1200ccだけど意外とスマートなカフェレーサー|トライアンフ・スラクストン1200 RS

全10機種もの充実したバリエーションを展開するモダンクラシック。トライアンフ伝統のバーチカルツインエンジンを搭載するのが特長だが、価格も性能もその中で頂点に君臨するモデルがスラクストンRSだ。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●徳永 茂(TOKUNAGA Shigeru)
取材協力●トライアンフ モーターサイクル ジャパン

※2020年9月5日に掲載した記事を再編集したものです。
価格やカラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

ディテール解説

トライアンフ・ラクストン1200RS
オーソドックスなデザインセンスと上質な雰囲気を醸すフロントまわり。クリアレンズの丸型ヘッドランプは12V60/55WのH4ハロゲンバルブを使用。
トライアンフ・ラクストン1200RS
ゴールドに輝く倒立式フロントフォークはショーワ製。φ43mmサイズでしっかりした剛性感がある。ストロークは120mm。フローティングマウントされたφ310mmのダブルディスクローターにはブレンボ製モノブロックの対向4ピストン油圧キャリパーが採用された。
トライアンフ・ラクストン1200RS
多くのバリエーションモデルに搭載されている270°クランクの1200cc 2気筒エンジン。その中で最も高度なチューニングが施されている。圧縮比は何と12.066:1。先代モデルより8ps向上した105ps/7,500rpmを発揮する。
トライアンフ・ラクストン1200RS
エンドが少し絞られたメガホンタイプのツインマフラー。オーソドックスだが、工業製品として美しさを感じさせてくれるデザインだ。
トライアンフ・ラクストン1200RS
アルミスイングアームにオーリンズ製フルアジャスタブルのツインショックを採用。プリロードはスプリング上側にある2個のアジャスターリングで調節する。伸び側のダンパー調節はショックユニット下側にあるダイヤルを回す。圧側の調節ダイヤルはリザーバータンクの上面にある。ホイールトラベルは120mmだ。
トライアンフ・ラクストン1200RS
ハブの左側にリジッドマウントされたディスクローターはφ220mm。NISSIN製の2ピストン・ピンスライド式油圧キャリパーを装備。タイヤはスリックライクなトレッドパターンを持つメッツラー製RACETEC RRを履く。
トライアンフ・ラクストン1200RS
昔で言う所のスワローハンドル的デザインのセパレート式ハンドルはステアリング・アッパーブラケットの直ぐ下でフロントフォークにクリップオンされている。
トライアンフ・ラクストン1200RS
ベストポジションにある赤いスイッチがホーンボタン。右の丸いグレースイッチはMODEボタン、そしてプッシュキャンセル式ウインカースイッチの上にあるのが、表示を切り替えるスクロールボタン、写真では見えない向こう側に人差し指で扱うディマースイッチがある。
トライアンフ・ラクストン1200RS
上の赤いシーソースイッチはエンジンキルスイッチと始動用セルスタータースイッチを兼用する。下の赤い押しボタンはハザードスイッチだ。
トライアンフ・ラクストン1200RS
白い文字盤と指針を採用したアナログ式ツインメーターを装備。左右それぞれのメーター内に各種ワーニングランプとモノクロ液晶ディスプレイが組み込まれ、多彩な情報表示を担う。
トライアンフ・ラクストン1200RS
シングルシーターとして割り切った潔いデザインが印象的。サイド面とは素材を変えてスエード調表皮を採用。丁寧なダブルステッチを入れて仕上げられている。
トライアンフ・ラクストン1200RS
左脇のキーロックを解錠すると、シートは簡単に脱着できる。ほぼストレートなシートレールに挟まれたスペースにヒューズやバッテリー等の電装品が整然と納められていた。
トライアンフ・ラクストン1200RS
左脇のキーロックを解錠すると、シートは簡単に脱着できる。ほぼストレートなシートレールに挟まれたスペースにヒューズやバッテリー等の電装品が整然と納められていた。
トライアンフ・ラクストン1200RS
左右共にフロントフォークのトップキャップで、伸び側と圧側のダンピング調節ができる。左側のスクリューが伸び側、右が圧側の減衰調節用である。
トライアンフ・ラクストン1200RS
左右それぞれのボトムにあるアジャスターはプリロード調節用。反時計まわりに目一杯回した所から、時計回りに7回転戻した所が標準設定となる。
トライアンフ・ラクストン1200RS
リヤフェンダーに取り付けられたテールとウインカーランプ。デザインはオーソドックスだが、光源はLEDランプが採用されている。
トライアンフ・ラクストン1200RS
燃料タンク中央に目立つストライプはタンクを固定する機能部品の金属ベルトだ。

主要諸元

エンジン形式:水冷並列2気筒 SOHC 8バルブ/270°クランク
排気量:1200cc
ボア・ストローク:97.6×80mm
圧縮比:12.066:1
最高出力:105PS(77kW)/7,500rpm
最大トルク:112Nm/4,250rpm
吸気システム:マルチポイントシーケンシャル電子燃料噴射
排気システム:2 INTO 2 エグゾーストシステム(ブラッシュ仕上げ)
始動方式:セルモーター
潤滑方式:ウェットサンプ
潤滑油量:3.8L(交換時・3.4L)
駆動方式:Oリングチェーン
クラッチ:湿式多板/アシスト付
トランスミッション:6速
一次減速比:1,257(93/74)
二次減速比:2,625(42/16)
ギヤ比:
 1速:3,500(49/14)
 2速:2,500(45/18)
 3速:1,850(37/20)
 4速:1,480(37/25)
 5速:1,296(35/27)
 6速:1,172(34/29)
フレーム:鋼管製クレードル
スイングアーム:アルミニウム製両持ちタイプ
ホイール(前/後):32本ワイヤースポーク、アルミニウムリム、17x3.5インチ / 同17×5インチ
タイヤ(前/後):チューブレス120/70ZR-17 / 同160/60ZR-17
サスペンション(前/後):ショーワ製φ43mm倒立式ビッグピストンフォーク(フルアジャスタブル)/ オーリンズ製ピギーバックリザーバー付ツインショック(フルアジャスタブル)
トラベル量(前/後):120mm / 120mm
ブレーキ(前/後):Brembo製φ310mmツインディスク、Brembo製M50 4ピストンラジアルモノブロックキャリパー、ABS / φ220mmシングルディスク、Nissin製2ピストンフローティングキャリパー、ABS

全幅:745mm
全高:1030mm (除くミラー)
シート高:810mm
ホイールベース:1415mm
キャスター:22,8 º
トレール:92.1mm
車両重量(乾燥):210kg(197kg)
燃料タンク容量:14L
燃料消費率:4.9L/100km(20.4km/L)

試乗後の一言!

トライアンフ・ラクストン1200RS
格好だけでなく、乗り味もスポーツマインドに溢れている。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…