【ホンダ・スーパーカブC125試乗】高い、けどそれでいい。 乗って納得した”C125の魅力”

OHV時代から、ほぼすべてのカブに乗った経験のある筆者のスーパーカブC 125に対するファーストインプレッションが、「僕の知っているスーパーカブじゃない」だった。2018年に発売された高級路線のカブは既存のモデルと何が異なるのか、紐を解いていく。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

※2018年10月24日に掲載した記事を再編集したものです。
価格や諸元、カラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。

ディテール解説

タイヤとフロントフェンダーとの隙間の開き方を見ると、そのデザインにはボトムリンク時代の名残がある。フェンダー先端の白ストライプは原付二種の証。アルミキャストホイールと油圧ディスクブレーキの採用も魅力的。チューブレスタイヤである点も嬉しい。キャリパーはシングルピストンのピンスライド方式だ。
ホンダ・スーパーカブC125
グロムでお馴染みの前傾空冷OHCエンジンは、ボア・ストロークが52.4×57.9mmというロングストロークタイプの124㏄。スーパーカブ110よりもチューニングの度合いが高く7.1kW(9.7ps)/7500rpmの最高出力と10Nm(1.0㎏・m)/5000rpmの最大トルクを発揮する。
ホンダ・スーパーカブC125
タイヤサイズは前後共110と共通。車体と同色塗装されたスイングアームは小判型断面の専用デザインでホイールベースは110より40mm長い1245mm。フルカバードされたチェーンケースも専用設計されラインの綺麗な上質な仕上げが印象深い。
ホンダ・スーパーカブC125
スーパーカブ50や110はステップラバー丸出しだが、C125は金属で周囲をガードした専用設計が施され、高級感を演出。シーソー式のチェンジペダルは、フォーマルシューズで乗ることも許容してくれる。
ホンダ・スーパーカブC125
LED式が採用されたヘッドライト。高輝度の白い輝きが特徴。ライト内部のデザインは110ともまた異なる専用の物。ウインカーもLED式で細長いレンズデザインはC125ならではの物だ。
ホンダ・スーパーカブC125
ハンドルグリップエンドのガードも含めてメーター周り等、クロームメッキパーツが多用されている。左右のハンドルスイッチも専用シルバー塗装され、スーパーカブシリーズの中でも別格であることを主張している。
ホンダ・スーパーカブC125
パッと見、一番良く目立つデジタル表示の数字はギヤポジションを示している。赤い指針のスピードメーターは120km/hスケールのアナログ表示。燃料計や時計、切り替え式表示のオドやトリップはモノクロ液晶表示だ。
ホンダ・スーパーカブC125
左側のハンドルスイッチ。各スイッチノブは大きめにデザインされており操作性が良かった。上からディマー、ホーン、ウインカースイッチだ。
ホンダ・スーパーカブC125
右側のハンドルスイッチは至ってシンプルにセルスターターボタンのみ。シルバー塗装のスイッチボックスも光沢のある上質な仕上げが印象的だ。
ホンダ・スーパーカブC125
鍵を抜き差しする必要のないスマートキーが採用されている。電子キーを身につけていれば、イグニッションダイヤルが操作可能になる仕組み。ハンドルロックもこのダイヤルで操作できる。
ホンダ・スーパーカブC125
ライダーが持ち歩くだけでOKなスマートキー。薄手で軽く金属の突起もないからポケットに忍ばせるにも楽。アンサーバック等のスイッチもついている。
ホンダ・スーパーカブC125
スマートキーを身につけていれば、シート下に見えるタンク脇の黒丸スイッチをワンプッシュするだけで、カチッとシートロックが解錠できる。その扱いは実にスマートだ。

主要諸元

車名・型式 ホンダ・2BJ-JA48
全長(mm) 1,915
全幅(mm) 720
全高(mm) 1,000
軸距(mm) 1,245
最低地上高(mm)★ 125
シート高(mm)★ 780
車両重量(kg) 110
乗車定員(人) 2
燃料消費率*1(km/L) 国土交通省届出値:
 定地燃費値*2(km/h) 69.0(60)〈2名乗車時〉
 WMTCモード値★(クラス)*3 66.1(クラス 1)〈1名乗車時〉
最小回転半径(m) 2.0
エンジン型式 JA48E
エンジン種類 空冷4 ストロークOHC 単気筒
総排気量(cm³) 124
内径×行程(mm) 52.4 × 57.9
圧縮比★ 9.3
最高出力(kW[PS]/rpm) 7.1[9.7]/7,500
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 10[1.0]/5,000
燃料供給装置形式 電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
始動方式★ セルフ式
点火装置形式★ フルトランジスタ式バッテリー点火
潤滑方式★ 圧送飛沫併用式
燃料タンク容量(L) 3.7
クラッチ形式★ 湿式多板コイルスプリング式
変速機形式 常時噛合式4段リターン※
変速比
 1速 2.500
 2速 1.550
 3速 1.150
 4速 0.923
減速比(1次★/2次) 3.363/2.571
キャスター角(度)★ 26°30´
トレール量(mm)★ 71
タイヤ
 前 70/90-17M/C 38P
 後 80/90-17M/C 44P
ブレーキ形式
 前 油圧式ディスク
 後 機械式リーディング・トレーリング
懸架方式
 前 テレスコピック式
 後 スイングアーム式
フレーム形式 バックボーン

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…