【ヤマハMT-10 SP試乗】例えるならば筋肉ムキムキ野郎。それくらいパワーがスゴイ!

2015年のEICMA(ミラノショー)でデビューし、2017年3月10日に国内投入されたMT-10と同SP。ネイキッドモデルの最高峰という位置付けで、YZF-R1をベースに文字通りカウルを剥ぎ取った、極めてエキサイティングなモデルである。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

※2019年08月07日に掲載した記事を再編集したものです。
価格や諸元、カラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

ディテール解説

ヤマハ・MT-10 SP
ギョロリと前方を睨むデュアルヘッドランプはLED式。イカツイ個性的なネイキッドデザインを披露している。
ヤマハ・MT-10 SP
フローティング式のφ320mmのダブルディスクローターには4ポットの対向ピストンキャリパーをラジアルマウント。専用開発されたタイヤはブリヂストン製ハイパースポーツS20Fを履く。
ヤマハ・MT-10 SP
φ43mmの倒立式フロントフォークを採用。標準はKYB製、写真のSPにはオーリンズ製の電子制御式サスペンションが採用されている。
ヤマハ・MT-10 SP
YZF-R1譲りのクロスプレーン型(位相)クランクを持つ水冷DOHC16バルブの直列4気筒エンジンを搭載。パンチの効いた凄みのある動力性能を発揮する。
ヤマハ・MT-10 SP
シフトアップをサポートしてくれるQSS(クィック・シフト・システム)を標準装備。クラッチレスのシフトアップ操作を可能とする。ステップステー等、各装着部品の仕上がり具合は上質である。
ヤマハ・MT-10 SP
オーリンズ製の電子制御式リヤサスペンションを装備。
ヤマハ・MT-10 SP
リヤアームはバフ掛けされて綺麗に仕上げられている。4本のエキゾーストパイプは車体下で集合し、右出しアップマフラーへ。φ220mmのシングルディスクローターには、1ピストンピンスライド式油圧キャリパーを組み合わせる。
ヤマハ・MT-10 SP
フラットに近いテーパードパイプバーハンドルを装備。舵角は少なめだ。
ヤマハ・MT-10 SP
多彩なスイッチがレイアウトされた左側。クルーズコントロールも標準装備。ホーンスイッチはベストポジションにある。
ヤマハ・MT-10 SP
赤いエンジンキル&スタータースイッチ。右下の黒いのは、ダイヤル式スイッチ。メニューを選択して押す事で決定できる。
ヤマハ・MT-10 SP
SPならではの装備のひとつ。専用フルカラーTFT液晶メーターが奢られている。標準のモノクロ液晶LCDメーターより昼夜ともに明瞭である。
ヤマハ・MT-10 SP
メーターディスプレイにメニュー画面を出すと、各種電子デバイスの組合せが、オーナーの好みにプリセットできる。
ヤマハ・MT-10 SP
少し段差のついた一体構造のダブルシート。スエード調の表皮が採用されていて、グリップの良い感触だ。
ヤマハ・MT-10 SP
リヤフレームはスチールパイプ製。強度等についてはパニアの装備等、ツーリング用途も考慮してデザインされている。
ヤマハ・MT-10 SP
シンプルなフィニッシュを見せるテールまわり。シートエンドにセットされるテール&ストップとライセンスホルダー側にマウントされたウインカーともにLED式ランプが採用されている。
ヤマハ・MT-10 SP
タンク両サイド、ちょうどハンドルバーの下側に前方に張り出す黒いエアインテークデザインが印象的。全体にガッチリとマッシブなフォルムである。

主要諸元

MT-10/MT-10SP
認定型式/原動機打刻型式:2BL-RN50J/N533E
全長/全幅/全高:2,095mm/800mm/1,110mm
シート高:825mm
軸間距離:1,400mm
最低地上高:130mm
車両重量:212kg
燃料消費率*1:
 国土交通省届出値・定地燃費値*2…23.4km/L(60km/h)2名乗車時
 WMTCモード値 *3…14.0km/L(クラス3, サブクラス3-2)1名乗車時
原動機種類:水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ
気筒数配列:直列, 4気筒
総排気量:997cm3
内径×行程:79.0mm×50.9mm
圧縮比:12.0:1
最高出力:118kW(160PS)/11,500r/min
最大トルク:111N・m(11.3kgf・m)/9,000r/min
始動方式:セルフ式
潤滑方式:ウェットサンプ
エンジンオイル容量:4.90L
燃料タンク容量:17L(無鉛プレミアムガソリン指定)
吸気・燃料装置/燃料供給方式:フューエルインジェクション
点火方式:TCI(トランジスタ式)
バッテリー容量/型式:12V, 8.6Ah(10HR)/YTZ10S
1次減速比/2次減速比:1.634/2.687
クラッチ形式:湿式, 多板
変速装置/変速方式:常時噛合式6速/リターン式
変速比:
 1速:2.600 
 2速:2.176 
 3速:1.842 
 4速:1.578 
 5速:1.380 
 6速:1.250
フレーム形式:ダイヤモンド
キャスター/トレール:24°00′/102mm
タイヤサイズ(前/後):
 120/70ZR17M/C (58W)(チューブレス)/
 190/55ZR17M/C (75W)(チューブレス)
制動装置形式(前/後):油圧式ダブルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ懸架方式(前/後):テレスコピック/スイングアーム(リンク式)
ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ:LED/LED×2
乗車定員:2名

ライダー・プロフィール

ヤマハ・MT-10 SP
近田茂

元モト・ライダー誌の創刊スタッフ編集部員を経てフリーランスに。約36年の時を経てモーターファンJPのライターへ。ツーリングも含め、常にオーナー気分でじっくりと乗り込んだ上での記事作成に努めている。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…