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さいとー栄先生によるツーリングマンガ『終末ツーリング』の最新巻が2月27日に発売される。
『終末ツーリング』は人間がいなくなった終末世界を「ヨーコ」と「アイリ」というふたりの少女がバイクで旅をする物語で、人類がいなくなった文明崩壊後の世界、いわゆる”ポストアポカリプス”モノとツーリングを組み合わせた異色の作品になっている。
"ポストアポカリプス/終末モノ"とは? フィクションの人気ジャンルのひとつであり、大規模な災害や戦争によって人類の文明が崩壊(アポカリプス)した後の世界でどう生きていくかを描く作品。『北斗の拳』や『マッドマックス』のような暴力的で危険な世界であったり、逆に淡々としたロードムービー的ものも多い。『終末ツーリング』は後者にあたり、前者のような暗さは描かれていない。
作品は、風景は基本的に今と変わらず、それでいてテクノロジーは現代より進んだ近未来……そこから何かしらの大きな出来事があって文明が崩壊。そこからまたしばし時間が経過した世界のようだ。それだけに、読み手的にもとっつきやすい作品だ。
舞台となるのは日本。1話の箱根から始まり、神奈川、東京、千葉、茨城、栃木と巡り、4巻では再び茨城・大洗から物語がスタートする。
ふたりが巡る土地は誰しも知るような超有名スポットばかり。というのも、ふたりの旅の目的が、文明崩壊前に日本をバイクで旅したヨーコの姉の足跡を追うことにあるからだ。
『終末ツーリング』に登場するスポットは、バイク乗りなら一度は訪れたことがある場所ではないだろうか?
そして4巻後半には白樺湖からビーナスラインへ。小鹿野(秩父)からなら、国道299号を抜けて行った可能性が高い。作中では詳細に語られることは少ないのだが、移動ルートを想像するのもまた面白い。
ふたりの旅はいよいよ関東地方を出て長野県に入ることになったわけだが、4巻で巡る軽井沢周辺から今度はどこに向かうのだろうか? その旅路から目が離せない!
電撃コミックNEXT 『終末ツーリング』4巻 発売:2月27日 作者:さいとー栄 定価:各737円 発行:KADOKAWA
バイクはヤマハ・セロー225を電動車にコンバート!
作中でふたりが乗っているのはヤマハ・セロー225をモーター駆動にコンバートしたカスタムマシンだが、ルックスはほぼそのまま。電動化されている基幹部分に関してもエンジンとさほど変わらないデザインで描かれている。また、作中で描写される充電シーンも面白く、SF的な仕組みとして思わず頷きたくなる。さらに、充電ソケットがガソリンタンクキャップと同じ位置なのはとても上手い演出だ。
ここ最近は、往年の名車を電動車にコンバートするカスタムがバイク・クルマを問わず話題になっているが、セロー225の電動コンバートや電動モデルの登場は、すっかりモデル数が減ってしまった気軽なオフロードバイク好きなら思わず期待したくなる。
ちなみに、『月刊モトチャンプ』2021年11月号掲載のさいとー栄先生インタビューによると、このセロー225は自身が以前に乗っていたモノがモデルになっているそうだ。
また、セロー225以外にもたくさんのバイクが登場する『終末ツーリング』。どんなバイクが登場しているかは本編を読んでのお楽しみだ。
既刊3巻に加えKADOKAWA『電撃マオウ』&コミックウォーカーで連載中!
『終末ツーリング』はKADOKAWA『電撃マオウ』(毎月27日発売)で好評連載中。また、コミックスは3巻まで発売されており、4巻発売前に、あるいは4巻と合わせて一気に読破するのもありだ!
さらに、マンガ配信サイト『コミックウォーカー』にも掲載されており、最新話+αをチェックすることができる。単行本を読んで続きが気になったら要チェック!
電撃コミックNEXT 『終末ツーリング』1〜3巻 作者:さいとー栄 定価:各737円 発行:KADOKAWA
作者・さいとー栄先生のインタビューは『モトチャンプ』をチェック!
『月刊モトチャンプ』2021年11月号には『終末ツーリング』第2巻発売の際に、作者・さいとー栄先生にお話をきいた貴重なインタビューを掲載している。それから物語も進み、巡ったツーリングスポットも増えてきての4巻だが、そこに至る経緯やマンガのウラ話も知ることができるぞ。さらに、さいとー栄先生自身のバイク話も面白い!
なお『月刊モトチャンプ』2021年11月号はすでに在庫切れとなっているが、電子書籍では購入可能。『終末ツーリング』のお供に一読してみるのも一興だ。