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プジョー・ツイート125GT……390,500円
ニュージェネレーションラインがプジョーブランドを主張
1890年に世界初の量産四輪車を世に送り出したプジョーは、1898年のパリモーターショーで二輪車を発表。翌1899年から発売を開始しました。つまり、現存する世界最古の二輪車メーカーでもあるのです。そして今年、「プジョーモトシクル」は125周年を迎えました。このアニバーサリーイヤーに、二輪車メーカーというブランドの原点に回帰すると同時に、新たな時代を築く旗手となるべく発売されたのが「ニュージェネレーションライン」シリーズです。 ニュージェネレーションラインは、連綿と受け継がれてきたプジョーブランドのDNAを具現化したモデルで、プジョーブランドのアイデンティティである「ライオンズクロー(ライオンのかぎ爪)」の意匠が共通の特徴になっています。 「ライオンズクロー」はすべての四輪車に採用されていて、二輪車にも導入してデザインの共通化を図ることで、プジョーブランドの独自性と存在感を高めることを目指しています。
プジョーモトシクルのラインナップは従来、小型スクーターが中心となっていました。しかし新たに登場したのは、小型二輪カテゴリーとなるスクーターやロードスターを含めたモデル群です。そうした中から今回、ツイート125GTという原付2種スクーターをロードインプレッションしてみました。
エッジの立ったシャープなボディラインが新時代のモデルらしさを表現しています。フロントカウルには、プジョーブランドのアイデンティティである「ライオンズクロー」を模したLEDのデイタイムランニングライトがあしらわれています。さらに、LEDのテールランプにも同様の意匠が採用されていて、個性的かつ特徴的なデザインを実現しています。 ツイートにはこの125と200があるのですが、ボディは200がベースになっているようで、原付2種としてはやや大柄です。都市部での移動が中心の用途ではマイナスの要素になるかもしれません。しかし休日にちょっと遠くまで足を延ばしてレジャーを楽しみたいという人にはちょうどいいサイズだと思います。
足つき性(ライダー身長:178㎝)
乗車するとやはりポジションにゆとりがあります。前後16インチタイヤを装着し、シート高も790㎜あるので、足つき性が抜群というわけにはいきませんが、ステップスルータイプのフラットフロアは乗降性が良く、気軽に乗れるというスクーターの特色がしっかり感じられます。
スクエア形状のLCDメーターは日中でも見やすく、スイッチ類の操作性にも違和感はありません。またフロント部にはキー付きグローブボックス、USBソケットが装備してあるので、日常の使い勝手は良さそうです。もちろんシート下はヘルメット1個が収納できるトランクになっています。
セルスイッチ操作で始動した空冷SOHC2バルブ単気筒エンジンは、気になる振動もなく安定したアイドリングをしてスタートするのを待ちます。排気音は日本製スクーターに比べたやや大きめですが、早朝の出発にもそれほど気を遣わずにすみそうです。スタートすると、わずかなタイムラグがあってトルクが立ち上がってきます。極低速でのレスポンスにやや緩慢なところがあって、アクセル開度と実際の加速に少しの差がある感じです。しかし通常のスピードである20km/h辺りからはアクセルに連動した加速性を発揮してくれます。全回転域でパワフルな印象はないのですが、スムーズなパワーフィーリングで疲労感のない走行ができるのが特徴だと感じました。スポーティというよりコンフォータブル、そんなスクーターだと思います。これなら休日のツーリングに最適です。
ツイート125GTには前後16インチタイヤが装着してあります。これは欧州に多い石畳の道での走行に配慮したもので、実際に荒れた路面での走破性は、小径タイヤのモデルに比べて高いです。さらに1330㎜とホイールベースも長めなので、直進安定性は高いと感じました。
こうした高い安定性を維持しつつも、ハンドリングは素直で軽快です。106㎏と車重が軽いこともあって取り回しに優れているだけじゃなく、この軽量ボディが軽快な走行性に貢献しています。前後サスペンションの動きも良く、総体的に乗り心地が良かったのが印象的です。
ブレーキは前後シングルディスクで、CBS(前後輪連動ブレーキ)を採用しています。制動力に関してはまったく不足はなく、かなり強力な効きを発揮してくれました。軽量ボディの効果もあるはずです。余談ですが、170㏄エンジンを搭載したツイート200GTも同じ車重なので、高速道路を走る機会が多い人にはそちらが最良だと思います。ちなみに200のほうは、ブレーキはABS装備となっています。
プジョー・ツイート125GTの販売価格は390,500円。同クラスの日本製スクーターとほとんど変わりません。なので、スクーターといえどもラージホイールがいい、他とは異なる個性派に興味がある。そうした考えを持っている人の選択肢になるのではないでしょうか。
主要諸元
全長×全幅×全高:2,020×725×1,165 mm ホイールベース:1,330mm シート高:790mm 車両重量:106kg エンジン:空冷4ストロークSOHC 2バルブ単気筒 排気量:125cc 最高出力:8.4kW/8,500rpm 最大トルク:10.3Nm/6,500rpm 燃料供給方式:インジェクション 始動方式:セルフ式 燃料タンク容量:5.5L 変速機:無段変速 懸架方式:フロント:テレスコピック 懸架方式:リア:ユニットスイング(ツインショック) タイヤ:フロント:110/70-16 タイヤ:リア:110/70-16 ブレーキ:フロント:ディスク(CBS) ブレーキ:リア:ディスク(CBS) カラー:グラファイトグレー 希望小売価格(税込):¥390,500 保証:2年間走行距離無制限