DUKEでは物足りない、KTM RC390はそんなストイックなライダーのために存在する。

アップハンネイキッドの390DUKEの、セパハン・フルカウル版としてバリエーション展開されるRC390。車体との一体感が増し、コーナーがますます楽しい。

TEXT●ノア セレン
PHOTO●山田俊輔

※2019年12月11日に掲載した記事を再編集したものです。
価格や諸元、カラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

ディテール解説

KTM・RC390

シングルディスクにラジアルマウントされたBYBRE製キャリパーはとてもコントローラブルでありつつ絶対制動力はサーキットでも十分通用するレベルを確保。フロントブレーキはこのスモールDUKEシリーズにおいて特に良い部分。

KTM・RC390

やはりWP製を用いるリアサスはプログレッシブスプリングを持ちリンクなしで装着。出荷時はソフトなセッティングだがプリロード調整も可能。

KTM・RC390
KTM・RC390

最小限に見えるシートだが、快適性やホールド性に不満はナシ。タンデム部はカウルに見えるがフォームになっていて柔らかく、タンデムライダーはそのままこのカウル状のタンデムシートに座れる。シート下は小さな小物入れが。

KTM・RC390

2灯式のプロジェクターヘッドライトとカウル上部を大きく覆うスクリーンがRCのアイデンティティ。どこか「奇妙な冒険」をする漫画を連想するのは筆者だけか。

KTM・RC390

ちょっと広めのセパハンはかなり積極的にフロント周りを抑え込んでいるようなイメージを提供してくれる。目に入るメーターはちょっと旧く感じ始めたデザインではあるものの情報は見やすいもの。

KTM・RC390

転倒時には上下にも曲り折れるのを防いでくれるレバーはやはりパワーパーツ。またバーエンドに装着されるガードキットはレースなどで他車に接触した際にブレーキやクラッチレバーをひっかけないための安全装備。MotoGPでも使われているだけに気分も盛り上がる。

KTM・RC390
KTM・RC390

シンプルなスイッチ類はいつもの場所にいつものボタンが配置され使いやすい。また各アイコンは裏側に明かりがあり、夜は光って見える。アクセルはライドバイワイヤ―を採用。ブレーキのリザーバータンク上のビレット部品はKTM純正オプションのパワーパーツだ。

主要諸元

エンジン形式: 4ストローク単気筒
 排気量: 373.2cc
 ボア×ストローク: 89/60mm
 最高出力: 32kw(43hp)9500rpm
 最大トルク: 35Nm/7,250rpm
 圧縮比: 12.5:1
 スターター/バッテリー: セル式/12V8Ah
 変速機: 6速
 燃料供給方式: Bosch製EFI(スロットルボディ:46mm)
 バルブ数/カムシャフト: 4V/DOHC
 潤滑方式: セミドライサンプ
 エンジンオイル: Motorex Formula 4T
 プライマリードライブ: 30:80
 ファイナルドライブ: 15:45
 冷却方法: 水冷
 クラッチ: PASC™スリッパークラッチ・機械操作式
 EGマネージメント/イグニッション: Bosch製EMS・RBW
 フレーム: スチール製トレリスフレーム(パウダーコート)
 サブフレーム: スチール
 ハンドルバー: スチールクリップオンハンドル
 フロントサスペンション: WP製倒立フォークφ43mm
 リアサスペンション: WP製モノショック
 サスペンションストローク(F/R): 125/150mm
 ブレーキ(F): 4ピストンラジアルマウントキャリパー、ディスクブレーキφ320mm
 ブレーキ(R): シングルピストンフローティングキャリパー、ディスクブレーキφ230mm
 ABS: Bosch 9MB 2チャンネル(解除可能)
 ホイール(F/R): アルミキャストホイール 3.00×17”/4.00×17”
 タイヤ(F/R): 110/70 ZR-17/150/60 ZR-17
 チェーン: メリング 5/8×1/4"
 サイレンサー: ステンレススチール製ブライマリーサイレンサー/アルミ製セカンダリーサイレンサー
 キャスター角: 66.5°
 トレール量: 88mm
 ホイールベース: 1,340±15mm
 最低地上高: 178.5mm
 シート高: 820mm
 燃料タンク容量: 約10ℓ
 車輌重量: 約147kg(半乾燥)

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著者プロフィール

ノア セレン 近影

ノア セレン

実家のある北関東にUターンしたにもかかわらず、身軽に常磐道を行き来するバイクジャーナリスト。バイクな…