目次
ホンダ・ジョルノ・・・・・・194,400円
ホンダ・ジョルノ・デラックス・・・・・・199,800円
ホンダ・ジョルノ・くまモン バージョン・・・・・・203,040円
オシャレに敏感な若いライダー御用達
ジョルノの名前を聞いて思わず「懐かしい」と思ったライダーは昭和生まれ確定でしょう(笑) 現行のジョルノは2011年1月発売の初代に続き、2015年10月水冷4ストエンジン「eSP」を搭載した2代目で第2世代となる。第1世代の初代は「ホンダジョルノ」の名前で1992年3月に登場した。その第1世代が登場した時、筆者は25歳だったが、仲間内との会話で、これベスパだよね、と語り合ったものである。名前もイタリア語の「ボン・ジョルノ(こんにちは)」からネーミングされていたので、似ていても、さもありなん、と思った。
この第1世代のジョルノには、スーパーカブのエンジンを積んだギア付きの「ジョルカブ」や、量産二輪車世界初のアイドルストップ・システムを採用した「ジョルノクレア・デラックス」などの派生モデルがあったことで、今でもマニアの間で高い人気を誇っているという。
第2世代のジョルノは、ファットでオシャレなデザインとなり、もうベスパだよね、とは言えない独自のデザインとなった。若い女性のお買い物バイク、といった印象で、カラフルで豊富なカラーバリエーションをラインナップしていたことも覚えている。2015年のモデルチェンジでは、生産拠点を中国から熊本製作所に移管し、より丸みを帯びたデザインとなってオシャレコミューターのポジションを不動のものとした。
機械式の前後連動ブレーキが予想以上に街中で効く!
大型スポーツバイクをメインに試乗してきた自分にとって現代の原付は、ほとんど未知の領域だ。それゆえに発見も多い。特にスクーター平均的な日本人の男女(やや女性重視)を想定して設計されているので、ライディングポジションは、ちょっと自分の体形ではコンパクトすぎる。すみません。こればかりは正当に評価し辛い(泣)。コーナーではヒザとヒジが当たってびっくりしてしまうこともあった。まあ、これも慣れの問題だろうけど。
水冷となった4ストeSPエンジンは、燃費に優れるだけでなく、先代より出力がアップしているという。とはいえ、ジョルノを走らせた当初、スロットルを全開にしても、正直遅いと感じた。昭和の高校生の頃の原付2ストの感覚からすると、エアクリーナーが詰まっているのでは、と言う感覚だ。エンジンの鼓動感はあるのだが加速がついてこない。
しかし、ハタと気が付いた。自分は前輪ブレーキを使いすぎているのだ、と。操作方法をマスターすると意外にキビキビ走ることができる。まず右手レバーの前輪ブレーキを使わない事。前輪ブレーキを使うと、グリップやスロットルの固定がグニャグニャしているので、どうしても右手レバーの操作に集中してしまいスロットルの開け始めが遅くなる。ブレーキは左手レバーの前後連動ブレーキに集中すること。フロントブレーキは、前輪ロック防止のためか、非常に甘い制動力で操作感をつかむのも難しいため、ブレーキはほぼ左手のみで、右手はスロットルワークに集中したほうがいい。この左レバーの前後連動ブレーキは機械式なので最初は安っぽいと思いがちだが、制動力の配分が秀逸で、自分で前後ブレーキを調整するより上手く制動できる。雨の日なども、小径タイヤの滑りやすさを補って制動力を効果的に発揮してくれるはず。もちろん、慣れてキビキビ走ることが出来るようになっても過信は禁物。サスペンションは速度が30km/hを超えると、段差での突き上げが大きく、タイヤが小径なのでスリップする確率も高くなる。
ネガな面も書いたけれど、シート下の積載容量も約20ℓ確保されているし、左手ブレーキレバーにパーキングロックも付いている。さらにフロントのグローブボックスにはスマートフォンが充電できるアクセサリーソケットも装備。オシャレな街並みに合うデザインや、燃費の良さにこそ注目したい。セカンドバイクとして近所に出掛ける足にするにはベストな選択のひとつだと思う。
足つきチェック(ライダー身長182cm)
シート高720mmは兄弟車のタクト(720mm)やダンク(730mm)と変わらないが、シートが柔らかく小ぶりなため、足つき性は良好。大柄なライダーはコーナーリング時に手とヒザが触れそうになるほど、ライディングポジションはコンパクト。