排気量398cc、前タイヤ21インチ、イイね!「スズキ・DR-Z4S」が日本公開【大阪モーターサイクルショー2025】

多用途で頼れる一台、DR-Zシリーズの進化形

スズキは2024年11月、新型デュアルパーパスバイク「DR-Z4S」を発表したが、今回の大阪モーターサイクルショーで参考出品はとして日本初公開となった。

本モデルは、長年にわたって支持されてきたDR-Z400Sをベースに、現代のライダーが求める快適性・安全性・環境性能を融合させた次世代機。街乗りから林道、ロングツーリングまで幅広く対応する、まさに“Ready 4 Anything(何にでも対応できる)”なバイクだ。

力強く扱いやすい398cm³エンジン

海外仕様の諸元から解説すると、このDR-Z4Sには新開発の398cm³水冷4ストロークDOHCエンジンを搭載。従来から高評価を得ていた軽量・高回転型エンジンに改良を加え、力強くスムーズなトルク特性を実現している。ユーロ5+にも適合し、燃費や排出ガスにも配慮。二つのイリジウムスパークプラグ、チタン吸気バルブ、ナトリウム封入排気バルブ、改良された燃焼室やピストン設計など、細部まで高効率化が図られている。

高剛性スチールフレームと最新電子制御

車体は新設計のスチールパイプフレームを採用。高い剛性としなやかさを両立し、荒れた路面でも安定した走行が可能。そこに搭載される「スズキ・インテリジェント・ライド・システム(S.I.R.S.)」には、スロットルバイワイヤ、SDMS(走行モード選択)、STCS(トラクションコントロール)などが含まれ、ライダーのスキルや路面状況に応じて最適な走行をサポートする。

特に注目すべきは、ABSのON/OFF切替機能。DR-Z4Sはスズキ初となる前後独立でのABS解除が可能な市販モデルで、オフロードにおけるブレーキング性能が大幅に向上した。

快適性と実用性にも配慮した装備群

ライディングポジションは直立姿勢を基本とし、長時間の走行でも疲れにくい設計。LEDプロジェクターヘッドライトやウインカー一体型のポジションランプは視認性とデザイン性を兼ね備え、スタイリングは攻撃的かつスリムで、現代的なデュアルパーパスバイクの方向性を体現している。

さらに、42mmスロットルボディ、新設計のラジエーター、大径ファン、ドライサンプ潤滑方式なども採用し、エンジンの冷却・出力性能をトータルで強化。クラッチ操作もスズキ・クラッチアシスト・システム(SCAS)により軽くスムーズで、市街地走行でも快適だ。

新たな冒険へ、DR-Z4Sの未来性

DR-Z4Sは、日常の足から本格的なトレイルライドまで対応可能な懐の深さを持つ。多彩な電子制御、耐久性と操作性に優れた車体構造、そして洗練されたパワーユニット。すべてが「走る楽しさ」と「冒険心」を刺激する設計となっている。

「すべてを走破せよ」というメッセージを込めて再構築されたDR-Z4Sは、スズキのオフロードDNAを現代に受け継ぐ、新たなフラッグシップの一角。今後の発売時期や価格などにも注目が集まる。

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