改良点多数の新型クロスカブ110試乗インプレ|装備面ではCT125・ハンターカブを上回る部分も!

スーパーカブ110と同様に、アウトドアスタイルのクロスカブ110(くまモンバージョンを含む)も、最新の令和2年排出ガス規制に対応するため、よりロングストロークとした新型エンジンを搭載した。また足回りについても、前後キャストホイール&チューブレスタイヤ、フロントディスクブレーキ&ABSを導入している。さらに新型メーターは兄貴分のCT125・ハンターカブを上回る多機能ぶりであり、これは売れる予感大だ。

REPORT●大屋雄一(OYA Yuichi)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

ディテール解説

伝統の空冷SOHC2バルブ単気筒エンジンは、ボア×ストロークをφ50.0×55.6mmからφ47.0×63.1mmへと、よりロングストロークなボアスト比に。さらに圧縮比を9:1から10:1へと高めている点にも注目を。
停止時のみトップ4速からニュートラルへシフトできる4段ロータリー式ミッション。1次減速比と4段ミッションの各変速比は変更されているが、総減速比は旧型とほぼ同じ。なお、ステップは可倒式だ。
フロントキャリパーはスーパーカブ110がシングルピストンなのに対し、クロスカブ110は2ピストンを採用。さらにフロントタイヤの幅はスーパーカブ110に対して1サイズ太い。
スイングアームに可倒式のタンデムステップが追加されたのは2代目からで、これによって乗車定員が1名から2名へ。新型もこれを継続する。リヤブレーキはドラム式のままだ。
丸型LEDヘッドライトやフィラメント球採用のウインカーなどは先代から継続。なお、ヘッドライトガードは荷物の積載を想定していないようで、取扱説明書には一切の説明なし。
リフレクター別体式のシンプルなテールランプやリヤウインカーは昔ながらのフィラメント球。灯火類の法規制に対応した2020年モデル以降のパーツを引き続き採用している。
スーパーカブ110と同様に、ギヤポジションを常時表示する液晶画面をついに獲得した。
ラゲッジキャリアは引き続きブラックを採用。取扱説明書には積載重量に関する記載なし。
スーパーカブ110よりも肉厚なシート。加えてサスストロークが長いこともあり、シート高はスーパーカブ110比で46mm高い。
スイッチ類は従来型から変更なし。なお、グリップの形状はスーパーカブ110とは異なり、こちらの方がやや太く感じられた。

クロスカブ110(2022年モデル)主要諸元

車名・型式 ホンダ・8BJ-JA60
全長(mm) 1,935
全幅(mm) 795
全高(mm) 1,110
軸距(mm) 1,230
最低地上高(mm) 163
シート高(mm) 784
車両重量(kg) 107
乗車定員(人) 2
燃料消費率(km/L)
 国土交通省届出値:定地燃費値(km/h) 67.0(60)〈2名乗車時〉
 WMTCモード値 67.9(クラス 1)〈1名乗車時〉
最小回転半径(m) 2.0
エンジン型式 JA59E
エンジン種類 空冷4ストロークOHC単気筒
総排気量(cm³) 109
内径×行程(mm) 47.0×63.1
圧縮比 10.0
最高出力(kW[PS]/rpm) 5.9[8.0]/7,500
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 8.8[0.90]/5,500
燃料供給装置形式 電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
始動方式 セルフ式(キック式併設)
点火装置形式 フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式 圧送飛沫併用式
燃料タンク容量(L) 4.1
クラッチ形式 湿式多板ダイヤフラムスプリング式
変速機形式 常時噛合式4段リターン
変速比
 1速 3.142
 2速 1.833
 3速 1.333
 4速 1.071
減速比(1次/2次) 3.421/2.642
キャスター角(度) 27°00´
トレール量(mm) 78
タイヤ
 前 80/90-17M/C 44P
 後 80/90-17M/C 44P
ブレーキ形式
 前 油圧式ディスク(ABS)
 後 機械式リーディング・トレーリング
懸架方式
 前 テレスコピック式
 後 スイングアーム式
フレーム形式 バックボーン

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著者プロフィール

大屋雄一 近影

大屋雄一

短大卒業と同時に二輪雑誌業界へ飛び込んで早30年以上。1996年にフリーランス宣言をしたモーターサイクル…