アプリリアのミドルクラススポーツRS660が最高出力105psにパワーアップ! 上級モデルのRS660ファクトリーも追加|EICMA2024

アプリリアのミドルクラススポーツRS660の新モデルが発表。さらに待望のRS660ファクトリーが追加され、EICMA2024で発表された。日本国内への導入時期や価格は未定。
世界72カ国で販売されているハイパフォーマンス・ミドルクラススポーツRS660が進化。

ミドルクラスのスーパースポーツとして2020年に誕生したアプリリアRS660シリーズ。英国スーパーバイク選手権(SBS)のスポーツバイククラスやモトアメリカのツインズカップなど、2024年にはこのクラスで多くのタイトルを獲得している。

新しいRS660はMotoGPの経験から得られたコンセプトを取り入れ、より高度な空力特性を備えた。大きなウイングがフロントスクリーンの下に配置され、気流の浸透性と高速安定性を高める2つの小さな空力パーツも配置する。再設計されたサイドフェアリングはウイングレットを備えた二重構造となり、パフォーマンスを向上させながらライダーの快適性も向上させている。

最高出力は105HPにアップ。パワーウエイトレシオはさらに向上した

搭載される電子デバイスも進化を遂げている。ハンドル周りのスイッチにはバックライトを搭載。5インチフルカラーLCDのメーターパネルは明るさが向上して反射を低減させ、より多くの情報が表示できるようになった。新しいRS660に搭載されるAPRC(アプリリア・フォーマンス・ライド・コントロール)には、競技用バイクに搭載されているスタンディング スタート管理システムであるローンチ コントロールを新たに搭載。このシステムはATC(トラクションコントロール)、AWC(ウイリーコントロール)、ACC(クルーズコントロール)、AQS(双方向クイックシフター)、AEB(エンジンブレーキコントロール)、AEM(出力特性を変更するエンジンマッピング)などの機能を補完するもの。これまで同様に電子ライド バイ ワイヤ スロットルと6軸慣性プラットフォームが標準装備され、加速度計とジャイロスコープを使用して道路に対する位置を検出。ライダーからの操作を処理してデータをECUに送信し、必要に応じて制御パラメーターを調整する。また、マルチ マップ コーナリングABSも搭載され、特定のアルゴリズムによりコーナーでのブレーキとABSの介入を最適化。このアルゴリズムは横方向の加速度、フロントブレーキレバーの圧力、傾斜角、ピッチ、ヨーなどの様々なパラメーターを常に監視し、ブレーキ動作を調整して減速と安定性のバランスを最適に保っている。

ヘッドライト下にはレースフィールドからフィードバックした特徴的なウイングレットを装着。

 このクラスとしてはハイパフォーマンスの660cc2気筒エンジンは、ユーロ5+の基準に適合。スロットルボディを従来のφ48mmから52mmへと拡大し、出力は105HPにアップ。エンジンユニットは応力メンバーとしても機能し、ステアリングヘッドとリヤのボルトで個性されたツインスパーフレームを通じて、コンパクトで堅牢なシャシーとなっている。

◾️RS660ファクトリー

660シリーズの発売以来その登場が期待されていたRS660ファクトリーバージョンがついに発売となった。ノアーレ スーパーバイクの伝統に従い、前後ともにオーリンズのサスペンションを標準装備。フロントフォークは43mmのNIX30シリーズ、リヤショックはSTX46を装着。リザーバーは油圧リバウンドと圧縮ダンピング、スプリングリロードを調整が可能。ツートンカラーのシートとカウルはブラック×レッドの新しいグラフィックを採用している。

前後オーリンズサスペンションを装着したRS660ファクトリー。ボディカラーも専用となる。
メーターは5インチのフルカラーLCDを採用。各種セットアップも操作しやすくなった。

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