前衛的フロントマスクが新しい、2代目スズキ・GSX-S1000に試乗。フレンドリーな乗り味が心地良し!

欧州では6月から先行発売されていたGSX-S1000が8月4日に国内でも新発売された。初代デビューは2015年の事。今回は斬新かつアグレッシブなフォルムを採用。エンジンもパワーアップされて2代目モデルへと進化し、商品力向上を果たしている。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●株式会社 スズキ

ディテール解説

スズキ・GSX-S1000

スラントしたノーズに2段重ねの6角形LEDヘッドランプを採用したコンパクトなフロントマスクが新鮮。

スズキ・GSX-S1000

ゴールドのフロントフォークは、120mmのストロークを持つφ43mmKYB製の倒立式。伸び圧減衰とプリロード調節ができるフルアジャスタブル式。ダブルディスクブレーキにはブレンボ製対向4ピストン油圧キャリパーがラジアルマウントされている。

スズキ・GSX-S1000

右サイドカムチェーンタイプの直(並)列水冷4気筒、DOHC16バルブの1Lエンジン。最高出力は、150psを発揮する。

スズキ・GSX-S1000

車体下部中央から右側にちょこんとアップしてフィニッシュするショートマフラー。エキゾーストパイプ集合部の直後とその後方排気チャンバー内にもキャタライザーが納められている。

スズキ・GSX-S1000

リヤサスペンションはボトムリンク式のモノショックタイプ。130mmのホイールトラベルを稼ぎ出す。7段階のスプリングプリロードと伸び側の減衰調節ができる。アジャスターを時計(右)回りに回し、1回転戻した所が標準位置。

スズキ・GSX-S1000

ダンロップ製スポーツマックスのロードスポーツ2は、190/50ZRの17インチサイズ。ブルーのキャストホイールは細い6本スポークタイプ。シングルディスクブレーキにはNISSIN製1ピストンのピンスライド式油圧キャリパーが採用されている。

スズキ・GSX-S1000

ブラックアウトされたアルミニウム製パイプバーハンドルはテーパードタイプ。バークランプは左右がブリッジされた一体構造になっている。

スズキ・GSX-S1000
人差し指で操作するディマー&パッシングスイッチは、ラップタイム計測時にも使用する。下はホーンとウインカースイッチ。中央部はモードや表示切り替え用だ。
ハンドル右側スイッチはシンプルにふたつ、赤いシーソースイッチがエンジンキルスイッチ及び始動用スターター。下の横スライド式スイッチはハザード用だ。
スズキ・GSX-S1000

多彩な情報表示を担うフル液晶式ディスプレイ。タコメーターはブロックが積み重なるデジタル表示式。3,000rpm以下と11,000rpm以上は500rpm毎、それ以外は250rpm毎に刻まれ、レッドゾーンは11,500rpmから。

スズキ・GSX-S1000
段付きのセパレートシートを採用。オプションでシングルシートカウルも装着可能。(構造変更検査が必要)
スズキ・GSX-S1000
車体左脇のキーロックを解錠すると、リヤシートクッションは簡単に脱着できる。ETC機器も収納できる。
スズキ・GSX-S1000
黒いアジャスターを回すとスプリングプリロードが調節できる。時計回りでハード、半時計回りでソフトになる。減衰調節は伸び側調節ができる。いずれも左右同じにセットする。
スズキ・GSX-S1000
フォークのボトムエンドにある金色部分に圧側の減衰調節がある。時計回り(右)いっぱいに回し、2回転戻した所が標準位置。ちなみに伸び側は同様に8クリック戻しが標準。
スズキ・GSX-S1000

スッキリとスマート、後方が跳ね上げられてフィニッシュするリヤエンド。LED式テールランプはシートカウルに組み込まれている。アップフェンダーもデザインがスリムだ。

主要諸元

型式:8BL-EK1AA

全長 / 全幅 / 全高(mm):2,115 / 810 / 1,080
軸間距離(mm):1,460
最低地上高(mm): 140
シート高(mm):810
装備重量(kg):214
燃料消費率(km/L):21.2(60km/h) 2名乗車時
WMTCモード値 (km/L):16.6 1名乗車時
最小回転半径(m):3.1

エンジン型式:DTB1・水冷・4サイクル・直列4気筒 
バルブ形式:DOHC・4バルブ
総排気量(㎤):998
内径×行程(mm):73.4 × 59.0
圧縮比:12.2:1
最高出力(kW/rpm):110〈150PS〉/ 11,000
最大トルク(Nm/rpm):105〈10.7kgf・m〉 / 9,250
燃料供給装置:フューエルインジェクションシステム
始動方式:セルフ式
点火方式:フルトランジスタ式
バッテリー:12V-10Ah(FT12A-BS)
潤滑方式:圧送式
潤滑油容量(L):3.4
燃料タンク容量(L):19
クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング
変速機形式:常時噛合式6段リターン
変速比:
  1速  2.562
  2速  2.052
  3速  1.714
  4速  1.500
  5速  1.360
  6速  1.269
減速比(1次 / 2次):1.553 / 2.588

フレーム形式:ダイヤモンド
キャスター (度):25
トレール(mm):100
ブレーキ形式(前 / 後):油圧式ダブルディスク(ABS) / 油圧式シングルディスク(ABS)
タイヤサイズ (前 / 後):120/70ZR17M/C(58W) / 190/50ZR17M/C(73W)
舵取り角左右(度):31
乗車定員:2名

試乗後の一言!

GSX-S1000
近田茂

エンジンパワーも重さもズンッと来る手応えは、流石1Lクラスの豪快感が楽しめる。

キーワードで検索する

著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…