中型クラスの電動スポーツバイク「EV Fun Concept」が東京モーターサイクルショーで国内初公開

3月28日から30日まで東京ビッグサイトで開催された第52回東京モーターサイクルショーのホンダブースでは、ホンダ初のEVスポーツモデル「EV Fun Cocept」が日本国内で初公開となった。次世代のスポーツバイクの未来をホンダらしいモデルで表現している。
日本国内では初公開となるミドルクラスの電動スポーツモデルEV Fun Cocept

3月28日〜30日まで開催されている第52回東京モーターサイクルショーにおいて、ホンダモーターサイクルジャパンのブースでは、すでに大阪モーターサイクルショーで発表されたCB1000Fコンセプトやスーパーカブ110Liteコンセプトをはじめ、注目のモデルが数多く展示され、多くの来場者で賑わっていた。

ホンダモーターサイクル代表取締役・室岡氏がHondaの先進技術、カーボンニュートラル、プロダクトについて語った。

3月28日のプレスカンファレンスに登壇したホンダモーターサイクルジャパン代表取締役の室岡克博氏は、創業時からの事業である二輪車事業についての取り組みを紹介。昨年のミラノショーで公開した電動過給機付き新型V型3気筒エンジン、クラッチ操作のいらないHonda-Eクラッチ搭載モデル、そしてカーボンニュートラルを実現するEVへの取り組みとして、新たなスポーツタイプのEVコンセプトモデル「EV Fun Concept」を紹介した。このモデルは昨年11月にイタリア・ミラノで開催されたEICMA(通称:ミラノショー)で初公開されたモデルで、日本での公開はこの第52回東京モーターサイクルショーが初となる。Hondaは2050年に「Hondaの関わるすべての製品と企業活動を通じてカーボンニュートラルを実現する」ことを目指しており、2040年代にはすべての二輪製品でカーボンニュートラル達成を目標としている。すでに国内でも原付1種に相当するスクーターEM1:eを販売しており、原付2種に相当するモデルのCUV:eを2025年6月から発売開始することを発表している。

EV Fun Conceptのリヤ周りは片持ちスイングアームのプロアーム。ホンダらしい走りが楽しめる。
ヘッドライトは小さなLEDが2段になっている。デイライトが未来のバイクっぽい?
幅広で低めのバーハンドル。メーター周りは意外とシンプル。
四輪車と同じ急速充電に対応しているので、外出先での充電も問題ない。

EV Fun CoceptはHonda初のスポーツモデルの電動二輪車となる。室岡社長は「現在のホンダはICEの進化にも継続的に取り組みながら、環境戦略の主軸として二輪の電動化を加速させています。日本初公開となるEV Fun Conceptはミドルクラスの排気量に匹敵する性能を持たせた、ホンダ初の電動スポーツモデルです。ホンダは長年にわたって培ってきたハンドリング性能に加え、電動ならでは静かに走り抜ける感覚と、ガソリンエンジン車とは全く異なる新しい走りの世界を追求したコンセプトモデルです。電動の領域においても新しい独創性やチャレンジ精神から生み出されるモビリティを具現化してまいります」と述べた。

Honda四輪車とパワープロダクツで培ったノウハウと技術を応用し、EV Fun Coceptのシステムおよび充電機能を構築。バッテリーは四輪車と同じ規格の急速充電器CCS2に対応して急速充電にも対応。航続距離は100km以上を想定して開発されている。会場には現在販売中のEM1:eのほか、6月の20日から発売が予定されているCUV:eも展示されていた。

ファイナルモデルのモチーフにもなった1966年発売のC50
昨年11月に受注生産で販売された50ファイナルエディション
スーパーカブ50ファイナルエディションを記念した純正ヘルメット
Tシャツなどのアパレルも販売されいた
次世代CBシリーズのフラッグシップとなるであろうCB1000Fコンセプト
グラフィックデザイナー「GUCCIMAZE」氏がデザインを手がけたBEAMSとコラボしたCB1000Fコンセプトも。

プレスカンファレンスではホンダのプロダクトブランドの進化にも触れられ、ホンダのアイデンティティとも言えるコミューター「スーパーカブ」シリーズのうち、50ccモデルが生産終了したことについて言及。今後の原付一種カテゴリーを引き継ぐ新たなコンセプトモデル「スーパーカブ110Liteコンセプト」を紹介。また、1992年の誕生以来愛されてきたCB1300SUPER Fourシリーズの最終モデル、CBブランドの新たなモデルとして発表されたCB1000Fコンセプトが紹介された。今年のホンダブースも盛りだくさんの内容でファンの期待に応えていた。

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