前二輪、屋根付き、電動。国内電動バイクメーカー・アイディア3輪「AA-1」。

日本の電動バイクメーカー「aidea(アイディア)」が製造・発売する、屋根付きの3輪EVバイク「AAカーゴ」シリーズは、日本郵便、マクドナルド、ドミノピザ等々も配達用として採用。東京モーターサイクルショー2022では、AAカーゴとともに、2輪車の楽しさと手軽さ&4輪車の安全性と快適性を備えたコンセプトモデル「AA-1」も展示。発売時期や価格は未定。
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)/北 秀昭(KITA Hideaki)
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
aidea(アイディア) https://aidea.net/

アイディア AA-1……開発中/発売時期未定

安定した走行を実現する、フロント2輪&リア1輪を採用。

 アイディアは東京モーターショー2019で誕生した日本の電動バイクメーカー。再生可能エネルギーを活用した、走行時にCO2を排出しないZEV(ゼロエミッションビークル)を実現。地球環境に関する課題を解決し、社会に貢献することを目指している。

 アイディアのルーツは、1996年に創設されたイタリアのアディバ(ADIVA)というバイクメーカー。アディバは開閉式ルーフ、大型リアボックス、オーディオシステムなどを装備したスクーター「ベネリ アディバ150」をリリース。既存の常識にとらわれることのない独自の発想と技術により、移動を喜びに変える先進的なプロダクトを開発し続けてきた。

 アイディアはアディバが掲げていた企業理念を引き継ぎ、既存の常識を超えた価値感を創造。効率的なエネルギーの活用を追求することで、新しいライフスタイルやビジネスシーンの構築を提案。

 アイディアの各モデルは、イタリア・ローマのaideaデザインセンターで設計し、神奈川県相模原市の自社工場で厳しい品質管理のもとに生産するなど、イタリアンデザインとジャパンクオリティを両立。2020年に発売した電動3輪バイク「AAカーゴ」は、環境性能の高さや3輪ならではの走行安定性が認められ、日本マクドナルド、日本郵便、ドミノピザ、DHLジャパンなど、大手企業にも導入済みだ。

 同社のAAカーゴは、コロナ禍やECの伸長に起因する「宅配需要の急増」という時代のニーズにいち早く対応したことでも高く評価。日本経済新聞社が主催する「2020年日経優秀製品・サービス賞」の最優秀賞を受賞した。

「AA-1」は2輪の楽しさと4輪の安定感を両立したEVバイク

ワイパー付きの大型フロントスクリーンに加え、開閉式のルーフ、大型のリアボックスを採用。
前2輪のホイールは、通常のバイクと同じく、コーナリング時に運転席やフロント周りが傾斜するシステムを導入。
フロントのサスペンション部分。

 写真のAA-1は、フロント2輪&リア1輪を採用。コーナリングやブレーキング時の安定性向上、悪路や段差における乗り心地の向上など、多くのメリットを獲得しているのがポイント。また、ワイパー付きの大型フロントスクリーンに加え、開閉式のルーフ、大型のリアボックスを搭載し、優れた実用性も実現している。

 車体サイズは全長2061mm×全幅670mm×全高1680mm。バッテリーはリチウムイオン5.4kWh 133V。ブラシレスDCモーターを導入し、定格出力は1.0kW、最高出力は6.0kWを発揮する。

 2輪のフロントサスペンションは、プリロード調整機能付きシングルショックを採用。通常のバイクと同様、コーナリング時には座席やハンドル、フロント周りも傾斜(バンク)するのが特徴。

 充電方法は200Vで、フル充電時の航続距離は108km(同社計測)。充電時間は通常の交流が2時間、休息の直流が20分。充電接続箇所はヘッドライト上のカウル内に配置されている。リア部には容量70Lの大型トランクを装備し、積載性も極めて良好だ。

AA-1の細部をチェック

ワイパー付きの大型フロントスクリーンに加え、開閉式のルーフを採用。
シンプルでスッキリとしたハンドル周り。
シャープなイメージのフロントマスク。
制動力の高いディスクブレーキ、スイングアーム、ツインショックを組み合わせたリアの足周り。

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