【400ccのドゥカティ】ナナハンクラスと同等の立派な存在感です! スクランブラーSixty2試乗

アンダー400、つまり普通二輪免許で乗れる数少ない外国車のうちの1つが、ドゥカティ「スクランブラーSixty2」です。同社ラインナップでは唯一100万円を切る価格設定で、エントリーユーザーにも比較的手軽に乗れるモデルと言えるでしょう。2016年のデビューから4年が経ちますが、その魅力を再検証いたしましょう。

※2020年01月28日に掲載した記事を再編集したものです。
価格やカラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

ストリートバイクとして理想的

ドゥカティ スクランブラーSixty2

 ドゥカティでもっとも気軽に乗れる、そう言ってもいいでしょう。視界にあるのは、丸型メーター1個だけというシンプルなハンドルまわりも開放感があって清々しいとしか言いようがありません。扱いやすいエンジンは低中速域で充分にトルクがあり、適度な鼓動感も心地良いです。

 800ccモデルのようなパワフルさはないものの、スロットルレスポンスがダルいかといえばノーで加速も意志どおり。アクセルを開けやすく、このユーザーフレンドリーな乗り味は若者や女性、リターンライダーにも優しく、幅広い層にオススメできます。

 軽合金10本スポークのホイールはフロント18、リヤ17インチ。安定感のなかに軽快性もあるハンドリングで、神経質さがないのが秀逸。前後サスがよく動き、無頓着に操作しても言うことを聞いてくれる大らかさは、ストリートバイクとして高く評価できます。

 ハンドル切れ角も35度と広く、混雑する市街地や狭い路地も苦手にしません。低速でエンジンが粘り、Uターンなど小回りするときもノロノロ運転ができるその出力特性がありがたいとしか言いようがありません。かつて大人気だったヤマハTWやホンダFTRにも通じるイージーさが好印象です。

 そんな馴染みやすさがあるものの、空冷Lツインは充分なパワーとトルクを発揮します。そこは400クラスだからこそで、アンダー250のTWやFTRには到底及びません。800譲りの車体も剛性が高く、安定感はクラスを超えています。

 その気になれば、スポーティなライディングが楽しめ、コーナーをハイペースで駆け抜けられるのだから侮れません。郊外のワインディングへ出掛けた際も、クセのないステアリングフィールに感心させられるでしょう。

 クラッチやミッション、ブレーキの操作性もクラスを超えたものがあり、コントロール系で不満を感じることもありません。つまり、街乗りしやすい200〜250クラスのような親近感をそのままに、走りはヨンヒャクの性能。そして、車体の質感やスタイルの良さは、外国車オーバー・ナナハン譲りという欲張りな1台となっているのです。

 大型二輪免許がない人にも乗れて、100万円を切る車体価格も大きな魅力でしょう。初めてのドゥカティ、最初の外国車としてオススメできます。

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著者プロフィール

青木タカオ 近影

青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。最新バイク情報をビギナーの目線に絶えず立ち返…