1台275万円の高級アドベンチャーツアラーは、街に、遠出に乗りやすい! |ドゥカティ・ムルティストラーダ1260S

シリーズの上級上位機種がこれ。大きくて長い立派なフォルムが印象的。太いトルクを誇る1260ccエンジンを搭載し、悠然たる乗り味が期待できる。前後に17インチホイールを採用。1260エンデューロや弟分の950Sはフロントに19インチを装着。1260S は舗装路での快適性やスポーツライクな操縦性に重点をおく仕上がりが見逃せない。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

※2019年12月04日に掲載した記事を再編集したものです。
価格や諸元、カラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

ディテール解説

ドゥカティ・ムルティストラーダ1260S
眼光鋭いフロントマスク。ヘッドランプはLED式。中央寄りの角形6眼が通常の前照灯。両端は車体がバンクした時に点灯してコーナー内側を照射するコーナリングライトだ。
ドゥカティ・ムルティストラーダ1260S
デスモドロミック可変バルブタイミング機構を持つテスタストレッタDVTエンジンを搭載。L型と呼ばれる横置き90度V型2気筒は、スマートな車体デザインに貢献する。
ドゥカティ・ムルティストラーダ1260S
右出しツインマフラーはステンレススチール製。スイングアーム・ピボット下部に大容量チャンバーを持つ。
ドゥカティ・ムルティストラーダ1260S
外からは見えないが、プログレッシブリンク機構を持つモノショック・サスペンションはフルアジャスタブル。電子制御されるDSS(ドゥカティ ・スカイフック・サスペンション)EVOが採用されている。
ドゥカティ・ムルティストラーダ1260S
リヤは左側片支持のロングスイングアーム方式。中空構造の大径アクスルシャフト採用はいかにもドゥカティらしい。φ265mmnのシングルディスク・ブレーキには、ブレンボ製2ピストンのピンスライド式油圧キャリパーを装着。
ドゥカティ・ムルティストラーダ1260S
ナックルガードの標準装備がアドベンチャーツアラーらしいポイント。ハンドルバーはテーパードパイプが使用されている。
ドゥカティ・ムルティストラーダ1260S
多彩なコントロールをするハンドル左側スイッチ。平行に並ぶグレーのシーソースイッチは左側が各種モード変更&選択スイッチ。右側はオートクルーズ用のコントロールスイッチだ。
ドゥカティ・ムルティストラーダ1260S
赤いのはエンジンキルスイッチ。その下の丸いのが始動用スタータースイッチ。最下段がイグニッションスイッチでスマートキー方式が採用されている。最上段はグリップヒーター用。
ドゥカティ・ムルティストラーダ1260S
手でつまむとロックが解除され、スクリーン高は60mmの範囲で簡単に上下調節できる。
ドゥカティ・ムルティストラーダ1260S
明瞭で見やすい5インチのTFTフルカラー液晶ディスプレイ。中央の赤表示はサイドスタンド警告。右の数字はギヤポジションを示す。その他多彩な情報表示がなされている。
ドゥカティ・ムルティストラーダ1260S
ライディングモードの表示画面。写真は通常モードと言える「ツーリング」にある事を示し、組み込めれた各種電子デバイスの設定具合がわかる。任意に設定変更もできる。
ドゥカティ・ムルティストラーダ1260S
乗車状況の簡単設定ができる画面。ハンドル左側シーソースイッチの↓を長押しすると現れる。乗車人数や荷物の具合を選択すると、電子サスペンションのセッティングが自動的に調整される。
ドゥカティ・ムルティストラーダ1260S
段差のある前後セパレートシート。フロントシートは取り付け位置が2段階に変更可能。写真は上段(820mm)設定だ。
ドゥカティ・ムルティストラーダ1260S
バッテリーは斜めに搭載され、リレー等の電装系やDSSのユニットでぎっしり。
ドゥカティ・ムルティストラーダ1260S
リヤシート下部にはETC機器(オプション)を搭載。若干のスペースが空けられている。
ドゥカティ・ムルティストラーダ1260S
写真は車体後方から眺めた所。左側には12Vアクセサリー電源(但しDIN端子)。右側にはUSB接続端子が標準装備されている。
ドゥカティ・ムルティストラーダ1260S
リヤシートから面一で後方に伸びるデザイン。キャリヤやトップケース・ベースになる他、タンデムライダー用のアシストグリップとしても活用できる。
ドゥカティ・ムルティストラーダ1260S
ステアリングまわりを取り囲むフレームマウントのハーフカウリングを装備、タンクへと繋がる膨らみが印象的。エンジン周辺からテールエンドまではスマートなデザインだ。

主要諸元

シート高:800~820mm(可変式)
軸間距離 :1,585mm
乾燥重量:212kg
車両重量:235kg
燃料消費率:5.2L/100km(19.2km/L)

原動機型式:テスタストレッタDVT
原動機種類:水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ(デスモドロミック可変バルブタイミング)
気筒数配列:L型2気筒
総排気量:1,262cc
内径×行程:106mm×71.5mm
圧縮比:13.0:1
最高出力:158ps(116kW)/9,500rpm
最大トルク:13.1kgm(128Nm)/7,500rpm
始動方式 :セルフ式

燃料タンク容量:20L(無鉛プレミアムガソリン指定)
吸気・ボッシュ製電子制御燃料噴射、φ56mm楕円スロットルボディ
排気・ステンレススチールマフラー、テルミニョーニ製カーボンファイバー・テールパイプ
点火・デュアルスパーク

1次減速比/2次減速比:1.840/2.667
クラッチ形式:湿式多板 油圧セルフサーボ/スリッパー・クラッチ機構付
変速装置/変速方式:6速
変速比:
 1速:2.466 
 2速:1.764 
 3速:1.350 
 4速:1.090 
 5速:0.958
 6速:0.880
フレーム形式:スチールパイプトレリスフレーム
キャスター/トレール:25°00′/111mm
タイヤサイズ(前/後):
 120/70 ZR17(チューブレス)/
 190/55 ZR17(チューブレス)
制動装置形式(前/後):
 油圧式ダブルディスクブレーキ(ボッシュ製コーナリングABS)
 油圧式シングルディスクブレーキ(ボッシュ製コーナリングABS)
懸架方式(前/後):テレスコピック/アルミニウム製片持ち式スイングアーム
ホイールトラベル(前/後):170mm/170mm
乗車定員 :2名

ライダープロフィール

ドゥカティ・ムルティストラーダ1260S
近田茂
元モト・ライダー誌の創刊スタッフ編集部員を経てフリーランスに。約36年の時を経てモーターファン バイクスのライターへ。ツーリングも含め、常にオーナー気分でじっくりと乗り込んだ上での記事作成に努めている。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…