CBR600RRより11kgも軽い。アプリリアのミドルスーパースポーツ、RS660を試乗!

イタリアン・ブランドのアプリリアは現在ピアッジオグループの一員。もともとモトクロスをはじめモータースポーツ参戦に積極的なメーカーとして知られている。実戦で培われるノウハウをダイレクトにフィードバック。とびきりホットなスーパースポーツ“RS660”に試乗した。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●ピアッジオグループジャパン株式会社

ディテール解説

3っつのLEDライトを組み合わせたフロントマスク。目つきの細いメインのヘッドランプは左右にセパレートされウインカーやコーナリングランプも組み込まれている。

真っ赤な軽量アルミキャストホイールは3.5Jの17インチサイズ。フローティングマウントされたシングルのディスクローターはφ320mm。φ32mm対向4ピストンのブレンボ製油圧キャリパーがラジアルマウントされている。倒立式フロントフォークはφ41mmのKYB製。

新設計された659ccの直(並)列2気筒エンジンは、270度位相クランクと水冷DOHCの4バルブヘッドを持つ。13.5対1と言う高圧縮比を得て、100HPの最高出力を発揮する。

右サイドにチョコンと顔を出す三角断面形状のショートアップマフラー(排気口は左側にもある)。深いバンク角を稼ぎ出す合理的なデザインである。

アルミニウム製スイングアームとモノショックを組み合わせたリヤサスペンション。伸び側の減衰と無段階プリロード調節ができる。ホイールトラベルは130mmのストロークを稼ぎ出している。

いかにも高剛性な印象を放つアルミスイングアーム。ブレーキディスクローターサイズはφ220mm。ブレンボ製油圧キャリパーは、φ34mm対向2ピストンタイプを採用。

ステアリングトップブリッジと一体で形成されてスワロー型を成すハンドルが個性的。

スイッチボックスに隠れているが、一番下がホーン、直ぐ上にウインカースイッチ、ディマーやパッシングは向こう側のスイッチを人差し指で扱う。手前はディスプレイやモード切り替えを担うスイッチ。その上はクルーズコントロールスイッチだ。
電子スロットルの採用で、スロットルケーブルが無いスッキリしたデザイン。ハンドル右側は3っつのスイッチが縦に並ぶ。上はヘッドライトスイッチ。通常はクッキリとコントラストの強いライン状のデイタイム・ランニング・ライトが点灯する。

フルカラーTFT角形ディスプレイを採用したインストルメントパネル。200rpm刻みで棒グラフ状に伸びる回転計は11,500rpmからがレッドゾーンになっている。

フロントフォークのトップエンドでは、左右それぞれにスプリングプリロードと伸び側のダインピング調節ができる。
AQS(アプリリア・クイック・シフト)が標準装備されたリターン式6速ミッション。
段差のあるセパレートシートは共に脱着式。前後クッションでツートーンカラーとしたデザインも特徴的だ。オプションで黒いコンフォートシート(21,780円)も用意されている。
前後シートクッションを取り外した所。後席下は純正アクセサリーのシングルシートカバーや、6L容量のシートバック搭載に対応している、

スッキリとシャープなフィニッシュを魅せるテールエンド。

主要諸元

エンジン:4ストローク 水冷並列2気筒 DOHC 4バルブ
総排気量(cc):659 
ボア × ストローク(mm):81× 63.93
圧縮比:13.5
最高出力(kW/rpm):73.5(100 HP) / 10,500
最大トルク(Nm/rpm):67.0  (6.83 kgm) / 8,500 
燃料供給方式:電子制御燃料噴射システム、Φ48mmツインスロットルボディ、ライド・バイ・ワイヤ エンジンマネージメントシステム
点火方式:電子制御イグニッションシステム
潤滑方式:ウェットサンプ
始動方式:セルフ式
トランスミッション:6速 アプリリアクイックシフト(AQS)アップ&ダウンシステム
クラッチ:湿式多板式、機械式スリッパ―システム付

フレーム:アルミ製ダブルビーム
サスペンション(前/後):KYB製テレスコピック倒立式フォークΦ41mm リバウンド及びプリロード調節式 / アルミニウム製スウィングアーム モノショック リバウンド及びプリロード調節式
ホイールトラベル(前/後mm):120 / 130
ブレーキ(前/後mm):φ320mm デュアルディスク、ブレンボ製ラジアルマウント。φ32mm4ピストンキャリパ メタルメッシュホース / φ220mmディスク、 ブレンボ製φ34mm2ピストン、メタルメッシュホース
ABS:マルチマップ コーナリングABS
ホイール(前/後):3.5J x 17 / 5.5J x 17 軽量アルミホイール
タイヤ(前/後):120/70 ZR-17チューブレス・ラジアル / 180/55 ZR-17チューブレス・ラジアル

全長/全幅(mm):1,995 / 745
ホイールベース(mm):1,370
シート高(mm):820 
装備重量(kg):183
乾燥重量(kg):169
燃料タンク容量(L):15 
環境基準:Euro 5
燃料消費率(L/100km):4.9 (20.41km/L)

試乗後の一言!

跨った瞬間からスポーツ心が刺激される。イイ汗かけるエキサイティングな走りが心地よい。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…