加速はドカーン、コーナリングはちょっと変わった乗り心地。|BMWの新型電動スクーター・CE 04試乗レポート

BMWはアーバンモビリティのカテゴリーに3機種のスクーターをラインナップしている。その中でひときは目立つ存在が、最新の電動スクーター「CE 04」である。これまでリリースされていたC EVOLUTIONに替わるニューモデルとして新開発されたことは、スタイリングを見れば一目瞭然。果たしてその乗り味は如何なるものだろうか。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●ビー・エム・ダブリュー 株式会社

ディテール解説

多くをカバーリングする斬新かつ奇抜なデザインが印象的。ヘッドランプは4眼のLED式。

ディスクローター脇までカバーされたフロントフェンダーデザインも新鮮。前後共通のホイール径は15インチ。

後輪はミッションを介すこと無くコグドベルトで駆動される。エキセントリックカムにて張り調節できる。

大きく前傾レイアウトされたモノショック式リヤサスペンション。プリロード調節は車載工具を使用してボトム側のリングを回して行う。スプリング長で257,5〜227,5mm(二人乗り)までが基本の調整範囲。

後輪は左側片支持方式。アルミキャストのディッシュホイールが採用されている。

オレンジのミニスクリーンや横長のディスプレイが新鮮。インナーパネルもスッキリと機能的に仕上げられている。中央右寄りの下部や、左側収納の中には12Vアクセサリー電源ソケットが装備されている。

下から順にホーン、ウインカー、メニュー、デイライト、人差し指で扱うディマー&パッシングスイッチ。右上はハザード、その下がお気に入り及び後退ボタン。左側のグリップダイアルがマルチコントローラー。
下から順にイグニッションキルスイッチ兼走行を可能にするスターターボタン。中は走行モード切り替え、上はハンドルグリップヒータースイッチ。

横長の10.25インチ大型TFTカラーディスプレイが採用されたメーター。フルHD(ハイビジョン)高解像度で複数の項目を同時に表示することもできる。写真は立体図形化されたバッテリー残量表示。スピードや残りの航続距離が見やすい。

オンボードコンピュータによる各種車両情報表示。左側のハンドルスイッチで操作選択できる。
スマホとの連係等、多彩な機能を発揮。それら視覚的な操作方法は慣れると扱いやすい。
斬新かつ個性的なロングデザインを採用した、ツートーンカラーの前後一体式ダブルシート。
シート下収納BOXには右サイドからアクセス。ジェットヘルメットの収納も可能。内部照明も装備されている。
中央のボタンがスマートキーに対応するイグニッションスイッチ。長押しでステアリングロックも操作できる。
スマホの充電ができる左側の収納BOX。内部には冷却ファンも採用されている。上側にはETC機器が装備されていた。

付属の専用充電器。大型エアコン等で家庭でも使われる単相200V電源を使用する。

郊外の大型商業施設に設備されている普通充電システムで充電可能。ちなみにここの使用料金は1時間120円。
右側のフラップを開けると充電用の端子がある。そのカバーを外し、コネクターをカチッと挿し込んで充電する。

フェンダーステーに直付けされたライセンスランプとウインカー。テール&ストップランプの機能は、左右ウインカー内に同居している。

主要諸元

モーター型式:液冷オルタネーター/永久磁石式同期電動機
定格出力(kW):15(20 PS)
最高出力(kW/rpm):31 (42 PS) /4,900
最大トルク(Nm/rpm):62/0 - 4,900 

最高速度(km/h):120
0-50 km/h加速(秒):2.6
走行可能距離(km):130 (WMTCに準拠)
電力消費量(kWh/100km):7,7(13km/kW・WMTCに準拠)
電力回生方式:自動電力回生(下り坂走行時およびブレーキング時)

バッテリー:空冷リチウムイオン高電圧
バッテリー電圧(V):148
充電能力(kW):
 2.3(通常充電)
 6.9(クイックチャージャーオプション装着車)
標準充電時間:
 210分(80%充電・電流10A)
 260分(100%充電・電流10A)
急速充電時間:
 65分(80%充電・電流30A)
 100分(100%充電・電流30A)
サブバッテリー:12V/5Ahメンテナンスフリー
オルタネーター(W):500

ギヤボックス:1速、モーターハウジング内に統合
駆動方式:ベルとドライブ

フレーム:スチール製ダブルクレードル
サスペンション(前/後):テレスコピック式 φ46mm倒立フォーク/ ダイレクトスプリングストラット
サスペンションストローク(前/後mm):110/92

全長(mm):2,285
全幅(mm):855(ミラーを含む)
全高(mm):1,150(ウインドシールドを含む)
軸距(mm):1,675
シート高(mm):800
車両重量(kg):231(走行可能状態)
トレール(mm):120
キャスター(度):26.5
ホイール:アルミキャストホイール
リムサイズ(前/後):3.50-15/4.50-15
タイヤ(前/後):120/70 R-15/160/60 R-15
ブレーキ(前/後):φ265mmダブルディスク / φ265mmシングルディスク
ABS:BMW Motorrad ABS

試乗後の一言!

長〜いホイールベースは乗り心地の快適性にも貢献している。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…