【費用の話】 一度はなくしたバイク免許を再取得!一発試験に挑戦した結果…

一発試験|10回落ちても得だった。大型自動二輪免許を再取得したオハナシ

運転免許証
いいオッサンなのに免許を取得したのが平成28年。なんでだ?
大型自動二輪免許が教習所で取得できるようになり、大型バイクは身近な存在になった。昔のように一発試験でチャレンジするなんて、もはやナンセンス。でもそうだろうか? 本当に一発試験で大型免許を取るのは昔話なのだろうか。実体験を元に、費用面から現実的にお得な取得方法を、改めて考えてみた。
免許を失うまで持っていたドゥカティM900S4。

 今回は運転免許のオハナシである。ここでは鉄スクーターばかり乗っているように思われている筆者だが、以前は大型バイクを切らした時期がないくらいロードスポーツモデルも大好きだった。数年前までの愛車が写真のドゥカティ。モンスターS4という水冷エンジンを積んだネイキッドで、これが猛烈に面白いバイクだった。ドゥカティは合計3台所有したが、最もお気に入りだった。
 それなのに、なぜ大型バイクに乗らなくなったのか。お恥ずかしい話だが、数年前に免許を取り消されてしまったのだ。しかも2年間も免許がない時期を過ごさなければならなかった。免許がないと不便なもので移動はすべて公共交通機関に頼るか、誰かのクルマの助手席に乗せてもらうだけ。実際、仕事にも影響した。そしてもちろん、バイクにも乗ることができない。一刻も早く免許を取得したかった心情は、バイク乗りなら分かってもらえることだろう。
 2年間の喪が明けて、いよいよ免許が取得できるようになった。ここでまず、どの免許を取得すべきか。それはもちろん普通免許だ。クルマに乗れないと我々フリーランスで仕事をしている身には不便極まりないからだ。普通免許を取るにあたりどうしたかと言えば、教習所には通わず東京・府中にある試験場で一発試験を受ける方法を取った。

東京に住んでいる筆者が向かったのは府中試験場だ。

 府中試験場で免許を再取得するには、適性検査に合格してから筆記試験をパスして技能試験を受けることになる。筆記試験は教則本を暗記して臨み、技能試験はネットの情報を活用してパスすることができた。では路上に出るとどうか。
 路上試験では同乗する他の試験者の様子を見ることができる。その様子を参考に自分の番ではポイントとなる個所を模範的にクリアする。ところが、意地悪なことに判断しにくい場所へ誘導され不合格に。ただ、2度目の路上試験に合格して普通免許を再取得できたのだ。
 先に普通免許を取得しておくと、自動二輪免許を取るのに有利なこともある。筆記試験が免除されるからだ。この状況にまで持っていってから、自動二輪免許を取得することにした。では、どの自動二輪免許を取得すべきか、考えてみた。 

自動二輪免許の種類を再確認してみよう。

 自動二輪免許には50ccまでの原付、125ccまでの小型二輪、400ccまでの普通二輪、そして排気量制限のない大型二輪に分けられる。このうち普通二輪までは16歳で取得できるが、大型二輪は18歳以上にならないと取得する資格がない。また以前は大型二輪を取得するために普通二輪免許が必要だったが、現在では自動二輪免許がなくても普通免許があれば取得することが可能になっている。
 ここで再確認。普通免許を取得した筆者はすでにオッサンであり、そのまま大型自動二輪免許を取得することができる。まして2年間運転していなかったとはいえ、それまでは大型バイクに乗り続けてきた。では、どの免許を取得すべきだろうと考えた。免許がない時期にドゥカティは売ってしまったから、所有していたのはベスパとラビットだけ。どちらも125ccなので普通免許では運転できないから、即必要なのは小型免許。そこで警視庁HPで免許取得費用を見てみると、手数料が3800円必要だと書いてある。小型二輪のために教習所に通うのは無駄に思えたし、どうせなら一発試験で取りたい。でも待てよ、だったら大型免許も一発試験でいいんじゃないか? と考えたのだ。
 そこで大型自動二輪免許を取得する方法を考えてみた。 

10回落ちてもお得!と判断。

どのように大型二輪免許を取るべきか考えてみよう。

 単純に費用だけで考えたら、それは一発試験がオトクに決まっている。だが、相手は一発試験である。以前なら狭き門で、10人受けて1人受かるかどうかと言われたもの。そんな試験に受かる自信はまるでない。では教習所に通うべきだろうか。そこで費用を調べてみると、通いの教習所で10万円以上と判明した。これは普通免許があること前提の費用で、普通免許がないとさらに高額になる。
 では合宿免許はどうか。確かに通いより安く済むが、1週間以上も連続して休むことはできない。ただ、我が身はフリーランスだから定休日なんてない。そう、平日が自由に使えるのだから、ここは通いの教習所だろう。

 だが待てよ、教習所には数週間もかけて通わなければならない。そんなに時間をかけて通うのであれば、一発試験を何度か受けに行くのと変わらないのではないか。そうなのだ、なにも1度の試験で合格しようなんて考えなければいいのだ。
 例えば教習所に通うと10万円以上の費用がかかる。でも、10万円の予算があれば一発試験を10回以上(6100円×10+1万6650円)も受けられる。2年間乗っていないとはいえ、さすがに二桁の回数トライしたら合格するのではないか。誰しもそう思わないだろうか。それに普通二輪免許の時で府中試験場に慣れていたという事情もある。
 そこで筆者は大型自動二輪免許を府中試験場で取得する方法を選んだ。次回から具体的なオハナシをしたいと思う。

バイク事故を低減する新技術|業界初のARAS用4Dイメージングレーダーソリューションがもたらすバイクの未来像|Vayyar

2021年はバイクにとってのADAS(先進運転支援システム)元年と言える。ドゥカティやKTM の上位機種にACC (アダプティブ・クルーズ・コントロール)が標準採用されたからだ。4輪自動車では既に珍しくないが、バイクへの搭載と普及が、今後拡大して行くことは間違いない。そんな中、イスラエルの「バイアー社」が開発したARAS(Advanced Rider Assistance Systems )が、俄然注目を集めている。 REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru) 取材協力●Vayyar Ltd. ヤン・ポカミエン(Ian Podkamien・自動車事業部長) 問い合わせMail●Ilan Hayat: Ilan.hayat@vayyar.com


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著者プロフィール

増田満 近影

増田満

小学生時代にスーパーカーブームが巻き起こり後楽園球場へ足を運んだ世代。大学卒業後は自動車雑誌編集部…