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SV650 ABS ディテール解説
6段階の輝度調整可能なLCDインストルメントパネル。速度とギヤ段数を中央で大きく表示し、タコメーターは凝視せずとも感覚的にわかるように、バーグラフが左から右へと流れます。夜間も見やすいように、ホワイトのバックライトが採用されます。
フロントフォークはインナーチューブ径41mmの正立式。ブレーキは異形対向4ポットキャリパーとφ290mmディスクの組み合わせです。
アップライトなハンドルのおかげで、上半身がきつい前傾姿勢にならず、ゆったりとしたライディングポジションをもたらします。グリップは程良い位置にあり、乗り手の体格を選びません。燃料タンクの容量は14Lです。
フリクション低減のためにピストンを樹脂コートし、さらにスズめっき処理を追加。水冷DOHC645cc 90度V型2気筒エンジンは、高い密閉性によるブローバイガス低減も両立しています。ピストンリングをL型にしたのも、フリクション低減に効果があるからです。
特に低回転域での燃焼が不安定な領域で効果を高く発揮する「デュアルスパークテクノロジー」も採用。1気筒あたり2本のスパークプラグが与えられ、燃費向上だけでなく常に混合気を効率よく燃焼するため、リニアなスロットルレスポンスを獲得することができました。
前側を絞り込み、足着き性を向上したシート。グラディウス時代からフレームを刷新したこともあって、座り心地を犠牲にすることなくシートもスリム化しています。シートはキー操作で脱着可能、収納スペースはほとんどありません。
リアサスペンションは路面追従性に優れるリンク式モノショック。前後ホイールに備えたスピードセンサーで各車輪の速度を検知し、ブレーキの効きを自動的にコントロールして車輪のロックを一定の範囲内で防ぐABSを標準装備し、リヤブレーキディスク径は240mmとしています。
5本スポークのアルミキャストホイールには、ウエット性能と接地感に優れるダンロップ「Roadsmart III」がセットされました。
テール&ストップライトは、被視認性に優れる2灯式LEDを採用。薄型コンパクトなデザインで、軽快なテールエンドが演出されています。
主要諸元
型式 2BL-VP55B 全長 / 全幅 / 全高 2,140mm / 760mm / 1,090mm 軸間距離 / 最低地上高 1,450mm / 135mm シート高 785mm 装備重量 ※1 197kg 燃料消費率 ※2 国土交通省届出値:定地燃費値 ※3 37.5km/L(60km/h) 2名乗車時 WMTCモード値 ※4 26.6km/L(クラス3、サブクラス3-2) 1名乗車時 最小回転半径 3.0m エンジン型式 / 弁方式 P511・水冷・4サイクル・90°Vツイン / DOHC・4バルブ 総排気量 645cm3 内径×行程 / 圧縮比 81.0mm×62.6mm/ 11.2:1 最高出力 ※5 56kW〈76.1PS〉/8,500rpm 最大トルク ※5 64N・m〈6.5kgf・m〉/8,100rpm 燃料供給装置 フューエルインジェクションシステム 始動方式 セルフ式 点火方式 フルトランジスタ式 潤滑方式 ウェットサンプ式 潤滑油容量 3.0L 燃料タンク容量 14L クラッチ形式 湿式多板コイルスプリング 変速機形式 常時噛合式6段リターン 変速比 1速 2.461 2速 1.777 3速 1.380 4速 1.125 5速 0.961 6速 0.851 減速比(1次 / 2次) 2.088 / 3.066 フレーム形式 ダイヤモンドフレーム キャスター / トレール 25°/ 106mm ブレーキ形式(前 / 後) 油圧式ダブルディスク(ABS)・油圧式シングルディスク(ABS) タイヤサイズ(前 / 後) 120/70ZR17M/C(58W)・160/60ZR17M/C(69W) 舵取り角左右 33° 乗車定員 2名 排出ガス基準 平成28年国内排出ガス規制に対応 ※1 :装備重量は、燃料・潤滑油・冷却水・バッテリー液を含む総重量となります。※2 :燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。※3 :定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。※4 :WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。※5 :エンジン出力表示は「PS/rpm」から「kW/rpm」へ、トルク表示は、「kgf・m/rpm」から「N・m/rpm」へ切り替わりました。〈 〉内は、旧単位での参考値です。■車体色はモニター表示のため、実物とは異なる場合があります。■仕様および装備は予告なく変更する場合があります。■掲載写真には、合成または、特別に許可を得て撮影したものが含まれます。
テスター:青木タカオ
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。最新バイク情報をビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説し、休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持されている。現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアにて執筆中、バイク関連著書もある。