT SIXTY CLASSIC LIMITED

伝統的なデザインを取り入れたScout Sixty Classicは、プレミアムクローム、クラシックなインディアンモーターサイクルのフレアフェンダー、そして完璧な塗装が魅力です。ゆったりとしたエルゴノミクス、654mmと低めのシート高、16インチの鋳造ホイールにより、どんな速度でも快適な走行を実現する。

伝説的なパワーと優れたコントロールのバランス

Indian Scout Sixtyのラインナップには、フルモデルチェンジされたSpeedPlus 999ccエンジンが搭載され、87Nmのトルクと85馬力を実現している。小型の水冷エンジンと5速トランスミッションにより、あらゆるレベルのライダーにとって扱いやすいパワートレインが提供されている。
Scout Sixty には 2 種類の仕様が用意されています。

スタンダードモデル

Scout Sixtyのスタンダードモデルは、ライダーが走るために必要なすべてを備えている。次世代の電気アーキテクチャには、ABS、LED照明、新しい燃料レベルゲージ、新型ハンドコントロール、大型バッテリーが含まれている。スタンダードモデルには、アナログメーターとイグニッションキーが装備されている。

リミテッドモデル

ライダー志向の機能で強化されたリミテッドモデルは、スタンダードモデルの装備に加えて、さらに多くの特別装備を搭載している。高速道路での快適な走行をサポートするクルーズコントロール、予測可能で信頼性の高いハンドリングを提供するトラクションコントロール、状況に応じたライディング体験を提供するライドモード、そして走行中にデバイスをフル充電できるUSB充電ポートが装備されている。なおリミテッドモデルには、専用のバッジも装備されている。

Scout Sixty アクセサリー

Indian Scout 1250cc用アクセサリーと互換性があるため、Scout Sixtyのライダーは100種類以上の純正アクセサリーを利用できる。ライディングのエルゴノミクスをカスタマイズしたり調整したりしたいライダーには、さまざまなハンドルバーオプションや、延長リーチシートを含む多様なシート、フォワードコントロールも提供している。Scout Sixtyには、合計32通りの人間工学に基づいた設定が可能で、ライダーはより長く、より快適に走ることができる。以下に、Scout Sixtyで利用可能な人気のアクセサリーを紹介しよう。

  • ライドコマンド101mmタッチスクリーンディスプレイ:クラシックなアナログメーターのデザインに最新のテクノロジーを融合。ライドコマンドを搭載した101mmのタッチスクリーンディスプレイは、ライドモードの制御、Bluetooth®接続など、さまざまな便利な機能を搭載している。
  • クイックリリース ツーリング ウインドシールド:インディアンモーターサイクルのクイックリリース ツーリング ウインドシールドは、カスタム感を加えるだけでなく、風を効果的に分散させ、ライダーを風雨から守る。
  • シンジケートシート:2人乗り用シートは、ライダーと同乗者の両方に快適さとサポートを提供する内部フォームパッドを内蔵している。黒色のレザー調ビニールは、長期間にわたり全天候対応の耐久性を誇り、雨や湿気、強い日差しから保護する。シンジケートシートのデザインは、ScoutとScout Sixtyの流れるようなラインを一層引き立てる。
  • ツーリングサドルバッグ:ライダーの装備品や所持品を安全に収納できるツーリングサドルバッグは、頑丈なFidlockマグネット技術を採用。マグネット式の留め具により、脱着が簡単で、素早く安全に閉めることができる。さらに、ツーリングサドルバッグには耐久性のある成形内部バケットが装備されており、中身が入っていない状態でも形状を保つ。
  • ボバースタイルサドルバッグ:ボバーサドルバッグは、左右リアフェンダーオプションが選べ、必需品を収納できるだけでなく、完全耐候性設計でさらに保護機能が強化されている。シンプルでワイルドなスタイルのボバーサドルバッグは、Scout Bobber と Scout Sixty Bobberの精悍な外観を引き立てる。

インディアンモーターサイクル・ROADMASTER ELITE
(2025年春導入予定、日本限定4台、税込メーカー希望小売価格6,930,000円)

超限定生産の2025年モデル、Roadmaster Eliteは、アメリカならではのクラフトマンシップが光るプレミアムモデルだ。ライダー重視の最新テクノロジーと贅沢な快適装備を備えている。

大胆で目を引くペイント、プレミアムバッジ、最高級のコンポーネントを備えた新型2025Indian Roadmaster Eliteは、インディアンモーターサイクルの時代を超えた伝統と世界クラスのクラフトマンシッを究極の形で体現したモデルだ。世界で300台のみ、北米以外ではわずか60台のみが生産されるRoadmaster Eliteは、その特別さとエリート感を象徴している。

他に類を見ないスタイル

1914年から1918年の間、Indian Motorcycle Companyの創設者ジョージ・ヘンディーは、スプリングフィールドにあるインディアンモーターサイクルの生産施設を拡張し、世界で最も近代的なオートバイ製造施設を建設した。熟練の職人たちが、細部にまで細心の注意を払い、一台一台を手作業で組み立てていた。1904年にデビューしたインディアンモーターサイクルの特徴的な赤いペイントに加え、スプリングフィールドブルーもこの時代の象徴的なブランドカラーとして使用された。

その伝統を受け継ぐ新型Roadmaster Eliteは、プレミアムキャンディ仕上げを施し、3色を使ったシグネチャーペイントが特徴。Indian Motorcycle Springfieldブルーキャンディにブラックキャンディフェードをシルバーで加えたボディに、チャンピオンゴールドで縁取られたヘッドドレスタンクのロゴが際立つ。印象的なペイントパッケージは、エリート専用のグラフィックと手描きのゴールドピンストライプで完成し、プレミアムクロームメッキ仕上げがフロントからリアまで輝き、クラシックなクラフトマンシップを極めている。さらに、カスタム仕上げとして、Roadmaster Elite にはシリアルナンバー入りの「Elite」バッジが装着され、特別感を一層引き立てている。

ライダー志向のテクノロジー

Roadmaster Eliteは、そのプレミアムなスタイリングにふさわしく、ライダー志向の高級技術が搭載されている。標準装備として、インディアンモーターサイクルのバスブースト付きパワーバンドオーディオが搭載されており、フロントフェアリング、サイドバッグ、ツーリングトランクに配置された12個のスピーカーがRoadmasterの標準サウンドシステムを超える豊かな低音を実現する。PowerBandオーディオシステムは、ライドコマンドの146mmタッチスクリーンディスプレイで操作可能だ。このインフォテインメントシステムにより、Bluetooth接続、バイクの状態モニタリング、Apple CarPlay®、ライドコマンドも利用できる。

伝説のサンダーストロークエンジン

Roadmaster Eliteの動力源は、空冷VツインThunderstroke 116エンジンだ。このエンジンは、すべてのギアで十分な追い越しパワーを発揮し、171Nmのトルクを実現している。さらに、3つのライディングモード(ツアー、スタンダード、スポーツ)を備えており、ライダーは好みに合わせてスロットルレスポンスを調整し、自分の走行スタイルに合わせたカスタマイズが可能だ。

ラグジュアリーコンフォート

日帰りのライディングから週末の遠出、長距離の高速道路走行まで、どんなシーンでも思いのままに楽しめる。インディアンモーターサイクルは、比類のない贅沢さと快適さを兼ね備えた2025 Roadmaster Eliteを設計した。このバイクには、新型の2人乗り用ヒーター&クーラー付きシートが搭載されており、ライダーと同乗者両方に優れた快適性を提供する。グラフェン素材が、ヒーターやクーラーの分布を最適化しながら、快適な乗り心地を維持する。さらに、2025 Roadmaster Eliteには、広々としたフロアボードと同乗者用アームレストも標準装備されている。

カスタムスタイルと贅沢な快適性を提供するのが、調節可能なフレアウインドシールドだ。ハンドルバーに取り付けられたスイッチで、フロントシールドを最大10センチ上下させることができ、風の強さに応じてシールドの高さを調整ができる。これにより、顔やヘルメットへの風の当たり具合を好みに合わせてコントロールが可能だ。

最後に、2025年モデルのRoadmaster Eliteには、リモートロック機能付きのサドルバッグとツアートランクが装備されている。コンソールやキーフォブのボタンを押すだけで、荷物を安全に収納できる便利な機能だ。

インディアンモーターサイクル・INDIAN SPRINGFIELD SPECIAL EDITION
(2025年春導入予定、日本限定10台、税込メーカー希望小売価格4,380,000円)

輸出限定モデルのIndian Springfieldスペシャルエディションはクラシックなスタイル、快適性、特別感を追求した一台だ。

Indian Springfieldスペシャルエディションは、時代を超えた美しさ、完璧な塗装、高級クローム仕上げ、そして伝説のサンダーストロークエンジンを搭載し、インディアンモーターサイクルの象徴的な歴史を誇りに感じるライダーのためにデザインされている。この特別モデルは、インディアンモーターサイクルの伝統にふさわしいスタイルとデザインを追求したトリビュートモデルだ。

アイコンを手に入れるチャンス

時代を超えたアメリカンスタイルに加え、現代ライダーが求める快適性と伝説的なパフォーマンスを兼ね備え、究極のクルーザーとして体現されている。圧倒的な存在感、精巧なフィット感と仕上げ、完璧な塗装とクローム仕上げにより、Indian Springfieldスペシャルエディションはプレミアムなアメリカンクラシックの新たな基準を打ち立てる。ヘリテージスタイル、特別感、快適性を極めたこのモデルは、限られた国際市場で50台のみ販売される。

INDIAN SPRINGFIELD SPECIAL EDITION

最高のアメリカンスタイル

過去への敬意を込めて、Indian Springfieldスペシャルエディションはアイボリークリームとブランドの象徴である1904年式インディアンモーターサイクルレッドのツートーンカラーを採用している。タンクにはアニバーサリーゴールドメタリックのヘッドドレスロゴが輝き、全体にゴールドのピンストライプがアクセントを添える。
タンカラーの革製シートは快適性を重視してデザインされ、アメリカンスタイルの魅力を引き立てる仕上がりである。象徴的なフロントフェンダーに配されたイルミネーション付きヘッドドレスロゴは、1940年代にインディアンモーターサイクルがアメリカのバイク史に刻んだデザインリーダーシップを思い起こさせる。クローム仕上げが随所にきらめき、特別感が際立っている。さらに、カスタム仕様が強化され、プレミアムな特別感を引き立てるシリアルナンバー入りエンジンバッジが装備されている。

INDIAN SPRINGFIELD SPECIAL EDITION

伝説のサンダーストロークエンジン

究極のアメリカ製クルーザーの心臓部には、伝説の空冷Vツインエンジン「サンダーストローク 116」が搭載されている。このエンジンは工場出荷時で171Nmのトルクを発揮し、低回転域から優れたパワーを提供。クルーザーライダーが求める反応の良さと追い越し性能を備え、あらゆる速度でスムーズな乗り心地を実現する。また、ツーリング、スタンダード、スポーツの3種類のライディングモードや後部シリンダーの非作動機能により、クラシックなスタイルを維持しつつ、現代的なパフォーマンスと機能でライディング体験をさらに高めている。

INDIAN SPRINGFIELD SPECIAL EDITION

比類なき快適性

Indian Springfieldスペシャルエディションは、究極のスタイルと特別感を誇り、収納や快適装備、同乗者用の快適装備を工場出荷時にフル装備している。クイックリリース式のフロントシールドは、走行風を効率的に調整してライダーの疲労を軽減し、数秒で取り外すことができるため、バイクのクリーンで象徴的な外観をさらに際立たせる。車体色に合わせたリモートロック式のハードサドルバッグは、伝統的なデザインを完成させ、街乗りや短いツーリングに必要な安全な収納スペースを提供する。快適なシートと簡単に取り外せる同乗者用シッシーバーが標準装備され、乗客の快適性も最優先されている。贅沢な快適性を追求するため、ライダーと同乗者のフロアボードは調整可能で、クローム仕上げのハイウェイバーが長距離走行時の快適さを高める。さらに、キーレスイグニッション、クルーズコントロール、USB充電など、ライダー中心のテクノロジーが満載で、この特別なバイクは時代を超えたデザインを保ちながらも、最新の機能を妥協なく備えている。

INDIAN SPRINGFIELD SPECIAL EDITION

純・空冷という選択
空冷・V ツインエンジン Thunder Stroke(サンダーストローク)
それはアメリカン・モーターサイクルの伝統を表現するもの

シリンダーをV型に配置することで生まれた象徴的なビジュアルと、一度聴いたら忘れられない固有のリズムを奏でるサウンド。そして狭角Vツインというレイアウトからしか得ることができない、唯一無二のライドフィール。古典的でありながらも、モーターサイクルというパッケージにおいて極めて理にかなったVツインエンジンは、いつの時代もエンスージャストの心を掴んできた。

ふと気がつけば、インディアンモーターサイクルは、いまや古典的な空冷Vツインエンジンを作り続ける唯一のブランドとなった。年を追うごとに厳格化が進む環境規制のなかで、空冷Vツインを作り続けることは決して簡単なことではない。これまでアメリカンVツインをこよなく愛してきたあなたなら、誰よりもそのことを理解しているだろう。一抹の寂しさとともに。

インディアン・スプリングフィールド、インディアン・チーフ、インディアン・チーフテン、インディアン・ロードマスターはこの時代にあって、空冷Vツインエンジンを搭載するモダンクルーザーだ。スプリングフィールドとチーフにいたっては、オイルクーラーさえも持たない「純・空冷Vツイン」を搭載している。なぜそんなことが可能なのか?

いまの時代は、決してこだわりだけでは空冷エンジンを作ることはできない。環境に適合させながら、乗り手をも満足させる空冷アメリカンVツインを作るためには、最先端の技術が必要不可欠だ。創業以来、その時代ごとにアメリカン・モータースポーツの頂点を極め、空冷から水冷まであらゆるVツインエンジンの可能性を、さまざまなイノベーションを通じて追い求め続けてきたインディアンモーターサイクルだからこそ実現できるもの。古典的なスタイルの中に潜む革新性。それが純・空冷だ。

かつてのサイドバルブ時代を彷彿とさせるような丸みを帯びたシリンダーヘッド。深く、そして磨き抜かれた美しい空冷フィンが整列するシリンダーと、存在感を見せつけるプッシュロッド・タワー。往年の名モデルを思い起こさせるような美しい曲線を、ボトムエンドにいたるまで表現したクランクケース。ボルトのひとつひとつにまでこだわり抜いた精緻な造形美は、見る者の視線を巧みに導き、魅了する。

工業製品として完成の域に達したといっても過言ではないインディアンモーターサイクルの空冷Vツインは、これまでの歴史を確かに表現しながらも、現代にふさわしいルックスでいまあなたと対峙している。それは単なる懐古主義のためのVツインではない。いまわたしたちが送り出す空冷Vツインとは、アメリカン・モーターサイクルとしての理想を求めて、かつてわたしたちが生み出し(※1)、育て上げてきたものにほかならない。

そんな空冷アメリカンVツインが絞りだすサウンドもまた一興。大きなクランクシャフトが作り出したアウトプットがカムシャフトからプッシュロッドへ……まるでOHVメカニズムのひとつひとつさえ手に取れるようなエモーショナルなサウンドと心地よいバイブレーション。そのすべては、スロットルを握るあなたの右手から生み出されるのだ。空冷OHVがもたらす特有のフィーリング。これだけは、一度体験しないことにはその真髄を理解することは難しい。

我々が「空冷サンダーストローク116」と呼ぶ排気量1,890ccのOHVエンジンは、最大トルクの171Nmをわずか3,000rpmで発生する。緻密な電子制御を駆使しながら、空冷Vツインの長所を最大限に引き上げることで実現したのは、現代における空冷Vツインの最適解とも呼べる上質なライドフィールだ。
スロットルの開けはじめからまろやかで優しさすらも感じるサウンドと、それと呼応するように豊かさを増してゆくVツインエンジン特有のトルクフィール。右手をひねるごとにその味わいと力強さが全身を包み込んでゆく。車速が乗ったところで静かにスロットルを閉じてギアをあげ、ふたたび右手をひねる。空冷Vツインだからこそ味わえる、あの心地よい一瞬を求め、そして積み重ねていくうちに、最果ての地までも走り続けるだろう。
ふとエンジンを止め、愛車のそばでひと息をつく。ついさっきまで全身で堪能していた空冷Vツインのパルス感は、まだライダーの身体をわずかに震わせている。熱を帯びたままのエンジンは、その美しい佇まいで昂った心をそっと癒すだろう。静寂のなかで聞こえてくるのは、鈍い光を放つ空冷フィンから聞こえてくるかすかな金属音だけ。でも、その音が止む頃には、きっとまた走りたくなる—。

モーターサイクルの世界にはさまざまなエンジンが存在している。では、アメリカン・スピリットを紡ぎ続ける正真正銘の純・空冷Vツインとは何だろう?
それは、インディアンモーターサイクルただひとつ。

(※1)インディアンモーターサイクルは、1906年に、最初のVツインファクトリーレースバイクを製造、1907年に市販モデルに導入された39-ci(633cc)、42度Vツインが、アメリカ初の量産型Vツインモーターサイクルエンジンなりました。

Thunder Stroke 搭載モデル https://sites.google.com/view/thunder-stroke/HOME
エンジンプラットフォーム https://www.indianmotorcycle.com/en-us/motorcycle-engines/

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著者プロフィール

由野 歓子 近影

由野 歓子

1964年東京生まれ。短大卒業後、外資系生命保険会社に就職。
20代でバイクに出会いその爽快感に魅了され…