125ccのフルサイズアドベンチャーって実は珍しい存在かも?SYM・NH T 125、コスパ優秀でした!

SYM(エス・ワイ・エム)は、1954年に創業した三陽工業(SANYANG MOTOR)の二輪ブランドであり、台湾国内ではキムコ、ヤマハに次ぐシェアを持つ。日本の総輸入元は2019年からモータリスト合同会社となっている。スクーターメーカーのイメージが強いが、有段ミッション車もラインナップしており、今回試乗したのは原付二種でも稀少なアドベンチャーモデル、NH T 125だ。

REPORT●大屋雄一(OYA Yuichi)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●SYMジャパン(http://www.sym-jp.com/)

ディテール解説

124.1ccの空冷4ストSOHC2バルブ単気筒は、CT125ハンターカブの8.8psを上回る10.9psを公称。ハンドクラッチ付きの5段ミッションを採用し、燃料タンクは11ℓとかなり多めだ。
ネイキッドモデルのNH X 125と共通デザインのダウンマフラーを採用。ヨーロッパの排ガス規制ユーロ5をクリアしている。耳に届く排気音はシングルらしい歯切れのいいものだ。

セミブロックパターンの標準装着タイヤはCST製で、1名乗車時の指定空気圧はフロント1.75kg/cm2、リヤ2.0kg/cm2だ。フロントキャリパーはピンスライド片押し式2ピストン。
CT125・ハンターカブがフロントのみなのに対し、リヤにもABSを採用しているのは立派。リヤサスはリンクレスのモノショックで、調整機構はなし。センタースタンドを標準装備。
灯火類は全てLEDを採用。ヘッドライトは上段がロービーム。ハイで上下とも点灯する。
テールランプも上下2段とされる。ウインカーも含めてコンパクトだが被視認性は良好。
バーグラフ式のタコメーターと燃料計、ギヤ段数、時計など、多機能なメーターパネル。
NH T 200がグラブバーのみなのに対し、125はリヤキャリア(最大5kgまで)を標準装備。

SYM NH T 125主要諸元

全長 2068±20mm
全幅 860±10mm
全高 1195±20mm
シート高 810mm
軸距(ホイールベース) 1405±20mm
車両重量 150±6kg
エンジン形式 空冷4ストローク、2バルブ、単気筒
ボア×ストローク φ56.5×49.5mm
燃料 無鉛ガソリン
圧縮率 10.1±0.2:1
最大出力 8kw(10.9ps)/9000rpm
最大トルク 9.3N.m/7500rpm
燃費 40km/ℓ
始動方式 エレクトリカルスターター
フロントショックアブソーバー テレスコピックフォーク
クラッチタイプ 湿式多板ディスククラッチ
変速機形式 5段階変速
ギア比 I:2.769、Ⅱ:1.882、Ⅲ:1.273、Ⅳ:1.13、Ⅴ:0.96
フロントタイヤ 100/90-19 57S
リアタイヤ 130/80-17 65S
タイヤ空気圧 フロント:標準時 1.75kg/cm2
       リア:標準時 2.0kg/cm2(1名乗車時)、2.25kg/cm2(2名乗車時)
フロントブレーキ ディスク式 (直径288mm)
リアブレーキ ディスク式 (直径222mm)
ヘッドライト ディープ /メインビーム 13.5V 25W/14W
ポジションランプ 12V 1.5W
テールライト/ブレーキライト 13.5V 2.5W/5.5W
ターンシグナルライト 13.5V 1.8W×2/13.5V 1.8W×2
エンジンオイル容量 1.2ℓ(交換時1ℓ)
燃料タンク容量 11±0.5ℓ
ヒューズ 15A×2&20A×1&25A×1
スパークプラグ DPR8EA-9
バッテリー容量 12V/6Ah

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著者プロフィール

大屋雄一 近影

大屋雄一

短大卒業と同時に二輪雑誌業界へ飛び込んで早30年以上。1996年にフリーランス宣言をしたモーターサイクル…