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ヤマハ・YZ250F……913,000円~
4ストDOHC4バルブ、後傾シリンダーに前方インジェクション吸気、後方排気という珍しいレイアウトを採用。今やモトクロッサーでも常識となるセル始動。ミッションは5速とした。
21年モデルから大きく変わっているのは、リヤホイールのスポーク交差レイアウトへの変更だ。今までの2クロスから3クロスへとなった。ハブ内で1箇所、ハブとリム間で2箇所の交差となった。つまりスポークの角度が寝たと言えば分かってもらえるかと思うが、これによってバンプの衝撃を吸収しながら、良好なトラクションを確保するものだ。高い路面追従性となったということ。
また軽量ドリブンスプロケットの採用で42g、軽量ハブの採用で65g、軽量チェーンの採用で78gの軽量化を達成している。さらにワイドリム(2.15)とダンロップタイヤ(幅110)も採用した。
エンジンの変更点は、吸気ポートの容量を拡大、エアクリーナーボックスにダクトを追加し、中高回転域の出力向上。排気カムシャフトのリフト量とワークアングルを最適化し、低中速回転域のコントロール性を向上した。
フロントブレーキはキャリパーピストン径をφ22.65からφ25.4へ大型化し、さらに強力な制動力を確保している。シート高は970mm、車重は106kg、最低地上高は335mmとなっている。
2ストYZより僅かに低いシート高だが、跨るとその差は無いに等しい。セル一発で始動するエンジンは、レーシングすると素晴らしいレスポンスだ。走り始めるとサスはやはり硬め。ゴツゴツした感覚がありありだが、速度が乗って来るとしっかり衝撃を吸収し踏ん張ってくれているのが分かる。と言っても私のレベルではサスペンション性能の半分も使えているのかという感じ。
とにかく凄いのはエンジンのレスポンスとパワー。2スト250のYZも凄まじかったが、この4ストもアクセルを開けると瞬時に、そして一気に回転が上昇する。本当に構えていないとすぐに体が遅れてフロントが浮いて来るか暴れてしまうのだ。
慣れているライダーにはこれが当たり前なのだろうと思うが、びっくりするパワフルさ。比較的低回転から十分なトルクも出ているし、高回転もこれでもかと伸びて行く。そんなエンジンなので私はほんの少ししか全開には出来ませんでした。ただしフレームはがっしりしているし、サスは硬めで全体とししてかっちり。操縦性はナチュラルだけどシャープに曲がってくれる。
クラッチはワイヤー作動で軽くて、切れも繋がりも文句無し。今時のライディングはクラッチを多用するのだろうか?私はそんなテクニックは無いので普通に使っただけだが、扱いやすいと感じた。
ミッションの入りは良くチェンジ操作もやり易く、またブーツの邪魔にならないチェンジペダルもグッドだった。
リヤホイールのリムがワイドになりタイヤ幅も広くなったのだが、そもそも19インチということもあり走破性は高くグリップも良かった。今回の路面はマディからドライまで全部揃っていたけど、どの路面でも何も不満は感じない。
ブレーキは強力であり、握り具合に応じて効きのコントロールはしやすい。おそらくもっと速い速度でのレースでは不足があって、今回の改良に繋がったのだろう。私のレベルでは思い切り握るなんてことなく速度は落とせました。
正直なところ、走らせて感触を掴むのに必死で、細かいインプレまでは難しかったです。いやそれほど爆発的な走行性能を持っているってことです。正直何も不満は無いどころか、こんなに性能が高いのか!とびっくりするやら感激するやらでしたから。
余り突っ込んだインプレッションにはなりませんでしたけど、とにかく素晴らしい戦闘力を持っているYZ250Fです。それだけに余りモトクロッサーに乗り慣れていないライダーにはおすすめできないほどです。ある程度乗れるライダーや、現役で勝ちに行くライダーには超おすすめですが。
ディテール解説
所要諸元
YZ250F 車体打刻型式/原動機打刻型式:CG40C/G3L4E 全長/全幅/全高:2,175mm/825mm/1,285mm シート高:970mm 軸間距離:1,475mm 最低地上高:335mm 車両重量:106kg 原動機種類:水冷, 4ストローク, DOHC, 4バルブ 気筒数配列:単気筒 総排気量:249㎤ 内径×行程:77.0mm×53.6mm 圧縮比:13.8:1 始動方式:セルフ式 潤滑方式:ウェットサンプ エンジンオイル容量:0.95L トランスミッションオイル量:- オイルタンク容量:- 燃料タンク容量:6.2L(無鉛プレミアムガソリン指定) 吸気・燃料装置/燃料供給方式:フューエルインジェクション方式 TCI(トランジスタ式) バッテリー容量/型式:- 1次減速比/2次減速比:3.352/3.846 クラッチ形式:湿式, 多板 変速装置/変速方式:常時噛合式5速/リターン式 変速比: 1速:2.142 2速:1.750 3速:1.444 4速:1.222 5速:1.041 フレーム形式:セミダブルクレードル キャスター/トレール:26° 50′/119mm タイヤサイズ(前/後):80/100-21 51M(チューブタイプ)/110/90-19 62M(チューブタイプ) 制動装置形式(前/後):油圧式シングルディスクブレーキ/ 油圧式シングルディスクブレーキ 懸架方式(前/後):テレスコピック/スイングアーム(リンク式) 乗車定員:1名