ピアッジオ・リバティは1997年に16インチの大径ホイールを採用したスクーターとして誕生した。当初は50ccモデルのみであったが、その後に125cc、150ccが追加されている。2004年に第2世代、2009年に第3世代、2013年に第4世代、2016年に第5世代が発売され、今回のフルモデルチェンジで6代目となる。世界中で100万台以上が販売されているベストセラーモデルだ。
新型モデルに搭載されるエンジンは全て空冷単気筒4ストローク3バルブエンジンとなり、従来モデルの50ccのみに設定されていた2ストロークエンジンは廃止となった。新しい4ストローク50ccエンジンは最高出力2.2kW(3ps)、最大トルク2.9Nmと扱いやすく十分な出力を確保している。リバティは初めてモーター付きの車両に乗る若者に人気が高く、ヨーロッパのAMライセンスに対応。ちなみにイタリアでは14歳から取得できる。
エレガントなスタイルが支持されているリバティは、今回のモデルでもイタリアらしいデザインが引き継がれている。フロントエンドは大幅に再設計され、新たなダイナミズムとスポーティな印象がプラスされている。横長の水平デザインとなったヘッドライトはフルLED化。全体のデザインと溶け込み、モダンで堅牢なエクステリアに印象的な特徴を生み出している。また、ピアッジオ車の特徴である「セントラル・タイ」にはハニカムグリルが採用され、ピアッジオのスクーターシリーズである「ビバリー」や「メドレー」との視覚的なつながりが生まれた。横から見たスタイルはコンパクトで洗練されたラインが、より頑丈なフロントと流線型のリアをエレガントに融合。アシストグリップはアルミ製となり、トップケースなどのオプションを取り付けが可能。
基本的なデザインは従来モデルから引き継がれるが、シート、ハンドル、グリップ、足の位置などの人間工学的な「三角形」を再設計し、優れた乗り心地と快適性をさらに向上させている。ハンドルの位置はこれまでより高めに設定して直立した姿勢にすることで、あらゆる状況で車両の制御が可能となった。このハンドルには新しいフルLCDのメータークラスターを装備。メーターパネルは完全にデジタル化された5インチのカラー液晶パネルで、平均、および瞬間燃料消費量、旅程と走行距離を表示するトリップコンピューターなど多彩な機能を搭載している。
新しいリバティのフレームは高強度のスチールチューブで作られ、軽量で優れた操作性を持つ。125および150モデルでは1350mm、50モデルでは1370mmのホイールベースを確保し、あらゆる速度で安定感と安心感をもたらしてくれる。ホイールはフロントが16インチ、リヤには14インチが採用され、デザインも新しい3本スポークを採用。フロントタイヤはハイプロファイルの90/80、リヤタイヤにはゆったりとした100/80タイヤを装着することで、ハンドリングを向上させながら燃料消費を削減。フロントタイヤのプロファイルが高いため、効果的に衝撃を吸収する。ブレーキシステムはデュアルピストンキャリパーと240mmディスクを組みわせたフロントブレーキと、140mmのリヤドラムブレーキが組み合わされる。125と150にはABSが標準装備されている。
エンジンは全てインジェクション式の4ストローク空冷単気筒。3バルブのOHCヘッドとインジェクションの位置を最適化。さらにスロットルボディの位置を変更することにより、排出ガスを抑え、燃費を向上しながら性能を最大限に高めた。50ccモデルと125ccモデルはWMTCモードで100kmあたりわずか2.5ℓ、150ccモデルでは100kmあたり2.7ℓの低燃費となっている。
新型リバティは3つのエンジンと2つのバージョンを用意する。標準仕様のリバティに加え、スポーツ仕様のリバティSがラインナップ。
現時点では日本国内への導入は未定となっている。