フロント19インチホイールとロングホイールベースの効能、プチツーリングで体感した落ち着いた乗り味

【実走燃費28.6km/L】ホンダ・400Xは”何から何までちょうどいい”、そんなバイクである。

アドベンチャーツアラー的なスタイルをまとったホンダの400Xは走る場所を選ばないミドルサイズモデルとして支持されていた。3月22日に発売された新型は、同じ雰囲気を踏襲も、堂々と立派なモデルに変身。クロスオーバーモデルとして走りの性能と乗り味に大きな進化をもたらした。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

※2019年4月29日に掲載した記事を再編集したものです。
価格や諸元、カラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

ディテール解説

ホンダ・400X
19インチフロントホイールの採用が大きな変更点である。右側に7点フローティングマウントされたシングルディスクローターはφ310mm。Nissin製ピンスライド式油圧キャリパーがセットされている。
ホンダ・400X
前モデル比較で約20mm高められたウィンドスクリーンを装備。膝への走行風も含めて快適なウインドプロテクション効果が追求されている。
ホンダ・400X
吸気系のストレート化を始め、バルブタイミングや燃料噴射装置の変更で燃焼改善。全回転域でトルクアップを果たした。
ホンダ・400X
クランクケース下部から右側に出されたショートアップマフラーのエンドパイプは2本出しに変更された。触媒前後のパイプ径を拡大、パルス感と巡航時の排気音も徹底チューニングされトルクアップと心地よさに貢献。
ホンダ・400X
ボトムにリンク機構を持つプロリンク式リアサスペンション。封入された窒素ガスとオイルが分離された分離加圧式シングルチューブタイプのモノショックがマッチされている。
ホンダ・400X
一文字に近い(アップの度合いが少ない)バーハンドルはテーパードタイプ。ハイトの高いハンドルブラケットを介してハイマウントされている。
ホンダ・400X
グレーのスイッチはホーンボタン。下はプッシュキャンセル式のウインカースイッチで上の黒いのはディマースイッチだ。
ホンダ・400X
3色に色分けされた右側のハンドルスイッチ。それぞれのスイッチは大きくデザインされていて、ウインターグローブでも扱いやすい。中のグレースイッチはハザードランプ用。
ホンダ・400X
多くの情報を見やすく表示するフルデジタルメーターも新設計。時計、燃料計、燃費計、平均速度の他にも多彩な機能満載。上部のバーはアクセサリーの装着にも活用できそう。
ホンダ・400X
スッキリとしたデザインのダブルシート。全体に固めのクッションが好印象。後方左右のグラブバーも含め、二人乗りもしやすいバイクに仕上げられている。
ホンダ・400X
ダブルシートは一体式。左側シート脇下部のキー操作で固定解除し、脱着できる。後部を浮かせて後方へ引き抜く方式だ。
ホンダ・400X
クリアレンズを採用したテール&ストップランプ。もちろん点灯時は赤く光るLED方式が採用されている。コンパクトなウインカーはオレンジの光を放つ。

主要諸元

車名・型式 ホンダ・2BL-NC56
全長(mm) 2,140
全幅(mm) 825
全高(mm) 1,380
軸距(mm) 1,435
最低地上高(mm)★ 150
シート高(mm)★ 800
車両重量(kg) 196
乗車定員(人) 2
燃料消費率*1(km/L) 国土交通省届出値:
 定地燃費値*2(km/h) 41.0(60)〈2名乗車時〉
 WMTCモード値★ (クラス)*3 28.3(クラス 3-2)〈1名乗車時〉
最小回転半径(m) 2.5
エンジン型式 NC56E
エンジン種類 水冷4ストロークDOHC4バルブ直列2気筒
総排気量(cm3) 399
内径×行程(mm) 67.0×56.6
圧縮比★ 11.0
最高出力(kW[PS]/rpm) 34[46]/9,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 38[3.9]/7,500
燃料供給装置形式 電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
始動方式★ セルフ式
点火装置形式★ フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式★ 圧送飛沫併用式
燃料タンク容量(L) 17
クラッチ形式★ 湿式多板コイルスプリング式
変速機形式 常時噛合式6段リターン
変速比
 1速 3.285
 2速 2.105
 3速 1.600
 4速 1.300
 5速 1.150
 6速 1.043
減速比(1次★ /2次) 2.029/3.000
キャスター角(度)★ 27゜30′
トレール量(mm)★ 108
タイヤ 前 110/80R19M/C 59H
後 160/60R17M/C 69H
ブレーキ形式
 前 油圧式ディスク
 後 油圧式ディスク
懸架方式
 前 テレスコピック式
 後 スイングアーム式(プロリンク)
フレーム形式 ダイヤモンド

著者プロフィール:近田茂

ホンダ・400X
近田茂
元モト・ライダー誌創刊スタッフ。約36年の時を経てモーターファン.jpのライターへ。オーナー気分になり、十分使い込んだ上での記事執筆に努めている。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…