お値段”300万円超”のバイクはナニがスゴい? MotoGPマシンに最も近い「パニガーレV4」でいざ箱根へ。

MotoGPマシンに最も近い市販車と言えるパニガーレV4。ドゥカティの独自技術を集結させたフラッグシップモデルだ。頂点に君臨すべく、そこに込められた最先端テクノロジー満載の内容には、時代を一歩も二歩も躍進させた点に驚きを隠せなかったのが正直のところ。ただ、試乗インプレはさらに強烈なものであった。
REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

※2018年07月19日に掲載した記事を再編集したものです。
価格や諸元、カラーバリエーションが現在とは異なる場合があります。
ドゥカティ・パニガーレV4 S
高価なプライスを高いとは感じさせないだけの完成度。外観デザインの美しさも秀逸のものがある。マフラーの存在を隠しアンダーカウルと一体化した手法も斬新だ。
ドゥカティ・パニガーレV4 S
クリアのスクリーンはとても小さなデザインだが、スポーツ走行をする伏せ姿勢を取ると人車一体感が増すようなエアロダイナミクスを披露する。
ドゥカティ・パニガーレV4 S
排気管(口)の見えないスッキリとシェイプされた足元のデザイン。まるでレーシングマシンその物を思わせるバンク角の深さは一目瞭然だ。

ディテール解説

ドゥカティ・パニガーレV4 S
シャープなノーズデザイン。奥目のLEDヘッドライトで精悍なイメージ。エアダクトをかねた機能性も併せ持っている。ドゥカティらしい赤いペイントも見るからにプレミアムな雰囲気を放っている。
ドゥカティ・パニガーレV4 S
後傾42度で搭載されたV4エンジン。車体中心部にギュウッと凝縮された塊感はマスの集中化が徹底されていることがわかる。エンジンもフレームの剛性メンバーに加える手法が採用されている。シート下にも及ぶ軽量アルミ製ガソリンタンク容量は16ℓ。なお、エアクリーナー容量は12.8ℓもある。
ドゥカティ・パニガーレV4 S
V4はザックス製フルアジャスタブルリアショックを採用しているが、写真のV4Sはオーリンズ製TTX36リアショック・アブソーバーを採用。オーリンズ製Smart EC 2.0による電子制御で減衰力がコントロールされる。
ドゥカティ・パニガーレV4 S
径の大きな中空シャフトで片支持固定されるリヤホイールはマルケジーニ製3本スポーク鍛造アルミニウム合金製を採用。ちなみにV4は5本スポークの鋳造アルミ製だ。ブレーキは専用開発されたブレンボ製Stylemaモノブロック・キャリパーを装備。対向2ピストンキャリパーとφ245mmのシングルディスクの組み合わせだ。
ドゥカティ・パニガーレV4 S
前方に睨みを利かせる精悍なマスクのLEDライトは、通常右(写真左側)のみが点灯。ハイビームの時に両眼点灯となる。黒いフロントフェンダーはカーボンファイバー製だ。
ドゥカティ・パニガーレV4 S
十分に肉抜きされたトップブリッジ。その部品ひとつに注目しても造形と加工技術の美しさが漂ってくる。平行して前方に沿わせてあるのがオーリンズ製電子制御式ステアリングダンパーだ。
ドゥカティ・パニガーレV4 S
スッキリと四角いデザインの液晶ディスプレーは白黒のコントラストがハッキリしていて見やすい。夜間は白黒が逆転する仕組み。様々な走行モードや状態表示が成される。
ドゥカティ・パニガーレV4 S
ディスプレイの機能選択を担うモードスイッチとセレクトスイッチ。各種機能が多彩過ぎて使い方を完全マスターするには、オーナーズマニュアルの熟読が必要。むしろ自分のニーズを見極めた上で、それに必要な操作をマスターする方が良いだろう。
ドゥカティ・パニガーレV4 S
右側アクセルグリップには、もちろんスロットルケーブルは存在しない。フライバイワイヤー方式が採用されている。キルスイッチを切るとスターターボタンがカバーされる仕組みになっている。
ドゥカティ・パニガーレV4 S
抜けのあるリヤカウル&テールランプデザイン。ウインカーはオーソドックスな手法だが、LEDのテール&ストップランプデザインはやはり斬新だ。
ドゥカティ・パニガーレV4 S
シート後方中央に書類入れ程度の小さな収納ボックスがある。シングルシートの表皮はアルカンターラ製、シットリと尻に馴染む感じで納まりが良かった。
ドゥカティ・パニガーレV4 S
収納ボックスはキーロック式。立て付けに大きな遊びがあったが、キー解錠で前方に引き出すように取り外せる。中にはベルトとヘキサゴンレンチが納められていた。

足つきチェック(ライダー身長170cm)

ドゥカティ・パニガーレV4 S
シート高は830mm。ご覧の通り両足の踵は浮いた状態になるが、車重が軽くバイクを支えるのは楽、足つき性に不安は感じられなかった。
ドゥカティ・パニガーレV4 S
ドゥカティ・パニガーレV4 S

主要諸元

排気量 1,103 cc
最高出力 214 ps (157.5 kW) @ 13,000 rpm i
最大トルク 12.6 kgm (124.0 Nm) @ 10,000 rpm i
乾燥重量 174 kg
シート高 830 mm
安全装備 ライディング・モード、パワー・モード、ボッシュ製コーナリングABS EVO ドゥカティ・トラクション・コントロールEVO、ドゥカティ・ウイリー・コントロールEVO ドゥカティ・スライド・コントロール、エンジンブレーキ・コントロール EVO

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…