【ヤマハBOLT 200km試乗レポ】バンク角はそれほどだが、攻めないことが優越感である。

BOLTシリーズの始まりは2013年にヤマハクルーザーの新ラインナップとしてデビューしたXVS950CU BOLTから。当時のニュースリリースによれば「北米クルーザーモデルの新トレンドである“ボバー”スタイルを国内市場に提唱するとともに、SR400やXVS400等からのステップアップニーズに応えるモデル」とある。 ちなみにボバーとは、往年のダートトラッカーをモチーフにされたもの。ボブは短くするという意味があり、例えばフェンダーをショートカットする等、構成部品は極力シンプルに仕上げられ、走るための機能的装備を必要最小限に絞られた無骨なテーストが主張されているのである。  2017年4月のマイナーチェンジで車名もBOLTに変更。溶接が目立たぬよう綺麗に仕上げられた13Lタンクを新装備し、BOLT ABSにはスポークホイールをセット。オーナーが自分好みにカスタマイズを楽しむベース車両としても配慮されている。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

※2019年6月26日に掲載した記事を再編集したものです。
価格や諸元カラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

ディテール解説

ヤマハ・BOLT
マルチリフレクター方式の丸型ヘッドランプはクリアレンズを採用。光源はLED方式ではなく、60/55WのH4バルブが採用されている。
ヤマハ・BOLT
マルチリフレクター方式の丸型ヘッドランプはクリアレンズを採用。光源はLED方式ではなく、60/55WのH4バルブが採用されている。
ヤマハ・BOLT
60度Vツインエンジンはボア・ストロークが85×83mm。少しショートストローク。約1Lと言う排気量とのバランスも良く、実用域で発揮される柔軟なトルクは実に頼もしい。
ヤマハ・BOLT
ドライブはベルト方式。走行音は静か、オイルによる汚れもないから、ツーリングから帰宅後の洗車にも好都合である。
ヤマハ・BOLT
車体左側の目立たぬ所(シート脇下)にキーロック付きのサイドカバーがある。
ヤマハ・BOLT
取り外してみると専用ボックスに入れられた車載工具が標準装備されていた。
ヤマハ・BOLT
ブラックアウトされたOHC4バルブ空冷Vツイン。クランクケースまでブラックアウトされたが、シリンダー&ヘッド部のクーリングフィンサイドはアルミ地が生かされて絶妙のコントラストを魅せる。
ヤマハ・BOLT
シンプルな円筒状マフラーは右側水平に伸びる。リヤショックはオードックスな2本ショックタイプ。作動ストロークは決して長くはないが、その割にゴツゴツ感の抑えられたなかなかの乗り味を発揮。
ヤマハ・BOLT
ブラックアウトされたバーハンドル。体格の大きな人でもゆったりと楽なライディングポジションを提供してくれる。
ヤマハ・BOLT
ハンドル左側のスイッチはオーソドックスなレイアウト。いざと言う時、即座にホーンを鳴らせる配慮は嬉しい。
ヤマハ・BOLT
上端と下端にあるのが、赤いエンジンキルスイッチと、黒いセルスタータースイッチ。間にある左側のスライドスイッチはハザードランプ。右側の黒スイッチはメーター表示を切り替えるモードスイッチ(上)とリセットスイッチ(下)。
ヤマハ・BOLT
これまたシンプルな丸型デザインのシングルメーター。四角い液晶モニターには大きな文字で速度がデジタル表示され、見やすい。ちなみに速度はマイル表示も可能。
ヤマハ・BOLT
鞍型デザイン・シートの乗り心地はなかなか好印象。ドッカリと体重を預けきって乗っているにも関わらず、プチツーで尻が痛くなることはなかった。
ヤマハ・BOLT
丸型クリアレンズのランプで統一されたテール&ウインカーランプ。テール&ストップランプはLED式が採用されている。ライセンスプレートランプは別仕立てだ。

主要諸元 BOLT /〈BOLT Rスペック〉

認定型式/原動機打刻型式:2BL-VN09J/N609E
全長/全幅/全高 :2,290mm/830mm/1,120mm
シート高:690mm
軸間距離 :1,570mm
最低地上高:130mm
車両重量:252kg
燃料消費率*1:国土交通省届出値
定地燃費値*2:30.7km/L(60km/h) 2名乗車時
WMTCモード値 *3:21.2km/L(クラス3, サブクラス3-2) 1名乗車時
原動機種類: 空冷・4ストローク・SOHC・4バルブ
気筒数配列: V型, 2気筒
総排気量 :941cm3
内径×行程:85.0mm×83.0mm
圧縮比: 9.0:1
最高出力 :40kW(54PS)/5,500r/min
最大トルク:80N・m(8.2kgf・m)/3,000r/min
始動方式 :セルフ式
潤滑方式 :ウェットサンプ
エンジンオイル容量: 4.30L
燃料タンク容量:13L(無鉛レギュラーガソリン指定)
吸気・燃料装置/燃料供給方式:フューエルインジェクション
点火方式 :TCI(トランジスタ式)
バッテリー容量/型式:12V, 11.2Ah(10HR)/YTZ14S
1次減速比/2次減速比 :1.674/2.333
クラッチ形式 :湿式, 多板
変速装置/変速方式:常時噛合式5速/リターン式
変速比:1速:3.066 2速:2.062 3速:1.578 4速:1.259 5速:1.041
フレーム形式 :ダブルクレードル
キャスター/トレール :29°00′/130mm
タイヤサイズ(前/後):100/90-19M/C 57H (チューブタイプ)/150/80B16M/C 71H (チューブタイプ)〈100/90-19M/C 57H (チューブレス)/150/80B16M/C 71H (チューブレス)〉
制動装置形式(前/後):油圧式シングルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ
懸架方式(前/後):テレスコピック/スイングアーム
ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ:ハロゲンバルブ/12V, 60/55W×1
乗車定員 :2名

ライダープロフィール

ヤマハ・BOLT
近田茂
元モト・ライダー誌の創刊スタッフ編集部員を経てフリーランスに。約36年の時を経てモーターファンJPのライターへ。ツーリングも含め、常にオーナー気分でじっくりと乗り込んだ上での記事作成に努めている。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…