トライアンフ「Speed Triple 1200 RS」日本公開|ストリートからサーキットまでを支配する超高性能ネイキッド【大阪モーターサイクルショー2025】

トライアンフ・スピードトリプル1200RS…227万円

トライアンフのフラッグシップロードスターモデル「Speed Triple 1200 RS」は、メーカー希望小売価格は227万円。

その価格にふさわしく、車体の細部には徹底した作り込みが施されており、洗練されたデザインと実用性、サーキット対応のハードウェアが融合している。アルミ製のツインスパーフレームとボルトオン式リアサブフレームに支えられたシャープなプロポーションは、視覚的にも圧倒的なスポーティさを放っている。シート高は830mmに設定され、乗車時の剛性感とコントロール性を両立。重量は199kgとこのクラスのネイキッドとしては非常に軽量に仕上げられている。

1158ccトリプルエンジンが放つ怒涛のパワー

エンジンは新設計の1158cc水冷並列3気筒DOHCユニットを搭載。最大出力180PSを10,750rpmで、最大トルク125Nmを9,000rpmで発揮する。高回転型でありながらも低中速の粘りも十分に確保され、街乗りからワインディング、さらにはサーキットに至るまで余裕のある走行性能を発揮する。

エンジン特性はスムーズでありながら鋭く、ライドバイワイヤとマルチポイント電子燃料噴射が繊細なアクセルワークにも瞬時に反応。エグゾーストシステムには3-1構成のステンレス製ヘッダーとサイドマウントのサイレンサーが採用され、独特の三気筒サウンドが高揚感を掻き立てる。

シャシーはオーリンズとブレンボで完全武装

フロントサスペンションにはÖhlins製NIX30 43mm倒立フォーク、リアにはTTX36ツインチューブモノショックを搭載。いずれもプリロード、リバウンド、コンプレッションの各ダンピング調整機能を持ち、ライダーの好みに応じたセットアップが可能。前後ともに十分なストローク量を確保し、路面追従性と高い安定性を両立する。

ブレーキはブレンボ製Stylemaモノブロックキャリパーと320mm径フローティングディスクの組み合わせで、リアも同社製2ピストンキャリパーを採用。OC-ABSとの連携により、強力な制動力と滑らかなコントロール性能が高次元で融合している。

5インチTFTディスプレイと先進電子制御が走りを昇華

Speed Triple 1200 RSには、フルカラーの5インチTFTディスプレイを標準装備。ライディングモードの選択やトラクションコントロール、ウィリーコントロール、クイックシフター、ローンチコントロールといった電子制御群が集約されており、ライダーの走行スタイルや路面状況に合わせた自在な設定が可能となっている。

TRACKモードでは余計な介入を極限まで排除し、サーキットでの完全なコントロール性を提供。クルーズコントロールやスマートフォン接続機能など、日常使いを意識した利便性にも抜かりはない。

細部まで戦闘的に仕上げられたプロダクションレーサーの風格

キャスター角23.9度、ホイールベース1445mmというジオメトリは、鋭いターンイン性能と安定性を両立する絶妙なバランスをもたらす。タイヤはMetzeler製RACETEC™ RRを標準装着し、サーキット走行にも対応するハイグリップ性能を実現。

燃料タンク容量は15Lで、ツーリングやワインディングでも実用的な航続距離を確保している。車体全体に配置されたパーツの質感と仕上げは高く、まるでカスタムバイクのような一体感と緊張感が漂う。

トライアンフの技術と情熱が結晶した最強のネイキッド

Speed Triple 1200 RSは、トライアンフが長年培ってきたストリートファイターの血統に、最新技術とモータースポーツの知見を惜しみなく注ぎ込んだフラッグシップモデルだ。その走行性能はもはやネイキッドの枠を超え、スーパーバイクに匹敵するレベルにまで達している。

日常のストリートからサーキット走行までをシームレスにカバーするその懐の深さは、単なる高性能バイクではなく、真の“ライダーズバイク”としての資質を備えている。現代のパフォーマンスロードスターに求められるすべてを備えたSpeed Triple 1200 RSは、走る歓びと所有する誇りを同時に満たす、究極の1台といえる。

キーワードで検索する

著者プロフィール

磐城蟻光 近影

磐城蟻光