旧車ブームの昨今、カワサキZ1はお宝モデルのキングとして君臨。程度の良い車両は、数百万円で取り引きされるなど、その価値は現在も大幅に上昇中だ。

 Z1(ゼットワン)の正式名称は、「Z900スーパー4」。Z1は1972年(昭和47年)から1976年(昭和51年)にかけ、ヨーロッパ及び北米市場向けに製造販売された輸出専用モデル。

カワサキZ1(ゼットワン)。正式名称は「Z900スーパー4」。
写真は「火の玉カラー」と呼ばれるカラーリング。

 Z1は発売当初から、海外で爆発的ヒット。当然、「日本での発売を!」というユーザーの声も上がったが、当時の日本国内では、自主規制により750ccオーバーのバイクは販売禁止。国内でZ1に乗るには、「逆輸入」という方法しかなかった(とはいえ、当時の逆輸入車は為替レートや関税の関係もあり、非常に高額だったため、庶民には高根の花だった)。

 そのため1973年(昭和48年)から1978年(昭和53年)、「国内版の750cc版」として、通称“Z2(ゼッツー)”と呼ばれる「Z750RS(型式Z2)」が発売された。そのような経緯から、絶版から40年以上たった今でも、Z1は多くのユーザーからリスペクトされ、「Z2よりも数ランク上」の存在として高い人気を誇っている。

 そんなZ1も、2022年で誕生から半世紀が経過。たとえ屋内で大事に保管していても、車体の各部は経年劣化によるダメージが否応なく蓄積され、性能・美観とも少しずつ損なわれていく。また、年式が古くなるほど、中古車のタマ数は少なくなり、中古パーツの入手は困難。メーカーもパーツの生産を終了してしまう。

 そんな旧車にとっての助け舟となるのが、発売当時と変わらぬ性能やフォルムを、限りなくキープしてくれるリプレイスパーツ群。写真は車体すべてを一度分解。純正フレームはブラスト処理後、硬質焼付けウレタン塗装。ノーマル903ccから930ccに排気量アップしたエンジンは、オーバーホール後に再塗装。純正キャブレターや純正フロントフォークなどもすべてオーバーホール済み。

 ガソリンタンク・リアフェンダー・サイドカウルなどの外装類(外装4点セット)、シート、ステップ、4本出しマフラー、スイングアーム、リアショック、ブレーキ周り、電装類、灯火類、ハンドル周りはRMC製(一部他社製)を採用。また前後ホイールはDID製クロームメッキリム+PMC製メッキスポークを組み合わせ、発売当時の美しいZ1を見事に復活させている。

 写真のZ1は、フロントのWディスク化やエンジンガードの装着など、発売当時の定番だったカスタム手法も導入済みだ。

RMC カワサキZ1 装着パーツ一覧

エンジン(930cc)フルオーバーホール
バルブ・バルブガイド・アイドラーなど
消耗部品は新品リプロパーツを使用
PMC 930cc キャスティングピストン1.0mmオーバーサイズ
PMC コンプリートガスケットセット
クラッチPMC J系クラッチコンバートキット
DRAFT イージークラッチキット
エキゾーストPMC 4本マフラー
キャブレター純正キャブレター オーバーホール
フレームブラスト処理後、硬質焼付けウレタン塗装
スイングアームPMC 丸鉄スイングアーム
フロントフォーク純正フルオーバーホール
リアショックPMC STDタイプ リアショック
フロントホイールDID クロームメッキリム 1.85-19
PMC ユニクロメッキ スポーク 1.85-19
リアホイールDID クロームメッキリム 2.15-18
PMC ユニクロメッキ スポーク 1.85-19
フロントブレーキPMC STDローター
PMC Wディスク用マスターシリンダー
PMC STDキャリパー右
PMC STDキャリパー左
PMC 4wayジョイント
リアブレーキリビルト・純正ドラムブレーキ
ハンドルPMC STDハンドル
PMC ディマースイッチ右
PMC ディマースイッチ左
PMC ハンドルグリップ
PMC アルミスロットルパイプ
ステップPMC フロントステップASSY
PMC リアステップASSY
外装PMC ’74 Z1A オレンジタイガー(ガソリンタンク・リアフェンダー・左右サイドカウル)
シートPMC 初期型タイプシートコンプリート
点火系PMC 強化型イグニッションコイル
PMC ポイントASSY
灯火系BrighteC ヘッドライトセット
PMC Z2ウインカー
PMC Z2テールランプ
電装系PMC 強化メインハーネス4点セット
PMC メインスイッチ&ロックセット
PMC MFバッテリー対応ICレギュレター
駆動系PMC×SUNSTAR 630ドライブスプロケット 15T
PMC×SUNSTAR 630ドリブンスプロケット 35T
EKチェーン シールチェーン 630-100L

カワサキZ1(Z900スーパー4) 主要諸元

全長x全幅x全高2200mm x 865mm x 1170mm
ホイールベース1490mm
シート高815mm
排気量903cc(746cc)
エンジン形式空冷4ストローク直列4気筒DOHC 2バルブ
内径x行程66mm x 66mm(64mm x 58mm)
圧縮比8.5:1(9.0:1)
最高出力82ps/8500rpm(69ps/9000rpm)
最大トルク7.5kg-m/7000rpm(5.9kg-m/8500rpm)
始動方式セル・キック併用
変速機前進5速(リターン式)
サスペンション前 テレスコピック式
後 スイングアーム式
ブレーキ前 シングルディスクブレーキ
後 ドラム
タイヤサイズ前 3.25-19インチ
後 4.00-18インチ
最高速度200km/h
乗車定員2人
燃料タンク容量18L
※カッコ内はZ2
ナニが凄いの?カワサキZ1/2、そのキーワードは「カワサキ初の4スト」。|旧車探訪記2-1|Motor-Fan Bikes[モータファンバイクス]

量産初の並列4気筒車という称号はホンダCB750フォアに譲ったものの、カワサキが1967年から本格的な開発に着手し、1973年に発売を開始したZ1/2は、世界中で爆発的なヒットモデルになった。もっとも、当時のカワサキは2ストを得意とするメーカーで、4ストに関する実績はほとんどなかったのだが、同社が初めて開発した4スト並列4気筒車は、当時の大排気量車の基準を大幅に上回る、圧倒的な動力性能を備えていたのだ。REPORT●中村友彦(NAKAMURA Tomohiko)PHOTO●富樫秀明(TOGASHI Hideaki)取材協力●リアライズ ☎042-686-2504 http://mytec-realize.com/

https://car.motor-fan.jp/article/10014851
東京モーターサイクルショー会場で見つけたお宝、絶版バイク一挙! カワサキZ1/ホンダCB400FOUR/ホンダドリームCB750FOUR-K0/ホンダRC162|Motor-Fan Bikes[モータファンバイクス]

東京モーターサイクルショー2019には、超お宝ビンテージモデルとして知られる車両も登場。カワサキZ1、ホンダCB400FOUR、ホンダドリームCB750FOUR-K0、1961年の世界GPで活躍したホンダRC162をご紹介しよう。PHOTO/REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

https://car.motor-fan.jp/article/10008866
25万3000円は買い !? カワサキ Z1&Z2の再生産シリンダーヘッド【東京モーターショー2019】|Motor-Fan Bikes[モータファンバイクス]

「第46回東京モーターショー2019」のカワサキブースでは、再生産をする「Z1&Z2再生産シリンダーヘッド」の実物(黒と銀)が世界初公開。価格や発売時期なども発表された。まずはその精巧な仕上がりを見てチョーダイ!PHOTO/REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

https://car.motor-fan.jp/article/10012147