空油冷、水平対向。エンジンだけでも個性を主張できる、ネオクラシカルなネイキッドスポーツ|BMW・R nine T試乗

現在BMWのラインナップは、6つのカテゴリーに分類されている。その中のヘリテージはアドベンチャーと共に豊富なバリエーションを誇る8機種をリリース。「ヘリテージ」とは遺産や伝統を意味するが、具体的には同社が誇る古くから象徴的なパワーユニットである縦置き水平対向ツインエンジンを搭載。R nineT はその基本を着実に受け継いできたピュアな存在として知られているのである。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●ビー・エム・ダブリュー 株式会社

ディテール解説

丸型ヘッドランプとツインメーターはオーソドックスなフロントビューを魅せるが、LEDランプを採用した斬新なデザイン。バランスとしてステアリングヘッド周りの部品がゴツく見える点が印象深い。

ゴールドのアウターチューブが目立つフロントフォークはφ46mm倒立タイプ。ダブルディスクブレーキにはブレンボ製対向4ピストンの油圧キャリパーがラジアルマウントされている。フェンダーは2つの鋳造アルミニウムステーで固定されている。

シリンダーフィンからは空冷エンジンに見えるが、油冷も積極併用して、冷却方式は空油冷と呼ばれる。前方に見えるのはオイルクーラー。筒状のエアダクトはエアクリーナーへ導かれる吸気導入口。

左右のエキゾーストパイプは途中で左右連結されている。エンジン下部で集合され太いキャタライザーを経て、左側へと導かれ、再び2本のAKRAPOVIC製マフラーでフィニッシュ。

片持ちパラレバーサスペンションには等ピッチの白いスプリングを持つモノショックを採用。アッパー側にある調整ノブはプリロード用。ボトムにあるスクリューは伸び側の減衰アジャスターだ。

BMW独自の片支持パラレバー式サスペンション。中折れ構造のスイングアーム内に駆動用のシャフトが通っている。ブレーキは2ピストンのピンスライド式油圧キャリパーが採用されている。

シルバーのパイプバーハンドルはテーパードタイプ。左右を連結するブリッジ付きのクランプで固定されている。

下から順にホーン、ウインカー、メニュー。右はトラクションコントロール、上の赤いのがハザード。さらにクルーズコントロール、人差し指で扱うのがディマー&パッシングスイッチ。
下の赤いのがエンジンキルスイッチ兼、始動用のスタータースイッチ。中が走行モード、上はグリップヒーター用スイッチ。

アナログ表示のセパレート式丸型ツインメーターを装備。それぞれのメーター内に液晶表示パネルを持ち、多くの情報表示を果たしている。

前方がスリムにデザインされたダブルシート。前後一体式に見えるが、クッションはベルト部分でセパレートされた別体式。
脱着作業は専用のシートキーを使用して1本の後席固定用ボルト外しから行う。前席下部にはETC車載器が装備されていた。

スッキリとシンプルに仕上げられたテールビュー。灯火類はLEDが採用されている。

俯瞰すると左シリンダーが右よりも少し前に位置していることがわかる。

主要諸元

エンジン型式:空油冷/4ストローク水平対向2気筒
動弁型式:DOHC 1気筒あたり4バルブ(ラジアル配置)
ボア x ストローク(mm):101 x 73
排気量(cc):1,169
最高出力(kW/rpm):80 (109 PS) /7,250
最大トルク(Nm/rpm):116/6,000 
圧縮比:12.0 : 1
点火 / 噴射制御:電子制御エンジンマネージメントシステム(DME)、燃料カットオフ機能付
エミッション制御:三元触媒コンバータ、排ガス基準EU5をクリア
最高速度(km/h):217
燃料消費率(km/L)/ WMTCモード値:19.6

燃料タンク容量(L):18(含む予備約3.0L)
燃料種類:無鉛プレミアムガソリン
エンジンオイル容量(L):3.95
オルタネータ(W):720
バッテリー:12V / 12Ah、メインテナンスフリー

クラッチ:乾式単板、油圧式
ミッション:常時嚙合式6速リターン
駆動方式:ドライブシャフト式
1次減速比 / 2次減速比:1.737 / 2.910
ギヤ比:
 1速:2.375(38/16)
 2速:1.696(39/23)
 3速:1.296(35/27)
 4速:1.065(33/31)
 5速:0.939(31/33)
 6速:0.848(28/33)

フレーム:スチールパイプ製4ピース
サスペンション(前/後):テレスコピック式 φ46mm倒立フォーク/ パラレバー、センタースプリングストラット 片持ち式スイングアーム
サスペンションストローク(前/後mm):120/120

全長(mm):2,105
全幅(mm):870(除くミラー)
全高(mm):1,100(除くミラー)
軸距(mm):1,490
シート高(mm):805
車両重量(kg):224(燃料満タン)
トレール(mm):107.9
キャスター(度):26.8
ホイール:スポーク式
リム(前/後):3.50-17/5.50-17
タイヤ(前/後):120/70 ZR-17/180/55 ZR-17
ブレーキ(前/後):φ320mmフローティングダブルディスク / φ265mmフローティングシングルディスク
ABS:ABS Pro

試乗後の一言!

慣れるにつれてジワジワと親しみを覚え、ミドルクラス並に扱いやすく感じられる。

キーワードで検索する

著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…