過激さナシの、落ち着いたクルーザー。いかにもアメリカンなオーラが漂う|インディアン・Scout Rogue試乗記

アメリカンブランドのパイオニアとして古くからの歴史を誇るインディアン。現在5種のカテゴリーに分けられた23機種に加えてプレミアムな装備を施すEliteの2機種をラインアップ。同ブランドを象徴し、かつ比較的ポピュラーな存在と言えるのが今回試乗したScoutだ。その中で上級に位置する同Rogueにはクォーターフェアリングが標準装備されている。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●ポラリス ジャパン株式会社 / 日本自動車輸入組合(JAIA)

ディテール解説

ステアリングマウントのミニカウルが標準装備されている。オーソドックスな丸形ヘッドランプも懐かしい。

19インチサイズ。8本スポークのキャストホイール左側にシングルディスクブレーキを装備。フローティングマウントされたローターサイズはφ298mm。油圧キャリパーは2ピストンのピンスライド式。

60度V型横置きの2気筒、水冷のDOHCエンジンは1133ccで95psを発揮。前後シリンダーに挟まれた左側位置にイグニッションキースイッチがある。

ストレートブラックの円筒形マフラーを縦に重ねられたデザインが個性的。意外と高い位置にマウントされている。装着タイヤはメッツラー製CRUISETEC。

前方に寝かされて装着されたツインショックのスイングアーム式サスペンション。ホイールトラベルは51mm。

左側の駆動はベルト式。右側の制動はシングルディスク式。フローティングローターは前ブレーキと同じだが、ピンスライド式の油圧キャリパーは1ピストン式。

どこか懐かしさが漂うハンドルまわり。ブラックパイプバータイプのアップハンドルと丸形シングルメーターを装備。スピードメーターはアナログ式だ。ハンドルバーエンドにマウントされたダウンミラーが個性的。

左側スイッチは、下から順にホーン、ウインカー兼ハザード、そしてディマースイッチが並ぶ。
右側のハンドルスイッチはシンプルにふたつ。上の赤いのがエンジンキルスイッチ。下の黒いのが始動用のセルスターターだ。

ハンドルブラケットの手前にマウントされた丸型のアナログ式シングルメーター。液晶表示も装備されている。

丁寧にステッチの入れられた美しい仕上げのスポーツスタイルシート。座り心地に落ち着きがある。

ショートカットされたリアフェンダーを装備。クリアレンズの左右ウインカーがテール&ストップランプを兼ねている。

マフラーの長さが印象的。前方寄りのステップ位置も特徴。

主要諸元

エンジン形式:水冷60度V型2気筒
バルブ形式:DOHC 気筒当り4バルブ
排気量(㎠):1133
ボア・ストローク(mm):99.0×73.6
圧縮比:10.7:1
最大トルク(Nm/rpm):97/5,600
吸気システム:クローズドループ電子制御燃料噴射式(スロットルボアφ60mm)
エグゾーストシステム:スプリットデュアルエキゾースト
潤滑方式:セミドライサンプ
潤滑油量(L):4.25
始動方式:セルフ式
バッテリー容量:12V13Ah(245 ADF)

駆動方式:ベルトドライブ式
クラッチ:湿式多板式
トランスミッション:6速
一次減速比:1,674
二次減速比:2,357
ギヤ比:(全体)
 1速:2.769(10,926)
 2速:1.882(7,427)
 3速:1.500(5,918)
 4速:1.273(5,022)
 5速:1,125(4,439)
 6速:0.996(3,810)

スイングアーム:スチール製
ホイール(前/後):キャストブラック19x3.5インチ /16x3.5インチ
タイヤ(前/後):Metzeler製Cruisetec 130/60B-19(61H) /150/80R-16(77H)
サスペンション(前/後):テレスコピック式φ41mm/ デュアルショック
ホイールトラベル(前/後mm):120/51
ブレーキ(前/後):φ298mmシングルディスク/φ298mmシングルディスク

全長(mm):2,274
全幅(mm):995
全高(mm):1,181
シート高(mm):649
ホイールベース(mm):1,576
最低地上高(mm):129
バンク角(度):29
キャスター(度):29
トレール:(mm):120
乾燥重量(kg):241
装備重量(kg):250
燃料タンク容量(L):12,5(含む予備1,9 L)

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…