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草はアンダーコントロールです?
不定期更新のため、過去記事もあわせて読んでいただければ幸いですが、この「休耕地スクランブル」は人生の色んな責任が肩にのしかかって若いころのように存分にバイク遊びに没頭できていないアラフォー世代(の田舎在住者)に提案する、家からすぐの私設コースを作ろう、のコーナーです。
僕は家のすぐ近くにイッタンブ(300坪)の休耕地を見つけ、これを「自由に使っていいよ」ということで一生懸命草を刈り、グルグル走れるダートオーバルコースを作った(というか同じところをグルグル走ってたらそれが勝手にコースになった)のでした。ところが何が大変って草の管理! とにかく田舎は草がボーボー生えるのです! 刈っても刈ってもキリがなく、前回はヤギを投入した話を書きましたね。ところがこのヤギがね、食べる草の種類を選り好みしやがって、思いのほか食べてくれないのは誤算でした。
そこで新たに投入したのがこの乗用型草刈り機! フォレストガンプ的な、アレです。中古で18万円……コストのかからないバイク遊びのはずが、ずいぶんな投資をしてしまいました。
I Have A Honda!
乗用型草刈り機と言えば、ホームセンターで売ってる「Hey! まさお」が有名でしょう。栗畑の下草を刈ったりするのに活用される有名ブランドですが、僕が入手したのはホンダ製の、これは草刈りというよりは芝刈りだろうな。ゴルフ場みたいなところを刈るものだと思います。まだシノ竹も生えてるような、そして決して平たんでもなく、さらには小枝だけでなく小石なども落ちてるこの休耕地コースにおいて、果たしてこの芝刈り機が役に立つのだろうかとも思ったものの、買う際の試運転では腹下で大きなブレードが力強く回っているのを見て、これなら大体の草はなぎ倒してくれるだろうとの判断でした。
チェーンソーや刈払い機、発電機など田舎生活を維持するための一通りの機具は持っているけれど、乗用型草刈り機については全くの素人。さてこのモデルはどんな仕様かと調べると、OHVの337ccだそう。走るとものすごいトルク! とてもローギアードということもあって進めない道はないほど。アクセル開度は一定で、登り坂になったり硬いシノ竹にあたってエンジンに負荷がかかるとガバナーが働いてグングン仕事をこなす。これはイイものを買った。HONDAの文字も誇らしく、これでイッタンブはいとも簡単に管理下に置くことができました。
また刈るのが簡単だからしょっちゅう刈るでしょう? そうするとただの雑草も刈り込まれて芝生みたいになり、ステキな草原が広がってきました。ボーボーの見捨てられた休耕地とは雲泥の差です。バイクでグルグル走り回るのがもったいないほど! 本末転倒ですな。
ヤギとの軋轢
さて、「ジェニーちゃん」と名付けられたこの乗用草刈り機に対し、先行投入されていた草刈り要員、ヤギの「マリー・ルー」の反応と言えば……。なんと、刈った後の草を食べてやがるんです!! 違う違う! そもそもおまえさんが草をむしって食べる役目なんだよ! と突っ込みたくなりますが、マリーは「あ、刈ってくれるの。ありがとさん」と言わんばかりに、刈られた草を満喫してます。よって軋轢はありません(笑) ただ340ccシングルのエンジン音と、ブレードがガインガイン回る音はあまり好きではないようで、近くには来ませんね。
確かに音はけっこう大きくて、僕は最近はヘッドホンで音楽を聴きながら乗ってます。あまり楽しいから休耕地だけではなく自宅の周り、さらには近くの道路の左右まで刈ってるのですが、音楽を聴きながらノリノリで草刈りというのはなかなか楽しいものです。
カブ増殖中
前回、このコース用に入手したカブに色を塗りました。ホームセンターでたまたま手に入れたオレンジのペンキを刷毛でダイナミックに塗ってみたら、下地の緑に影響されてか山吹色になって、それはそれで渋いのです。加えてゼッケンプレートも付けました。ヘッドライトがあった場所の中は配線が見えちゃってますから、ココをゼッケンで隠そうというわけですね。さらにはダートトラックらしく車体右側にもゼッケンをつけました。ナンバーは「5」。コーリン・エドワーズへのトリビュートと、ヨハン・ザルコに頑張って欲しいという気持ちです。
さて、そもそものコンセプトとして、カブだったら誰でも乗れて楽しいじゃないか、というのがあったのですが、一台だけじゃあ追いかけっこができない。かといってダートラ仕様のカブを持ってる人がそういるわけではないため、我が家のカブを交配して、もとい、カブ集めてます!と公言することで、カブを集めてきたわけです。
新たに我が休耕地コースに加わったのはイコールコンディションのために50ccのカブが2台。やはりペンキで適当に塗りました。そして今回ゼッケンも付けましたよ。うちのお手伝いさん(あまりバイクのことわかってない)が「8と27が良いな」と脈絡なく言ったのでそうなりました。27は言わずと知れたケーシー・ストーナーでしょう! たまたま選んだ数字でケーシーが出てきて嬉しくなりました。8は……そうだな、マン島のガイ・マーチンかな? ま、末広がりな数字で良いでしょう。フォントも適当にカッコ良さそうなのを選んで、カッティングシートで作りました。おお! 雰囲気出ますな!
サスペンションは馬鹿にできない
ダートトラックという競技についてはまるで知識がないのだけど、休耕地をぐるぐる走り回るだけならスライドは積極的に起こした方が楽しいわけで、じゃあリアサスをリジットにしてみたらどうだろう、と思い立ちました。
ということで鉄パイプの両端をを潰して穴をあけるだけという超シンプルなリジットサスを制作。さっそく試運転です。しかしこれ、ダメっス! 走り出しは「しょせんカブよ。サスなんてあってもなくても」なんて思ってましたが、ペースが上がってくるとリジット仕様はなかなかシビア。スライドのコントロールが困難ですぐに転ぶし、コース上にデコボコも多少はあるため跳ねてしょうがない。純正のあんなバネバネしいサスでも、やっぱり大切な役割を担ってるんだなぁ、なんて再認識しすぐに元に戻しました。ホンダさんすみません。反省。
イッタンブがニタンブ、サンタンブ……そしてヨンタンブへ???
僕が使ってる休耕地イッタンブ(300坪)の隣に、実はこれまた別の地主さんの休耕地が広がっていたんです。その広さニタンブ(600坪)。さらにその奥にまた別の地主さんがもうイッタンブ持ってました。これらお隣の休耕地はもう、管理する人がおらずボーボー。ということで「ボーボーだとアレですから、刈っても良いですか?」と聞きに行きました。そうしたら手前のニタンブの地主さんは「もちろん! こっちは管理しきれないから、好きにしていいよ」とのお言葉。すぐに「バイクで走るコースにしていいですか」とは言わなかったものの、「じゃあ刈っておいて、なんか、好きに使って良いすかねえ」なんて曖昧に言ったら「イイよイイよ」と二つ返事。しめしめ。
さすがに一発目から「バイクでグルグルさせてよ」とは言えなかったけど、僕が隣の休耕地を綺麗に管理しているのを知っているわけだから、じゃあうちの所もキレイにしてくれるんならありがたい、といった感覚でしょう。1年ぐらいちゃんと管理して、ジェニーちゃんの力でしっかり草原化できたら、その時に「カブで走り回っても良い?」と改めて聞いてみようと思います。
その奥のもうイッタンブの地主さんはもうツーカー。「草刈ってくれんならバイクで走ろうが何しようが好きにして良し!」とお墨付き。ということはナニ? 今のイッタンブに加えてもうサンタンブ? 合計ヨンタンブかよ!! 1200坪ですか……さすがに管理が大変だけれども、カブのグルグルダートラどころかちょっとしたモトクロスコースができちゃうじゃん。というかもう、キャンプサイトとか運営しちゃう!?!? よーし、ジェニーちゃんに頑張ってもらわねば!
あとは業界カブ合戦でミッション終了でしょう
スポーツとしてバイクを楽しみたい、しかしサーキットやモトクロスコース走行をしに行くには時間もコストもかかるし、ケガだって怖い。というジレンマを抱え、バイクから遠ざかりそうなアラフォーに提案してきた、休耕地を管理してその代わりに私設コースとして楽しんじゃおうじゃないかという「休耕地スクランブル」連載もここでひと段落でしょう。
当初のイッタンブはしっかりコースとして管理下に置けたし、競技車両も無理のない範囲で3台が用意できました。たまに仲間が集まり、3台で追いかけっこしてバーベキューを楽しんだりもしています。ビバ田舎生活。
この先はさらなるサンタンブの開拓が続くわけですが、あとはこの体制をどう持続していくかでしょう。流行りのSDGsですね。持続可能なバイク遊びです。仕上げに当サイト「モーターファン」のスタッフを集め、みんなでグルグルごっこ&BBQができれば最高、その時はまたレポートいたしますね。ということでひとまず休耕地スクランブル、完成ということで! お付き合いありがとうございました。