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シャシーや足まわりも刷新し、運動性能を向上
50mm角断面のバックボーンと丸パイプのダウンチューブを組み合わせたフレームは従来型を踏襲したように見えますが、各部の必要剛性を改めて解析し、パイプ径をそのままにパイプの厚さを最適化するなど新作。
溶接やガセットが最小限に抑えられ、滑らかで高品質な仕上げを実現しているのです。
骨格の剛性アップに合わせ、足まわりもグレードアップを果たしていました。先代は車体も足まわりも柔な印象があり、それが旧車然としていて「良し」としていましたが、こうして進化して安定感が増し、キビキビ軽快に走ってくれると「新型はいいな」と感じます。
39mmだった正立フォークのインナーチューブ径は41mmに大径化し、スプリングも硬めに変更。クロススポーク仕様のホイールは前後18インチとなり、フロント19インチの先代よりハンドリングがクイックでシャープに。キャスター角を27→26度に起こしたのも大きく影響しているはずで、コーナー初期での寝かし込みがよりスムーズになりました。
ブレーキの進化も見逃せません。前輪ディスク径は300→320mmに拡大し、ドラム式だった後輪には270mmディスクがセットされました。そして、ついにABSを標準装備したのです。安全性を飛躍的に向上したと言えます。
アシスト&スリッパークラッチも搭載し、レバー操作がとても軽いのも朗報でしょう。もちろんライディングの次元を上げていて、エンジンブレーキが強力に効き過ぎて後輪のホッピングやスリップの不安がありませんので、たとえばコーナー進入前のシフトダウンも大胆にいけるのでした。
急かされない大らかなフィーリングは健在
運動性能を高めた新型ですが、昔ながらの大らかなライドフィールも残っていて、急かされない、ゆったりとした乗り心地も健在です。
さて、少し長くなってしまいましたが、最後までおつき合いいただきありがとうごいざます。Wシリーズに関しては筆者の個人的な思い入れが強いので、今回触れなかった「W800カフェ」を含め、今後まだまだ情報をお届けしたいと思います。どうぞお楽しみに!!
レポーター:青木タカオ
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。最新バイク情報をビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説し、休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持されている。現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアにて執筆中、バイク関連著書もある。愛車のうちの1台にカワサキW1SA(1971年式)があり、四半世紀にわたって所有している。