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伝統とモダンが交錯する“スーパーネイキッド”の最新形

カワサキが誇るZシリーズの中核モデル「Z900」に、新たな上級仕様「Z900 SE」が登場。「大阪モーターサイクルショー2025」で公開した。
発売は2025年4月12日で、価格は169万4000円。従来型のZ900が持つ鋭い加速感と軽快なハンドリング性能をベースに、足回りとブレーキ性能を強化し、よりハイレベルなスポーツライディングに対応する仕様となっている。Zらしいアグレッシブで筋肉質なスタイリングは健在で、走りと美しさが高次元で融合した1台といえる。
パワフルな948ccエンジンがもたらす爽快な加速

Z900 SEの心臓部には、948ccの水冷4ストローク並列4気筒DOHCエンジンを搭載。最高出力は92kW(125PS)/9,500rpm、最大トルクは98.6Nm/7,700rpmを発生する。
このエンジンはスロットル操作に対するレスポンスが鋭く、低中回転域から粘り強く加速し、高回転までスムーズに吹け上がる。吸排気系とFIセッティングにより、街乗りからワインディング、サーキットに至るまで幅広いシーンで扱いやすい特性が与えられている。エンジンサウンドもZシリーズらしい官能性を持ち、回す喜びを強く感じさせる仕上がりとなっている。
ÖhlinsとBremboによる上級サスペンション&ブレーキシステム

Z900 SE最大の進化点は、専用装備となる足回りにある。リヤサスペンションには高性能Öhlins S46リヤショックユニットを搭載。伸側減衰力調整とプリロード調整が可能で、しなやかさと腰の強さを両立し、リアタイヤの接地感とトラクション性能が大幅に向上している。
さらにフロントブレーキにはBrembo製M4.32キャリパーと300mmセミフローティングディスクを組み合わせ、制動力・コントロール性ともにワンランク上のフィーリングを実現。マスターシリンダーやホースも専用品とされ、スーパーネイキッドに相応しい制動性能を発揮する。
電子制御で支える高い安心感と走行性能

Z900 SEは電子制御システムも抜かりない。2モードのパワーモードと3段階のKTRC(カワサキ・トラクション・コントロール)、さらにライディングモード(Sport/Road/Rain/Custom)を組み合わせることで、路面状況やライダーのスキルに応じたセッティングが可能となる。
ABSやトラクションコントロールは自然な介入と高精度を両立しており、攻めた走りでもライダーの安心感を損なわない。カラフルなTFT液晶メーターはBluetoothにも対応しており、スマートフォンと連携して様々な情報を確認できるKawasaki Rideologyアプリとも連動。利便性と視認性の両面でライダーを支える。
スタイリングと操作性にこだわった装備群

デザインはZシリーズ伝統の“鋭さ”と“抑揚”を継承しながら、SE仕様専用のグラフィックとカラーリングで差別化。メタリックスパークブラックとメタリックマットグラフェンスチールグレーを組み合わせた外観は、高級感とスポーティさを兼ね備える。
シート形状やライディングポジションにも配慮されており、スポーツライディング時の自由度とツーリングでの快適性が両立されている。燃料タンクは17リットルの容量を確保し、ロングライドにも十分な航続距離を誇る。
Zの魂を宿すハイグレードネイキッドの完成形

Z900 SEは、従来型の万能性をさらに磨き上げたモデルでありながら、走りの質感とスポーツ性能においては別次元に進化している。
ÖhlinsとBremboの採用による足回りの劇的な向上、電子制御による安心感、そしてZらしいエモーショナルな加速感。そのすべてが高次元で融合されたこのモデルは、まさに“スーパーネイキッド”という称号にふさわしい1台であり、Zシリーズの歴史においても重要な転換点となる存在だ。
ライダーに「操る悦び」と「所有する満足感」を同時に与える、完成度の高いネイキッドバイクの新たなスタンダードである。