淡いグリーンはやっぱりベスパ。プリマベーラ150試乗記

2023年のEICMA (ミラノショー)でフルチェンジモデルとして披露されたプリマベーラ。10年ぶりの刷新だったことに加え、新バリエーションに次代を見据えるEV車が揃えられていた点も注目を集め、多くの話題を呼んだことはまだ記憶に新しい。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●ピアッジオグループジャパン株式会社

ディテール解説

ヘッドランプはオーソドックスな丸型デザイン。クリアのフライスクリーン(17,600円)はオプション装備の純正アクササリー。
左側で片支持されるフロントキャストホイールはアルミ軽合金製5×2本スポークタイプ。110/70-12インチのベトナム製MAXXISチューブレスタイヤを履く。
トレーリングリンク機構を持つシングルアーム式フロントサスペンション。ABS付きブレーキはφ200mmシングルディスクローターに2ピストンのピンスライド式油圧キャリパーを装備。
左側の駆動系は乾式の自動遠心クラッチとVプーリーによる自動無段階変速機を持つ片支持のユニットスイング方式。
SOHC3バルブの4ストロークエンジンは強制空冷方式。マフラーが始まるところのすぐ上にオイル給油口がある。ネジ込み固定の蓋が挿し込み式のレベルゲージになっている。エンジン停止後10分待ってメインスタンドを使用し、スティックゲージをネジ込まずに点検する。
クロームのヒートガードが装備された黒いサイドアップマフラー。太くそれなりの容量があるが、片支持ホイールの関係で、サイドへの膨らみ(はみ出し)は気にならない。
リアブレーキはワイヤー駆動によるφ140mmの機械式ドラム。シングルカムによるリーディング/トレーリングシュータイプだ。モノショックユニットは4段プリロード調節ができる。
スッキリとセンス良くデザインされたハンドルまわり。さりげなく配置されたクロームメッキパーツも好印象。レッグシールド内側の処理も綺麗だ。
シンプルで扱いやすいハンドル左側スイッチ。下から順にホーン、ウインカー、ディマースイッチが並ぶ。
下から順に始動用スターター、MODEスイッチ(各種デジタル表示の切り替えや変更設定等)。赤はエンジンキルスイッチ。
上にアナログ式140km/hスケールの速度計(内側は90mile/hスケール)を、下にはLCD(液晶ディスプレイ)を組み合わせたコンビメーターを装備。
腰の落ち着き具合が優れている長いダブルシート。後席脇のグラブバーも装備されていると嬉しい。前ヒンジで開く方式でロック解除はイグニッションスイッチの左上(レッグシールド内側中央)にある丸い押しボタンスイッチで操作できる。
あまり大きくはないが、レッグシールド内側の左方には収納ボックスがあり、中にはUSB電源コネクターも装備。シートロック解除用手動レバーもある。右側下方にはヒューズボックスを配置。
シート下収納はこんな感じ。ハーフキャップ型のヘルメットなら収納可能。後方にあるのは燃料給油口だ。
荷物の運搬や駐輪中の持ち物保管にはやはり収納ボックスが欲しくなる。写真は純正アクセサリーのトップボックス(28,050円)。
トップボックスの装着には、トップボックスサポート(17,600円)が必要。写真はクロームだがブラック(16,517円)もある。
流麗なヒップスタイルもベスパらしさの一つ。走り去る姿も美しい。
車体デザインは意外とスマートな感じ。ヒップのボリュームレベルも適度。

主要諸元

全長/全幅/全高(mm):1,860 / 735 / 1,150
ホイールベース(mm):1,340
シート高(mm):785
車両重量(kg):132

【ENGINE】
エンジン形式:i-get 4ストローク強制空冷 単気筒
バルブ駆動方式:SOHC 3バルブ
総排気量(cc):155
ボア・ストローク(mm):58×58.6
最高出力(kW/rpm):9.2(12.3HP)/7,250
最大トルク(Nm/rpm):12.7/5,750
圧縮比:10.5:1
燃料供給方式: 電子制御式燃料噴射システム(スロットルボディφ28mm)
燃料タンク容量(L):8.0
潤滑方式:ウェットサンプ
潤滑油容量(L):1.34
点火方式:CDI
始動方式:セルフ式
バッテリー:12V-6Ah
クラッチ:自動遠心乾式
トランスミッション: 自動無段階変速(CVT)

【CHASSIS】
フレーム:スチールモノコック
サスペンション(前/後):片持ちリンクアーム式/片持ちユニットスイング式
ブレーキシ(前/後):φ200mmシングルディスク油圧式(ABS)/φ140mmドラム機械式
タイヤ(前/後):110/70-12 MC47P / 120/70-12 MC58P
ホイール(前/後):3.00-12 / 3.00-12(アルミ軽合金製)

生産国:ベトナム

試乗後の一言!

身なりにも気を使いたくなる。オシャレで爽快なスクーター。

キーワードで検索する

著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…