復活のトランザルプ。新開発のキーワードは「ほっこりとした」乗り心地

2023年5月12日、山梨県は小淵沢インターチェンジにほど近いハーベストテラス八ヶ岳でホンダ・ニューモデルの報道試乗会が開催された。トランザルプと言う復活ネームにも興味津々。熊本製作所で生産され世界30ヶ国以上への発売が予定されている。

REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●株式会社 ホンダモーターサイクルジャパン

ディテール解説

左右シュラウドから一体デザインされたフェアリング&スクリーンはフレームマウント式。スマートに上手くまとめられ、なかなかスタイリッシュだ。

リーディングアクスルタイプのフロントフォークはショーワ(日立Astemo)製、φ43mmの倒立式だ。ダブルディスクブレーキはφ310mmのフローティングマウント式、油圧キャリパーはNISSIN製2ピストンのピンスライド式が採用されている。

新開発された水冷2気筒エンジンを搭載。フレームの剛性メンバーとしても寄与している。270度位相クランクを採用している。

右側に出されたショートアップマフラー。2室構造で径の異なる排気口が縦に重ねられている。

リンク部分はアルミ鍛造製、スイングアームはスウェージング加工が施されたアルミ押出材を使用。物ショックのボトム部にリンク構造を持つプロリンク式サスペンションを採用。7段のプリロード調節ができる。

リジッドマウントされたシングルのディスクローターはφ256mm。NISSIN製シングルピストンのピンスライド式油圧キャリパーが採用されている。装着タイヤはメッツェラー製KAROOストリート。

ブラックアウトされたパイプバーハンドルはテーパードタイプ。

ハンドル左側は下から純にウインカー、ホーン、モード、そしてディマー&パッシングスイッチ。右列はハザード、セレクト、ファンクションスイッチ。
ハンドル右側には赤いシーソー式スイッチがひとつ。エンジンキルスイッチと始動用スターターを兼用している。

5インチサイズのTFTメーター。フルカラー液晶式のマルチインフォメーションディスプレイを採用。背景色を黒くすることもできる。

ディスプレイされる内容は実に豊富。バックライトは自動的に調光されて見やすい。
ディスプレイは4つのタイプから選択できる。
ブルーの表皮も好印象。長さにゆとりを覚える前後一体構造のダブルシート。
左脇のキー操作でシートは簡単に取り外すことができる。車載工具の後方にETC機器が標準装備されている。

パッセンジャーのグラブバーも考慮されたリヤキャリアが標準装備されている。灯火類は全てLED式だ。

主要諸元

XL750 TRANSALP

車名・型式:ホンダ・8BL-RD16
全長(mm):2,325
全幅(mm):840
全高(mm):1,450
軸距(mm):1,560
最低地上高(mm):210
シート高(mm):850
車両重量(kg):208
乗車定員(人):2
燃料消費率(km/L):34.5 (60km/h定地)〈2名乗車時〉
WMTCモード値(km/L):22.8 〈1名乗車時〉
最小回転半径(m):2.6

エンジン型式:RD16E
エンジン種類:水冷4ストロークOHC(ユニカム)4バルブ直列2気筒
総排気量(㎤):754
内径×行程(mm):87.0×63.5
圧縮比:11.0
最高出力(kW[PS]/rpm):67[91]/9,500
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm):75[7.6]/7,250
燃料供給装置形式:電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
始動方式:セルフ式
点火装置形式:フルトランジスタ式バッテリー点火
バッテリー:YTZ10S (12V-8.6Ah)
潤滑方式:圧送飛沫併用式
潤滑油量(L):3.9 (交換時・3.4、フィルター交換時・3.6)
燃料タンク容量(L):16
クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング式

変速機形式:常時噛合式6段リターン
変速比:
 1速…3.000
 2速…2.187
 3速…1.650
 4速…1.320
 5速…1.096
 6速…0.939
減速比(1次 / 2次):1.777 / 2.812
キャスター角(度):27゜00′
トレール量(mm):111
ハンドル切れ角(度):42゜
バンク角(度):40.5゜
タイヤ(前/後):90/90-21M/C(54H) バイアス、チューブ/ 150/70R-18M/C(70H)  ラジアル、チューブ
ブレーキ形式(前/後):油圧式ダブルディスク / 油圧式ディスク
懸架方式(前/後):テレスコピック式 (倒立サス)/ スイングアーム式(プロリンク)
サスストローク(mm前/後):200/190(ホイールトラベル)
フレーム形式:ダイヤモンド

製造国:日本(熊本製作所)

試乗後の一言!

手頃な乗り味とゆったり感は、万能ツアラーに相応しい出来ばえ。

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著者プロフィール

近田 茂 近影

近田 茂

1953年東京生まれ。1976年日本大学法学部卒業、株式会社三栄書房(現・三栄)に入社しモト・ライダー誌の…