出川哲朗「充電させてもらえませんか?」の電動バイクを真面目にインプレしてみた。/ヤマハ・E-Vino(Eビーノ)

大きいバイクにはできないことが、魅力だったりもする

ヤマハ・イービーノ

 番組ではバッテリー残量がゼロになると、充電できる場所まで乗り手がバイクを押して歩きます。大型バイクならタイヘンな労力を使うことになってしまいますが、イービーノの車体重量は68kgしかありません。筆者も実際に押して歩いてみますが、男性なら容易いという印象で、さほど苦にはなりません。

ヤマハ・イービーノ

 それがわかると、大きな道路の反対側へ移動したいときなどは電源を切って、積極的に押して歩くことを選ぶようになりました。原付一種は交差点で二段階右折しなければならないなどルールが複雑で、押した方がカンタンなのです。歩行者と一緒に信号待ちしても、車体は小さく目立ちません。人の多い商店街も押して歩くことにしました。

威圧感なく厄介者扱いされない

ヤマハ・イービーノ

 走っていて感じるのは、人に警戒心を抱かせず、街に溶け込めやすいということです。見た目が可愛いだけでなく、排ガスを出さず、無音でゆっくり走っているからこそで、歩行者の視線も和やかな気がします。

 街ゆく人たちに対する威圧感はどこにもなく、子どもやお年寄りも近づきやすい。きっと、この周囲に対するフレンドリーさも、番組を成功させているひとつの要因となっているのかもしれません。もちろん“ゆるキャラ”のような出川さんの人懐っこさと人気者ぶりがイチバンなのですが、イービーノの“ゆるさ”も負けていないってことです。

 かつてバイク=悪、暴走族、騒音などといった負のイメージがつきまとった時代もありましたが、この番組では出川さんとイービーノにそんなイメージは微塵もありません。クリーンで先進的で、人にもやさしい乗り物。

 有名人ではない自分にはとうてい無理ですが、番組を真似て「充電させてもらえませんか?」とお願いしながら、このまま旅に出てみたくなります。

テストライダー:青木タカオ

ヤマハ・イービーノ
青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。
 モトクロスレース活動や多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。
 休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディア等で執筆中。バイク関連著書もある。

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著者プロフィール

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青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。最新バイク情報をビギナーの目線に絶えず立ち返…