目次
スタイルアップと5馬力向上で足まわりも進化
英国の伝統的なモーターサイクルブランドであるトライアンフから現代版の「新型スピードツイン」が登場したのは2019年のこと。同ブランドを代表する「ボンネビル」シリーズなど、並列2気筒を搭載するモダンクラシックと呼ばれるラインの中でも最も高性能な「スラクストンR」をベースに開発された。そこからマイナーチェンジを経て熟成を重ねてきたが、今回スタイリングと走りのパフォーマンスを高めた2025年最新モデルとして登場したのが「スピードツイン1200」である。
エンジンは従来からの水冷並列2気筒1200ccSOHC 8バルブをベースに軽量クランクやハイカム、ピストン高圧縮化などの大幅なアップデートを受けて最高出力は5馬力アップとなる105psを達成。エンジンケースも軽量化されている。足回りも前後マルゾッキ製サスペンションと新たにトライアンフ銘柄の4ピストンラジアルキャリパーをダブルディスクに備えたフロントブレーキを採用。コーナリング対応のABSとトラクションコントロールを標準装備し、フルLEDタイプのヘッドライトやTFTデジタルメーターを採用するなど大幅にアップデートされた。
さらに新型では上級版の「スピードツイン1200RS」がタイプ設定されたことも注目したい。RSはフロントにマルゾッキ製、リアにオーリンズ製の全調整式サスペンションが与えられ、ブレーキにはブレンボ製4Pラジアルキャリパーを装備するなど足回りを中心に大幅に強化。モダンクラシックシリーズ初となるクイックシフターを採用しハイグリップタイヤを履くなど、スポーツ性能をとことん追求した仕様になっているのが特徴だ。
ワイドトルクと軽快なフットワークで曲がるのが楽しい
見た目がぐんとカッコよくなった。軽快なスポーツスタイルとバーチカルツイン(垂直シリンダーを持つ並列2気筒)の伝統的モダンクラシックのDNAが見事に融合している。従来型はボンネビル系のやや古風で丸っこいイメージが残っていたが、一気に現代的に洗練された感じだ。
跨がるとサスペンションは初期の沈み込みが豊富でフレンドリーな感じ。タンクまわりも従来型よりスリムになりシートも絞り込まれているので足着きが良い。ハンドル位置はやや高めで少し遠くなったが、上体が起きているので見晴らしも良くリラックスできるライポジだ。
水冷並列2気筒270度クランクのエンジンが奏でる英国流バーチカルツインの重厚で弾けるようなサウンドは、ただ聞いているだけで胸を高鳴らせる。クラッチは軽く発進もスムーズで、シフトワークも節度感があってギアチェンジも滑らか。バイクの出来の良し悪しは操作系の第一印象で決まると言ってもいいが、こと新型スピードツインに関しては完全に現代のマシンである。慣れてきてスロットルを開けると1200ccの分厚いトルクがじんわりと立ち上がってくる。ワイドレンジで低中速トルクが豊富なため回転数をムリして上げなくても十分速いし、3000rpm程度をキープしておけば何速ギアからでもアクセルを開けるだけで豪快な加速を見せつけてくれる。加えて従来型よりピーク回転数が500rpm上乗せさ
れてワンギアで少し高回転まで引っ張れるため、ギアチェンジのタイミングにも余裕が生まれている。僅かな差かもしれないが、スポーティに走ろうとするほどメリットは大きくなるはずだ。
また、大柄な見た目に反して実は軽量コンパクト。スペックを見るとホイールベースは1413mm、車重216kgとミドルクラス並みの車格なのだ。加えてキャスター角やトレール量も運動性能を重視した設定になっている。160サイズとこのクラスとしては細めのリアタイヤと相まって、1200ccの大型バイクとは思えないほどフットワークも軽快だ。試乗コースは曲がりくねったワインディングが続いていたが、力強いトルクとバランスの良い車体でどんなコーナーでも満足のいく曲がり方ができるのが楽しい。新型のラジアルキャリパーが与えられたブレーキはしっかり止まれて繊細な速度コントロールもしやすく、いざとなればコーナリング中でも対応してくれるABSやトラコンもあるので心強かった。
ハイグレードな装備とスパルタンな走りが真骨頂のRS
続いて試乗したRSは、予想していた以上の乗り味の違いに最初はやや戸惑った。ハンドル位置は低くステップは後退していてライポジからして攻めのスタイルだ。前後フルアジャスタブルのサスペンションは硬派なスポーツ仕様で、中途半端に乗っているとイイ味が出てこない。しっかり荷重をかけてサスペンションに仕事させると途端に豊富なフィードバックを返してくる。そのためにも加速・減速・倒し込みなどメリハリのある走りが求められる。さらにブレンボ製の高性能ラジアルブレーキやメッツラーのレーステックRRなどスーパースポーツ顔負けの豪華装備も含め、だいぶ次元の高いところを狙っているのは一目瞭然だ。つまり、それなりに経験のあるライダーが積極的に乗りこなすことを想定した仕立てになっている。
とはいえ、ギンギンに回さないと消化不良になるスーパースポーツとは異なり、フラットな中回転域を使って粒感のある鼓動を味わいつつ街を流すだけでも、モダンクラシックならではのテイスティな走りの魅力は十分に楽しめる。ライポジも標準仕様よりは前傾しているが、フルカウルモデルに比べれば全くラクだ。
まとめると、標準仕様は街乗りやツーリングを楽しくこなせる万能なネオクラシック。一方、RSは週末のワインディングやサーキット走行を視野に入れた走りを追求したスポーツモデル、というのが一日乗り倒しての印象だ。あとは目的や好みに応じて選択すれば良いと思う。見た目の小細工ではなく、走りのテイストで明確にキャラ分けしてきたところが見事。そこがまたトライアンフらしいと思う。
スタイリング
ディテール解説
主要諸元
トライアンフ・スピードツイン1200
エンジンとトランスミッション | |
タイプ | 液冷並列2気筒、8バルブ、SOHC、2700点火順序 |
容量 | 1200cc |
ボア | 97.6ミリメートル |
脳卒中 | 80.0ミリメートル |
圧縮 | 12.1:1 |
最大出力 | 105 PS / 103.5 bhp (77.2 kW) @ 7,750 rpm |
最大トルク | 112 Nm @ 4,250 rpm |
燃料システム | 電子スロットル制御によるマルチポイント燃料噴射。 2 つのライダー モード。 |
排気 | ブラシ仕上げのステンレススチール製 2-2 排気システムとツインブラシ仕上げのステンレススチール製サイレンサー |
ファイナルドライブ | Xリングチェーン |
クラッチ | ウェット、マルチプレート、スリップ&アシスト |
ギアボックス | 6速 |
シャーシ | |
フレーム | 鋼管、鋼製クレードル付き |
スイングアーム | 両面加工アルミニウム |
前輪 | 鋳造アルミニウム合金、7本スポーク、17 x 3.5インチ |
後輪 | 鋳造アルミニウム合金、7本スポーク、17 x 5.0インチ |
フロントタイヤ | 120/70 17インチ |
リアタイヤ | 160/60 17インチ |
フロントサスペンション | Ø 43mm 倒立マルゾッキフォーク、ホイールトラベル 120 mm |
リアサスペンション | 外部リザーバーと調整可能なプリロードを備えたツインMarzocchi RSU、116 mmホイールトラベル |
フロントブレーキ | ツイン Ø 320mm フローティングディスク、Triumph ブランドの 4 ピストンラジアルキャリパー、OCABS |
リアブレーキ | シングル Ø 220mm 固定ディスク、ニッシン 2 ピストン フローティング キャリパー、OCABS |
楽器 | カラーTFTスクリーンを内蔵したLCD多機能計器 |
寸法と重量 | |
長さ | 2070mm |
幅(ハンドルバー) | 792mm |
ミラーなしの高さ | 1140mm |
シート高 | 805mm |
ホイールベース | 1413mm |
レーキ | 22.4 ° |
トレイル | 91mm |
湿重量 | 216kg |
燃料タンク容量 | 14.5L |
サービス | |
サービス間隔 | 10,000マイル(16,000km)/ 12か月 |
消費と排出(EU) | |
燃費 | 未定 |
排出量 | EURO 5+ CO2 排出量および燃料消費量のデータは、規制 168/2013/EC に従って測定されています。燃料消費量の数値は特定のテスト条件から導き出されたもので、比較目的のみに使用されます。実際の運転結果を反映していない可能性があります。 |
トライアンフ・スピードツイン1200 RS
エンジンとトランスミッション | |
タイプ | 液冷並列2気筒、8バルブ、SOHC、2700点火順序 |
容量 | 1200cc |
ボア | 97.6mm |
脳卒中 | 80.0mm |
圧縮 | 12.1:1 |
最大出力 | 105 PS / 103.5 bhp (77.2 kW) @ 7,750 rpm |
最大トルク | 112 Nm @ 4,250 rpm |
燃料システム | 電子スロットル制御によるマルチポイント燃料噴射。3 つのライダー モード。 |
排気 | ブラシ仕上げのステンレススチール製 2-2 排気システムとツインブラシ仕上げのステンレススチール製サイレンサー |
ファイナルドライブ | Xリングチェーン |
クラッチ | ウェット、マルチプレート、スリップ&アシスト |
ギアボックス | 6速 |
シャーシ | |
フレーム | 鋼管、鋼製クレードル付き |
スイングアーム | 両面アルミニウム |
前輪 | 鋳造アルミニウム合金 17” x 3.5” |
後輪 | 鋳造アルミニウム合金 17” x 5.0” |
フロントタイヤ | 120/70 17インチ |
リアタイヤ | 160/60 17インチ |
フロントサスペンション | 43mm 倒立マルゾッキフォーク、プリロード、コンプレッション、リバウンドダンピング調整可能。ホイールトラベル 120 mm |
リアサスペンション | 外部リザーバーを備えたツイン オーリンズ RSU。プリロード、圧縮、リバウンド ダンピングを調整可能。ホイール トラベル 123 mm |
フロントブレーキ | ツイン Ø 320mm フローティングディスク、ブレンボ スタイルマ M4.30 ラジアルキャリパー、OCABS |
リアブレーキ | シングル Ø 220mm 固定ディスク、ニッシン 2 ピストン フローティング キャリパー、OCABS |
楽器 | カラーTFTスクリーンを内蔵したLCD多機能計器 |
寸法と重量 | |
長さ | 2073mm |
幅(ハンドルバー) | 792mm |
ミラーなしの高さ | 1127mm |
シート高 | 810mm |
ホイールベース | 1414mm |
レーキ | 22.6° |
トレイル | 92mm |
湿重量 | 216kg |
燃料タンク容量 | 14.5L |
サービス | |
サービス間隔 | 10,000マイル(16,000km)/ 12か月 |
消費と排出(EU) | |
燃費 | ー |
排出量 | EURO 5+ CO2 排出量および燃料消費量のデータは、規制 168/2013/EC に従って測定されています。燃料消費量の数値は特定のテスト条件から導き出されたもので、比較目的のみに使用されます。実際の運転結果を反映していない可能性があります。 |