モトグッツィの伝統とも言える横置きV型2気筒エンジンを搭載したスポーツツアラーとして、2022年に誕生したV100マンデッロの2025年モデルが、ミラノで開催された国際モーターサイクル博覧会EICMA2024で発表された。2025年モデルには、ピアジオ ファスト フォワードが開発し、すでにモトグッツィ・ステルヴィオでも採用されている革新的なライダー・アシスタンス・プラットフォームを搭載。このシステムはイメージング・レーダー・4Dテクノロジーをベースとしており、FWC(前方衝突警告)、BLIS(ブラインドスポット情報システム)、LCA(車線変更支援)機能によって、あらゆる状況でより安全なライディングを実現する。
搭載される1042cc2気筒コンパクトブロックエンジンはEuro5+規制に準拠し、先行してステルヴィオにも導入されている、改良されたトランスミッションはスムーズでソフトなギアチェンジを実現。さらに、ステルヴィオにすでに搭載されている新しいディティールは、ラジエターの中央に装備されたラジエターガード。バイクと一体化したラインを作り出し、走行中に飛び込んでくる跳ね石からバイクをガードしてくれる。
スポーツバージョンとなるV100マンデッロSもさらに進化して、オーリンズ・スマートEC2.0セミアクティブサスペンションの他、双方向クイックシフトギアボックス、ヒーター付きグリップ、TPMSタイヤ空気圧監視システム、Guzzi MIAマルチメディアプラットフォームなどに加え、新たにPPFライダーアシスタンスソリューションシステムも搭載されている。
1950年代、フェアリング形状の設計が経験だけに頼られ試行錯誤で行われていた時代に、モトグッツィはいち早く風洞実験のウインドトンネルを設計。1954年4月12日に正式に稼働した施設でのテストを通じて、コンポーネントの作成に科学的なアプローチを採用した世界初のメーカーだった。この風洞はイタリアと世界のモーターサイクルの歴史において画期的な出来事となり、今でもマンデッロ・デル・ラーリオ(モトグッツィのある都市)の歴史ある工場の象徴となっている。モトグッツィが製造する全てのモデルにインスピレーションを与え、多くのモデルを生み出している。V100マンデッロもその中の一台で、革新の結晶。速度と選択されたライディングモードに応じて、タンク側面のデフレクター位置を調整するシステムである、アダプティブエアロダイナミクスを搭載した世界初のモーターサイクルとなる。これまで二輪車の世界では研究されていなかったこの技術によって、全体の寸法を抑えたまま、ライダーが必要とする場合に、保護と快適性を提供してくれる。
この風洞テストの誕生70周年を記念したモデルとして、V100マンデッロ・ウインドトンネルを発売。モトグッツィを象徴するカラーリングを採用し、赤を主体としながらテールセクションは黒となる。フロントマッドガード、タンクもエレガントなブラックで覆われ、側面にはグラフィックが描かれている。シリンダーへどの縁にはゴールドのディティールが施されている。