【免許は普通二輪AT】アドベンチャースタイルのBMW・C400X、アグレッシブに走れるスクーターです。

普通二輪AT限定免許でも乗れるBMW、それがスクータータイプのC400XとC400GTだ。2021年モデルで揃ってマイナーチェンジを実施し、細部の改良によって排ガス規制ユーロ5をクリア。今年7月から日本でも販売がスタートしている。今回試乗したのはアーバンモビリティを積極的に楽しめるというC400X。果たしてそのパフォーマンスは?

REPORT●大屋雄一(OYA Yuichi)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●ビー・エム・ダブリュー株式会社(https://www.bmw-motorrad.jp/ja/home.html#/filter-all)

ライディングポジション&足着き性(175cm/66kg)

ハンドルバーの絞り角が少なく、シートのウレタンはやや硬め。積極的な操縦に重きを置いたライディングポジションだ。腰を引いて座ったときのシートのホールド感も優秀だ。
シート高は775mmを公称。スズキ・バーグマン400が755mmなのでその差は20mm。フロアボードの一部がスリムに絞られているので、シートの前方に座れば足着き性はご覧のとおり。

ディテール解説

349ccの水冷SOHC4バルブ単気筒は2021年モデルで排ガス規制ユーロ5に適合。リヤサスはいわゆるユニットスイング式だが、独自のディカップリングシステムによってエンジンの振動をライダーに伝えないように工夫している。
一般的なスクーターと同様にシリンダーをほぼ水平にレイアウトし、カムシャフトで駆動するカウンターバランサーを備える。トラコンの一種であるASCは、2021年モデルでホイール脱着時のキャリブレーションを自動化した。
ブレーキキャリパーはバイブレ製から、2021年にブレンボに買収されたスペインのJ.JUAN(ホタ・ホワン)製に変更された。ユニットステアのフロントフォークなどは継続採用。
標準装着タイヤの銘柄はピレリ・エンジェルスクーターで変更なし。リヤホイールの右側はアルミ製のアームで支持される。リヤショックは2本で、プリロードのみ調整可能だ。
6.5インチのフルカラーTFTディスプレイは、ブルートゥースを介してスマホと接続できる。
収納スペースは駐車時に底面が下げられるフレックスケースで、フルフェイスも収納可能。
R1250GSなどに採用されているマルチコントローラー。メーターの操作が非常にしやすい。
2021年モデルで電子制御スロットルを新採用。日本仕様はモードの切り替え機構を省略。
フロントの左右に収納スペースあり。右側にはUSBソケットとETC2.0車載器を備えている。
キーレスライドシステムを採用。電池残量が50%を切るとメーターに警告文が表示される。

C400X 主要諸元

エンジンタイプ 水冷単気筒4ストロークエンジン、1シリンダーあたり4バルブ、ロッカー付きオーバーヘッドカムシャフト、ウェットサンプ潤滑
ボア×ストローク 80mm×69.6mm
排気量 349cc
最高出力 25kW (34ps)/7,500rpm
最大トルク 35Nm/6,000rpm
圧縮比 11.5 : 1
点火/噴射制御 電子制御エンジンマネージメントシステム、E-スロットルグリップ付きBMS-ME
エミッション制御 三元触媒コンバータ、排ガス基準EURO5をクリア
最高速度 135km/h
燃料消費率/WMTCモード値(クラス3)、1名乗車時 28.57km/ℓ
CO2排出量/WMTCモード値 81g/km
燃料種類 無鉛プレミアムガソリン(ハイオク)(最大15 %エタノール、E15)95 ROZ/RON90 AKI
オルタネーター 永久磁石式ジェネレーター、316W
バッテリー 12V/9Ah、AGM、メンテナンスフリー
クラッチ 遠心乾式クラッチ
ミッション CVT(コンティニュアスリー・バリアブル・トランスミッション)
駆動方式 2段平歯車
フレーム スチール製ブリッジタイプフレーム
フロントサスペンション テレスコピックフォーク
リアサスペンション ユニットスイング式サスペンション、ボルト接続のサポートアーム装備、スプリングプリロード調整式2本の直接駆動スプリングストラットZ
サスペンションストローク、フロント/リア 110mm/112mm
軸距(空車時) 1,565mm
キャスター 81mm
ステアリングヘッド角度 63.6°
ホイール アルミニウムキャストホイール
リム、フロント 3.50×15”
リム、リア 4.25×14”
タイヤ、フロント 120/70R15
タイヤ、リア 150/70R14
ブレーキ、フロント ダブルディスクブレーキ、直径265mm、4ピストンブレーキキャリパー
ブレーキ、リア ディスクブレーキ、直径265mm、1ピストンフローティングキャリパー
ABS BMW Motorrad ABS
シート高、空車時 775mm
インナーレッグ曲線、空車時 1,762mm
燃料タンク容量 12.8ℓ
リザーブ容量 3ℓ
全長 2,210mm
全高(ウィンドシールドを含む) 1,310mm
全幅(ミラーを除く) 780mm
車両重量(走行可能・燃料満タン時) 206kg、DIN空車時、走行可能状態、燃料満載時の90%、オプション非装備
※日本国内国土交通省届け出値、燃料100%時:210kg(乾燥重量:195 kg)
許容重量 405kg
積載量(標準装備) 199kg

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著者プロフィール

大屋雄一 近影

大屋雄一

短大卒業と同時に二輪雑誌業界へ飛び込んで早30年以上。1996年にフリーランス宣言をしたモーターサイクル…