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全域トルキーで、扱いやすさもある
パイパーモタード系譲りの排気量937ccL型2気筒テスタストレッタ11°は最高出力110PS/9000rpm、最大トルクは93Nm/6500rpmを発揮しますが、その80%をわずか3000rpmで発生してしまいます。
「スーパースポーツ」というネーミングからサーキット向けの尖ったエンジンフィーリングを想像しがちですが、先代たちがそうであったように街乗りからツーリング、サーキット走行も楽しめるオールラウンダーであるのがドゥカティSuperSport(スーパースポーツ)というわけです。
ミドルレンジが力強く、限られたパワーバンドはなく低速域でもギクシャクするようなことはありません。しっかりとあるパルス感は大袈裟ではなく、スムーズに回って中高回転域も伸びやか。ピークトルクを6500rpmで迎えても、10,000rpmまでパワフルに回りきっていくのです。
ハンドリングは軽快で、速度域が上がらなくともキビキビ走ってくれるのも、公道に主眼を置いたマシンであることを強く感じさせます。前後サスペンションはしなやかに初期荷重からよく動き、優れたトラクション性を生み、気を抜いてもスロットル操作と荷重移動のテンポを極端に間違わない限りは、リズム良くコーナーを駆け抜けられる親和性も持ち味になっています。
ライディングモードは「スポーツ」「ツーリング」「アーバン」の3つが予め用意され、ABSやトラクションコントロール、クイックシフトの設定が変化。右手のグリップ操作にダイナミックに反応する「スポーツ」を選んでも過激すぎるなんてことはなく、肩肘張らずに楽しめるトータルバランスに優れたスポーツバイクであることがわかるのでした。
ただし、冷たい路面に手こずるときはトラコンの介入度が高い「アーバン」や「ツーリング」の恩恵を感じるとき。さらに乗り手の好みや技量に合わせて、モードをカスタマイズすることもできます。
目をつり上げなくとも、ゆったり走っているだけでハイペースを保て、乗り心地もいい。もし、ドゥカティは気難しいなんて敬遠している人がいたら、ぜひ乗って試していただきたい。その先入観が変えられるはずです。