市街地も高速道路も、これ一台でだいたいイケる。NMAX155試乗|ヤマハ155ccスクーター

前後に13インチホイールを履く本格派のスポーツスクーター。NMAXとの兄弟デモルだが、高速道路の走行を可能とする155ccエンジンを搭載している。果たしてその乗り味と実用性はいかに。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●ヤマハ発動機株式会社

ディテール解説

ヤマハ・NMAX155

左右にセパレートされた2眼6灯式のLEDヘッドランプが、きりりと端正なフロントマスクを引き立てている。フロントカウル左右にセットされたウインカーは、12V10Wの電球式。

ヤマハ・NMAX155

トレーリングアクスル方式のテレスコピックフォークは正立式。ボトムケースをカバーリングするエアロフェンダーの採用が印象深い。シングルディスクブレーキの油圧キャリパーは1ピストンのピンスライド式。ローターサイズはφ230mm。

ヤマハ・NMAX155

刷新されたBLUE COREエンジン。SMG(スマート・モーター・ジェネレーター)の搭載で、静かな指導性を発揮。アイドルストップ機構に対応している。エアクリーナー容量は4.3L。

ヤマハ・NMAX155

後方へはねあげられた右出しのブラックマフラー。ほぼ全体がヒートカバーで覆われている。

ヤマハ・NMAX155

2本のリヤショックを採用したユニットスイング式のリアサスペンション。スプリングはダブルピッチタイプ。上部の黒いダイヤルを回すとプリロード調節ができる。

ヤマハ・NMAX155

シングルピストンのピンスライド式油圧キャリパーを装備したリアディスクブレーキ。13インチサイズのチューブレスタイヤは、ダンロップ製Scoot Smart。前後軽量ホイールも新設計されている。

ヤマハ・NMAX155

しっかりとカバーリングされたハンドルまわり。クロームメッキ製パイプバータイプのアップハンドルを装着したホンダPCXとは趣が異なる。

ヤマハ・NMAX155
ハンドル左側のスイッチは全部で4つ。下から順にホーン、ウインカー、ディマー、そして向こう側には人差し指で扱うメニュースイッチがある。
ヤマハ・NMAX155
ハンドル右側には3っつのスイッチが並ぶ。下はエンジン始動用のスターター。中段はハザード。上はアイドリングストップスイッチ。
ヤマハ・NMAX155

スマートフォンの情報を表示できるモノクロの液晶ディスプレイメーターを搭載。スマホに専用アプリ「Yamaha Motorcycle Connect(Y-Conenect)をダウンロードすることで、メールや通話着信の通知、時計の自動調整などができる。

ヤマハ・NMAX155
左側の小物入れは開放式。奥には12V1Aのアクセサリー電源ソケットが装備されている。下方に深くペットボトルも入る。
ヤマハ・NMAX155
右側の小物入れには蓋が装備されている。防水仕様ではないが、雨の侵入は十分に防げそう。
ヤマハ・NMAX155
スマートキーシステムが採用されているので、基本的に通常はキー操作不要。ポケット等身につけていれば良い。
ヤマハ・NMAX155
メインスイッチ左下のFUELボタンを押すとご覧の通り、給油口の蓋が開く。あとはキャップをひねれば良い。タンク容量は7.1L。
ヤマハ・NMAX155

ゆったりと前後に長く、少し段差を設けた一体式のダブルシートは前ヒンジ式。メインスイッチをOPENにして、直ぐ下右側にあるSEATボタンを押せば開けることができ、スプリング付きなので楽に操作できる。

ヤマハ・NMAX155
一体式のダブルシートは前ヒンジで開く。シート下には23L容量のトランクスペースが確保されている。
ヤマハ・NMAX155
ヘルメットは逆さまにして入れる方式。収納スペースにはまだ少し余裕がある。2個のへルメットホルダーもある。
ヤマハ・NMAX155

シートエンドにはしっかりとしたグラブバーを装備。セパレートされたテール&ブレーキランプは導光体も備えるLED式。両端のウインカーはクリアレンズにオレンジ色の12V10W、ライセンスプレート照明は12V5Wの電球式。

主要諸元

認定型式:8BK-SG66J
全長/全幅/全高(mm):1,935/740/1,160
シート高(mm):765
軸間距離(mm):1,340
最低地上高(mm):135
車両重量(kg):131
燃料消費率(km/L):50.1(60km/h)  2名乗車時
WMTCモード値(km/L):44.6  1名乗車時
最小回転半径(m):2.0

原動機型式:G3N9E
原動機種類:水冷・4ストローク・SOHC・4バルブ
気筒数配列:単気筒
総排気量(㎤):155
内径×行程(mm):58.0×58.7
圧縮比:11.6:1
最高出力(kW):11(15PS)/8,000rpm
最大トルク(Nm):14(1.4kgf・m)/6,500rpm
始動方式:セルフ式
潤滑方式:ウェットサンプ
エンジンオイル容量(L):1.00
燃料タンク容量(L):7.1(無鉛レギュラーガソリン指定)
燃料供給方式:フューエルインジェクション
点火方式:TCI(トランジスタ式)
バッテリー容量/型式:12V,6.0Ah(10HR)/YTZ7V

1次減速比/2次減速比:1.000/10.208(56/16 x 35/12)
クラッチ形式:乾式、遠心、シュー
変速装置/変速方式:Vベルト式無段変速/オートマチック
変速比:2.239~0.706
   
フレーム形式:バックボーン
キャスター(度):26°30′
トレール(mm):100
タイヤサイズ(前/後):110/70-13M/C 48P(チューブレス)/130/70-13M/C 63P(チューブレス)
制動装置形式(前/後):油圧式シングルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ
懸架方式(前/後):テレスコピック/ユニットスイング
乗車定員:2名

製造国:インドネシア

試乗後の一言!

ヤマハ・NMAX155
近田茂

万能スクーターとして賢い選択肢のひとつだと実感。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…